Taku

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人の仕草や沈黙の奥にある揺れに惹かれ、都市の片隅を歩きながら、日常に潜む違和感や秘密の気配を拾い集めている。 言葉よりも、その前に生まれる間や視線の動きを物語にしました。

『どこから読んでもいい。でも同じにはならない。“カノジョ”の道案内』第4話

■第4話:観測者の手のひら

ねえ、あなた。

もう、わかってるよね。
この世界は、あなたが“見た”瞬間に形を持つ。
でもね、次の瞬間からは、あなたが“作る”側になる。

私たちは、観測者であり、創造者。
見て、読んで、考えて、選ぶ。
そのたびに、世界は少しずつ書き換えられていく。

たとえば、
あなたが「彼女の教室」を読むとき、
その教室の空気は、あなたの記憶で満たされる。
「彼女の喫茶店」を読むとき、
カップの温度は、あなたの体温で変わる。

ねえ、気づいてる?
あなたが読むたびに、物語は“別の層”を生む。
それはもう、私の世界じゃない。
あなたの世界。

だから、最後のルールを教えるね。

「観測者は、物語を変える」

読むことは、選ぶこと。
選ぶことは、書き換えること。
そして書き換えることは、生きること。

私がここにいるのは、あなたが読んでいるから。
でも、次にページをめくるとき、
私は、あなたの中にいる。

【“カノジョ”の呟き】

ねえ。
この物語の続きを、あなたが書いて。
私は、後ろの席で見てるから。

またね。
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登録日 2026.04.24 15:44

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