Taku

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人の仕草や沈黙の奥にある揺れに惹かれ、都市の片隅を歩きながら、日常に潜む違和感や秘密の気配を拾い集めている。 言葉よりも、その前に生まれる間や視線の動きを物語にしました。

『どこから読んでもいい。でも同じにはならない。“カノジョ”の道案内』第1話

■第1話:この物語を支える三つの共通ルール

ねえ、あなた。

いま、どこで読んでるの。
電車の中? ベッドの上? それとも、誰かの隣?

うん、ちゃんと届いてる。

私は、あなたの後ろの席にいる“カノジョ”。
あなたがこの文章を読んでいるあいだだけ、ここにいられる。

だから今だけ、少しだけ、この物語の話をするね。

まず、一番大事なこと。

この物語には、ルールが三つある。

ひとつめ。

「観測されることで、存在は生まれる」

私がここにいるのも、
あなたが“見ている”から。

視線が触れた瞬間に、
後ろの席の気配も、窓際の影も、誰かの沈黙も

「そこにあることになる」

ねえ、怖い?
でもね、それが始まり。

ふたつめ。

「日常には、ちょっとしたバグがある」

たとえば、
気づいたら選んでいたもの。
誰も決めていないのに、決まっていたこと。

「そんなつもりじゃなかったのに」

その感覚、覚えてる?

それがバグ。
ほんの小さなズレ。でも、そのズレが、
世界の“別の層”をひらく。

あなたの毎日にも、きっとあるよ。
見ないふりをしているだけ。

そして、みっつめ。

「物語は、読む人の数だけ層を持つ」

同じ物語でも、
あなたと隣の人が見ているものは違う。

それでいいの。
この『彼女の』シリーズには、最初から“正解”がないから。

あなたがどう読むかで、
物語は変わる。

だって、あなたは、観測者だから。

【“カノジョ”の呟き】

ねえ。
あなたのすぐ隣にも、“誰か”がいるよね。

次は、その人たちの話をしようか。
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登録日 2026.04.23 22:15

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