香月零

香月零

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ホラー 連載中 長編
【あらすじ】 「夜の九時を過ぎたら、あの部屋には入らないでください」 そう言ったのは、不動産屋ではなく、隣家の老婆だった。 夫婦で移住してきた山あいの古民家。 築九十年。八帖の和室。畳は沈み、柱は軋む。 けれど、その部屋だけは――異様なほど、静かだった。 音がしないのではない。音が吸い込まれていくのだ。 夜九時を過ぎると、その和室で何かが「立っている音」がする。 呼吸のような気配。足音のような沈み。 そして、ある夜、襖の向こうから声がした。 「……おかあさん、迎えにきたの」 これは、母になれなかった女と、 母を求めてやまない“なにか”の、 誰にも気づかれなかった、静かな怪談である。
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文字数 4,157 最終更新日 2025.06.06 登録日 2025.06.06
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