八木山

八木山

「異端者の家」を見た。面白かった。

「すっげぇ宗教の映画だったね」

見終えた後に私の後ろを歩く大学生くらいのカップルがそう言ったのが、どうにも忘れられない。
新宿ピカデリーというそこまで大きくないシアターは、ほぼ満員だった。

「異端者の家」
若い女性二人の宗教勧誘員が、嵐の日に教会に興味があるという初老の男の家を訪れる。
男に言葉巧みに家の中へと案内された二人だったが、玄関のドアが開かない。
つまり、帰れない。キャー!

と言う映画だ。

ヒュー=グラントが演じるウィットに富んでる頭ヤベーオジさんこと「異端者」がマジで最高だった。
主人公の2人組もそれぞれキャラが立っていて、何より美人なのがなおのこと「そうそう、まさに生贄の子羊ってこうだよね」感あって、すごくいい。

登場人物の誰一人とも共感はできないが、だからこそいい。


ジャンルはスリラーよりのミステリーホラー。
正直、そこまで日本人ウケする映画ではないと思った。
とかく宗教の話がたくさん出て来るからだ。
公式サイトに宗教用語のまとめが掲載されているくらいだ。
※が、作中の異端者の男の説明はバイアスこそあるがすごいわかりやすいし、個別知識の有無は問題ではない。

なので、「すっげぇ西洋の宗教の映画」と言う表現が適切だろう。
大半の日本人は共感できないし、作ることもできないと思う。

だからか、宣伝が「ヤベー男にヤベー家に閉じ込められた女二人の地獄の脱出劇」になっているが、本質はそこではないと思う。

実際の所、確かに男の家は複雑なつくりではある。
だが脱出に4桁の番号は必要ないし、家そのものにも因習はないし、モンスターや亡霊と戦う必要もない。
身の毛もよだつ”仕掛け”とは、物理的なトラップではなく、ラストを除き常に心理的なものだった。
モルモン教はキリスト教の中でも新興派。二人は揺さぶられ、言葉に詰まり、信仰に向き合い、傷ついていく。
異端者は「信じる」とはどういう行為かを見る者に問いかけているのだ。
そしてこの映画は同時に訴えている。
どんなに意味がなかろうと、どんな宗教だろうと、「祈る」ということは美しいのだ。

それどんなダブスタだよと冷静に思うのだが、不思議と受け入れられるんだよな~・・・
登録日 2025.05.10 21:56

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2025.05.10 21:56
八木山
八木山

サンダーボルツ*を続けてみたけど温度差で風邪ひきました。
バッキー最強!レッドガ-ディアン最強!超人血清も最強!Foo!

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