【連作短編】 蟻『第二話 役割』を公開
二回目の潜入、目標は女王室の手前。フェロモン信号の偽造で兵アリの検問を通り抜けた。
幼虫室で、夏生は立ち止まった。保育係は止まらなかった。その幼虫がいつか兵アリになるのか、女王になるのかは、まだ決まっていないのかもしれなかった。
《選んでいないのに、選ばれている。》
父の論文に書いてあった。「個が消費される構造」。夏生は確かめたかった。消費されている側に、何かが残るのかどうか。
幼虫室で、夏生は立ち止まった。保育係は止まらなかった。その幼虫がいつか兵アリになるのか、女王になるのかは、まだ決まっていないのかもしれなかった。
《選んでいないのに、選ばれている。》
父の論文に書いてあった。「個が消費される構造」。夏生は確かめたかった。消費されている側に、何かが残るのかどうか。
コメント 0件
登録日 2026.09.28 19:39
0
件