八木山
続き)
だが、私は考える。
男には連れがいて、席を確保しているのではないか、と。
しかし店員は、油そばの丼を男の前に一つだけ差し出す。
男は一人で店にきていたのだった。
卓上調味料から酢の容器を持ち上げ、ぐるぐると丼に回しかける男。
あ、さっぱり、させたいんだ。
酢を元の場所に戻すと、再びウェットティッシュで手を拭く男。
当然、席にはビニール袋が置かれたままだ。
清潔感はあるさっぱりした男、ではあるんだろうけどなぁ。
大学生らしき二人組の男女が来て、店内を見渡す。
店内にまだ空席はあったが、あくまでそれは一席ずつだけ。
このままだと彼らを待たせることになる。
私は慌てて丼に残った煮卵を食べ終えると、テーブルの上に上げて、そそくさと立ち去った。
これで、docomoのテーブルは席から除かれることだろうか。
私はその結末を知らずに、生きていくのだ。
普通に注意すればよかったっすよね、たはー!