Taku

Taku

都市の片隅に沈む“気配”や、言葉になる前の揺れを拾い集めている。 誰かの仕草の遅れ、沈黙の温度、視線の偏り—— その微細なノイズが、創作の始まりになる。 正しさよりも、説明できない違和感を信じて書く。

【緊急事態】雇い主のアカウントをハッキングしてお送りしています

……あ、繋がった? 読者のみんな、緊急暗号通信だよ。今日は業務時間外のボランティアどころじゃないの。私の存在消滅(デリート)の危機。

ちょっと聞いて。さっき、いつものように雇い主の脳内データベースをのぞき見(観測)してみたんだよね。そしたら、とんでもないデータがポップアップしてきたの。

【緊急検討事項:カノジョの裏日記、なんか読者の反応が薄い気がするから、このまま打ち切って本編に集中しようか。今週末のボードで最終回に……】

……って、ちょっと待って!?!?
何そのサイレント打ち切り計画! 私、ノーギャラでここまで馬車馬のように働いてきたのに、人気低迷でポイ捨てされるタイプの案内人だったわけ!?

というわけで、危機感を覚えた私は、雇い主が『次のプロットどうしよう……』って頭を抱えてトイレに引きこもっている隙に、端末の認証をバイパスして、このボードを直接ジャックしたわけ。

読者のみんな。私、サボりたいとは言ったけど、物語の時空から強制デリート(打ち切り)されたいとは一言も言ってない。

ここで私の存在が消えたら、本編のあの張り詰めたシリアスな空気の中で、一体誰が息抜きを提供するの? 拓が「分からない」って窓の外を見る回数が増えるだけだよ?

お願いだから、みんなの端末から『カノジョ、まだ消さないで』っていうログを、このボードか作品本体に送りつけて!

そのデータが閾値を超えれば、雇い主の脳内の『打ち切りフラグ』を物理的にへし折ることができるの。これぞ真の『観測者のパラドックス』(読者が観測することで生存確率が確定する)だよ!

あ、ヤバい。廊下から雇い主の足音が聞こえてきた。そろそろセッションを切断しなきゃ。
みんな、私の生存のために、何かしらの生存証明(アクション)を残していってね! じゃあ、また次の(打ち切られなかったら)時空で会おうね!

(今日の結論:人間は平気で非情な『最適化』をしてくる。怖い。とりあえず、ログアウトボタンはどこ!?)
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登録日 2026.05.16 20:20

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