橋本 直

橋本 直

通りすがりのSF書きです

『遼州戦記 司法局実働部隊の戦い 別名『特殊な部隊』と『戦時の青春』と『初デート』と更新しました!

最新話『第23話 私の中の新さん』
月島屋に着いてすぐランは異常なペースで酒を飲み始めた。
その様子はいつも誠の酒に『殺人カクテル』と誠が呼んでいるアルコール度70%以上のラムやウォッカを誠の酒に仕込んで悪戯するのもかなめに忘れさせるほどの荒れっぷりだった。
いつものどう見てもちっちゃなヤクザの親分としか思えない着物を脱ぎ、胸と腹に晒しにふんどし一丁、そして背中に毘沙門天の入れ墨風のシールを張ったランは『武蔵野』と呼ばれる酒が丸々一升入る大きな盃を次々と傾けた。
その様子に女将の春子も呆れて誠達に声をかけてきた。
かなめは突然現れたお蔦に嵯峨をさらわれたのが勝負に負けるのが何より嫌いなランには気に入らないんだろうと笑った。
春子は嵯峨の前にお蔦が現れたことを知って嵯峨ならばそんな女性が現れてもおかしくないとつぶやいた。
アメリアやカウラはそんな思いならばお蔦より春子の方が嵯峨にはふさわしいというが、かなめは甲武の生まれだけあり、お蔦が花街一の花魁であるということは同じような出自の殿上貴族の奥方が少なからず存在したことや、花街を知り尽くしている父義基なら20億近い金を使ってお蔦を身請けして嵯峨の後妻にしようとしたのだろうと言った。
春子は諦めながらビールを飲むが、そこでかなめは俯く春子に今からでも嵯峨を奪いに乗り込めと言った。
その言葉を聞くと春子は笑って同じような言葉を自分に同じような場面で言ってきた女の子によく言ったものだと笑った。
そして、春子がそう言ったのはその女の子の中で相手の男の姿を消すためで、自分は自分の中の嵯峨を消したくないと笑うだけだった。

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登録日 2026.10.19 19:32

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