だから忘却しないための薬を作った。それを飲むことは出来なかった。
彼は、今日も全てを忘れる。
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森の家へ強盗に入った青年が出会ったのは、頭から血を流しても、笑っている医者だった。
血まみれの自称:名医。
どんな病も見抜き、どんな怪我も治す、正真正銘の天才。
ただし──眠ると、その日の記憶がすべて消える。
名前も。交わした言葉も。命を救われたことも。
翌朝の彼は、何ひとつ覚えていない。
これは、忘れていく医者と、
忘れられない患者たちの物語。
文字数 18,464
最終更新日 2026.06.18
登録日 2026.06.16