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第一章 外れスキル
148.後輩指導
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「あっ、お兄ちゃん次の人が来ます」
声をかけてきたのはミィだ。スキル【医療秘書】だが文字を習っていないため、ここではミィが異世界病院の癒し枠兼案内役として手伝っている。
「ミィちゃんありがとね」
ミィは冒険者を俺の元に連れてきた。
「へへへ、リハビリ頑張ってね」
そんなミィは冒険者は頭を撫でられると嬉しそうに微笑み違う人を呼びに行った。
「ああ、癒しだな」
「俺のミィは嫁に――」
「いや、流石に年齢離れすぎだろ」
「冒険者はケダモノですから」
「……」
「そこは否定してください」
「ははは、そうだな! 今日もよろしくな」
本当に将来のミィは不安だ。変な男に捕まらないように今のうちから守ってくれる人を探しておかないとな。
「右腕の調子はどうですか?」
「ああ、だいぶ調子は良くなったぞ。痛みは無いけどまだ動きが悪いかな」
彼は冒険者ギルドの外で初めに声をかけて被害状況を聞いた人だ。
男性は仲間を守るために前腕で魔物の攻撃を受け止めた、橈骨・尺骨の骨幹部骨折になっていた。
「今日も可動域訓練と筋力訓練を中心に行いますね。エルクできるか?」
「やってみます」
スキル【作業療法】のエルクには上肢のリハビリ、スキル【理学療法】のマークには下肢のリハビリから教えている。
作業療法士は上肢、理学療法士は下肢のスペシャリストと言われるぐらいだ。
俺としてはどっちもできるのが本当のスペシャリストだが、急にたくさん覚えさせるのも彼らには大変だろう。
「おー、今日はエルクがやってくれるのか」
「よろしくお願いします」
「おう、痛くないからたくさんやってくれ」
冒険者もリハビリには協力的のため、孤児院の子達の勉強の一環として受け入れられている。
こういう人がいるからこそ若手は成長することができる。本当にありがたいことだ。
「エルクどうだ?」
「筋の柔軟性も低いですけど、骨間膜との癒着で動かない気がします」
前腕は肘から手首までのことを言い、そこには橈骨と尺骨という二種類の骨で形成されている。
その二本の骨の間には骨間膜という膜が張られており、そこにもたくさんの筋肉が走行している。
エルクは骨折などで不動になっていると筋肉の動きも悪くなり、骨間膜と癒着して前腕自体が動かしにくくなることがあった。
簡単に言えば筋肉かその膜が原因で動かないということだ。
「じゃあ、少しずつ動かしながらやってみて」
「そこは痛い」
「すみません」
急な痛みにエルクは驚き戸惑っていた。その様子を見ていた俺はエルクと変わり動かし始めた。
「ゆっくりと痛みが出ない範囲で動かしてください」
俺の指示通りに動かすと、次第に動く範囲が広がり、筋肉の突っ張り感も少しずつではあるが減ってきていた。
この辺の調整は難しいし、どうやってアプローチするかで変わるからな。
「おー、さすがケントだな。 エルクも頑張れよ」
「はい……」
「まぁ、落ち込むなよ。そんなに簡単にできることでもないし、俺もまだ出来ないことばっかりだしな。じゃあ、あとはエルクに任せたぞ」
俺自身も経験数年は少ないため全てができるわけではない。出来ないこともたくさんあるし、今はスキルでどうにかカバーしているのが現状だ。
「お兄ちゃんまたお客さんだよ」
ミィが呼びに来たため、あとはエルクに任せてマークを連れてもう一つのリハビリ室に向かった。
「エルクも頑張れよ。治るまでいくらでも俺の腕を貸してあげるからな!」
「ありがとうございます」
医療を勉強するには、協力してくれる人がいるからこそ後輩が育つんだと改めて思う一日だった。
声をかけてきたのはミィだ。スキル【医療秘書】だが文字を習っていないため、ここではミィが異世界病院の癒し枠兼案内役として手伝っている。
「ミィちゃんありがとね」
ミィは冒険者を俺の元に連れてきた。
「へへへ、リハビリ頑張ってね」
そんなミィは冒険者は頭を撫でられると嬉しそうに微笑み違う人を呼びに行った。
「ああ、癒しだな」
「俺のミィは嫁に――」
「いや、流石に年齢離れすぎだろ」
「冒険者はケダモノですから」
「……」
「そこは否定してください」
「ははは、そうだな! 今日もよろしくな」
本当に将来のミィは不安だ。変な男に捕まらないように今のうちから守ってくれる人を探しておかないとな。
「右腕の調子はどうですか?」
「ああ、だいぶ調子は良くなったぞ。痛みは無いけどまだ動きが悪いかな」
彼は冒険者ギルドの外で初めに声をかけて被害状況を聞いた人だ。
男性は仲間を守るために前腕で魔物の攻撃を受け止めた、橈骨・尺骨の骨幹部骨折になっていた。
「今日も可動域訓練と筋力訓練を中心に行いますね。エルクできるか?」
「やってみます」
スキル【作業療法】のエルクには上肢のリハビリ、スキル【理学療法】のマークには下肢のリハビリから教えている。
作業療法士は上肢、理学療法士は下肢のスペシャリストと言われるぐらいだ。
俺としてはどっちもできるのが本当のスペシャリストだが、急にたくさん覚えさせるのも彼らには大変だろう。
「おー、今日はエルクがやってくれるのか」
「よろしくお願いします」
「おう、痛くないからたくさんやってくれ」
冒険者もリハビリには協力的のため、孤児院の子達の勉強の一環として受け入れられている。
こういう人がいるからこそ若手は成長することができる。本当にありがたいことだ。
「エルクどうだ?」
「筋の柔軟性も低いですけど、骨間膜との癒着で動かない気がします」
前腕は肘から手首までのことを言い、そこには橈骨と尺骨という二種類の骨で形成されている。
その二本の骨の間には骨間膜という膜が張られており、そこにもたくさんの筋肉が走行している。
エルクは骨折などで不動になっていると筋肉の動きも悪くなり、骨間膜と癒着して前腕自体が動かしにくくなることがあった。
簡単に言えば筋肉かその膜が原因で動かないということだ。
「じゃあ、少しずつ動かしながらやってみて」
「そこは痛い」
「すみません」
急な痛みにエルクは驚き戸惑っていた。その様子を見ていた俺はエルクと変わり動かし始めた。
「ゆっくりと痛みが出ない範囲で動かしてください」
俺の指示通りに動かすと、次第に動く範囲が広がり、筋肉の突っ張り感も少しずつではあるが減ってきていた。
この辺の調整は難しいし、どうやってアプローチするかで変わるからな。
「おー、さすがケントだな。 エルクも頑張れよ」
「はい……」
「まぁ、落ち込むなよ。そんなに簡単にできることでもないし、俺もまだ出来ないことばっかりだしな。じゃあ、あとはエルクに任せたぞ」
俺自身も経験数年は少ないため全てができるわけではない。出来ないこともたくさんあるし、今はスキルでどうにかカバーしているのが現状だ。
「お兄ちゃんまたお客さんだよ」
ミィが呼びに来たため、あとはエルクに任せてマークを連れてもう一つのリハビリ室に向かった。
「エルクも頑張れよ。治るまでいくらでも俺の腕を貸してあげるからな!」
「ありがとうございます」
医療を勉強するには、協力してくれる人がいるからこそ後輩が育つんだと改めて思う一日だった。
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