149 / 281
第一章 外れスキル
149.生誕祭?
しおりを挟む
ガレインはあれから定期的に治療のために孤児院に来る回数が増えていた。
ちなみにあの件からスキル発動が父親である王にバレたが、今は王の側近までで口止めをされて貴族達には伝わらないようにしているらしい。
冒険者達もカタリーナの権限で口止めをされているが、貴族と関わりがある冒険者ってほぼいないに等しい。
結局のところガレインの味方は貴族とかではなく冒険者だ。
「これで依頼は終わりかな?」
「今日の分は終わりだね」
ガレインがいる日は様々な依頼が追加され、休みなく依頼をこなしている。
例えば外傷の治療や以前から持っている病気の治療、ちょっとした診察もラルフ付きで行われていたりする。
本当に医師としての役割が少しずつではあるができているのだ。
「そういえば生誕祭はどうするんだ?」
「生誕祭?」
ケトの記憶を探るが特に生誕祭という言葉は出てこなかった。
「ラルフは知ってるか?」
「あー、家族がいた時は小さくお祝いしていたから知っているぞ。トライン街も賑やかになるけど、オラの家ではそんなに関係なかったしな」
「知らないのは俺だけか……」
本格的に生誕祭を知らないのは俺だけだった。
「生誕祭って何をやるものなんだ?」
「基本的には新しい年が来るのを祝うのと成人を祝う祭りかな」
いわゆる、正月と成人式を同時に行うような祭りらしい。
また、この世界では誕生日という概念がなく、生誕祭を基準に年が変わったら年齢が一つ上がる仕組みになっていた。
「生誕祭が来たらオラ達も十二歳になるな。 あと、三年で大人の仲間入りだな。外れスキルも今じゃ外れじゃないし、ケントに出会えて良かったよ」
急なラルフの言葉に俺は戸惑った。
「なんだよ。急に気持ち悪いな」
「ははは、ごめんごめん」
「それで、孤児院は何かやるの?」
「何かって?」
「せっかくだから何かやるのもいいかと思ったけどやらないものなのかな?」
生誕祭のみ商業ギルドに所属していなくても、申請をだせば屋台などは出せる仕組みになっているらしい。
だからガレインは孤児院でお金になることをやらないかと確認していた。
せっかくたくさんいる子ども達にも協力させて、お金を稼ぐ経験をしても良いのかもしれない。
「んー、生誕祭をやったこともないですし、一度エイマーさんに確認してみようか」
孤児院の責任者であるエイマーに確認をしにいくと、良い案があれば生誕祭に参加する方向性となった。
♢
そして、俺はエイマーと何をやるのか話し合うことにした。
「その前にケントくんに相談があるんですけど……」
「僕に解決できることがあれば相談に乗りますよ?」
「実は前スキルを見てもらった時に私にはわからないスキルの子がいまして……」
以前ラルフとスキルを把握するために、全ての子にステータスを開示させてもらい、スキルが発動しているか確認したことがあった。
その中にエイマー自身がわからないスキルの子がいて、どうすればいいのか困っているとの相談だった。
「あれ? 医療関係のスキル以外に外れスキルの子っていましたか?」
「この子達のスキルが聞いたことなくて、他の職員もわからないので、ケントくんに聞こうと思っていたのですが忘れてました」
俺は一枚の紙を渡されると、そこには前世では普通に馴染みのある言葉が書かれていた。
――――――――――――――――――――
スキル【シェフ】
スキル【パティシエ】
スキル【ウェイター】
――――――――――――――――――――
「えっ? このスキルですか?」
「はい。スキルはどこかで発動されているので外れスキルでは無いと思うんですが、何に関係するスキルかわからないので、今後どうしようかと思ってまして……」
エイマーの会話の内容に俺は驚いていた。
まさか馴染みのある言葉がこの世界では使われていない言葉だった。
スキルはどこかで発動しているが、何かわからないため外れスキル扱いになっているらしい。
ひょっとしたら外れスキルって医療関係ってことではなくて、この世界になくて前世で使われていた言葉が外れスキルと言われているのかもしれない。
「スキル【料理人】ってありますか?」
「はい。お店をやるには必須のスキルですよね?」
どうやら料理人は存在するらしい。
「それと扱いはほぼ同じです。シェフは料理人をまとめる人のことで、パティシエはお菓子を作る人のことを言います。ウェイターは食事を運ぶ人ですね」
シェフはスキル【料理人】、パティシエはスキル【菓子職人】、ウェイターは【給仕】と概ね同じのようだ。
「だからスキルが発動していたんですね」
孤児院の子達は自身で料理を分担して作ることもあるため、自然と調理に触れることはあった。
だからスキルは発動していたのだろう。
「でもシェフもパティシエも結構多いですよね?」
「両方とも三人ずついます」
「ならその子達を中心に生誕祭で孤児院の食事処をやってみてはどうですか? ウェイターもいることですし、ちゃんとした食事処になりそうですよ」
俺は食事処を生誕祭でやってみて、働く経験をしてみてはどうかと提案することにした。
おいおい管理栄養士が見つかれば病院食も作れるだろうし、障害がある人の就労支援のサポートも視野に入れることができる。
どんどん外れスキルの幅が広がる気がしていた。
「わかりました。では商業ギルドに登録をしておきますね」
「お願いします。僕は冒険者ギルドを使って宣伝しておきますね」
俺達は生誕祭に食事処をやることになった。
ちなみにあの件からスキル発動が父親である王にバレたが、今は王の側近までで口止めをされて貴族達には伝わらないようにしているらしい。
冒険者達もカタリーナの権限で口止めをされているが、貴族と関わりがある冒険者ってほぼいないに等しい。
結局のところガレインの味方は貴族とかではなく冒険者だ。
「これで依頼は終わりかな?」
「今日の分は終わりだね」
ガレインがいる日は様々な依頼が追加され、休みなく依頼をこなしている。
例えば外傷の治療や以前から持っている病気の治療、ちょっとした診察もラルフ付きで行われていたりする。
本当に医師としての役割が少しずつではあるができているのだ。
「そういえば生誕祭はどうするんだ?」
「生誕祭?」
ケトの記憶を探るが特に生誕祭という言葉は出てこなかった。
「ラルフは知ってるか?」
「あー、家族がいた時は小さくお祝いしていたから知っているぞ。トライン街も賑やかになるけど、オラの家ではそんなに関係なかったしな」
「知らないのは俺だけか……」
本格的に生誕祭を知らないのは俺だけだった。
「生誕祭って何をやるものなんだ?」
「基本的には新しい年が来るのを祝うのと成人を祝う祭りかな」
いわゆる、正月と成人式を同時に行うような祭りらしい。
また、この世界では誕生日という概念がなく、生誕祭を基準に年が変わったら年齢が一つ上がる仕組みになっていた。
「生誕祭が来たらオラ達も十二歳になるな。 あと、三年で大人の仲間入りだな。外れスキルも今じゃ外れじゃないし、ケントに出会えて良かったよ」
急なラルフの言葉に俺は戸惑った。
「なんだよ。急に気持ち悪いな」
「ははは、ごめんごめん」
「それで、孤児院は何かやるの?」
「何かって?」
「せっかくだから何かやるのもいいかと思ったけどやらないものなのかな?」
生誕祭のみ商業ギルドに所属していなくても、申請をだせば屋台などは出せる仕組みになっているらしい。
だからガレインは孤児院でお金になることをやらないかと確認していた。
せっかくたくさんいる子ども達にも協力させて、お金を稼ぐ経験をしても良いのかもしれない。
「んー、生誕祭をやったこともないですし、一度エイマーさんに確認してみようか」
孤児院の責任者であるエイマーに確認をしにいくと、良い案があれば生誕祭に参加する方向性となった。
♢
そして、俺はエイマーと何をやるのか話し合うことにした。
「その前にケントくんに相談があるんですけど……」
「僕に解決できることがあれば相談に乗りますよ?」
「実は前スキルを見てもらった時に私にはわからないスキルの子がいまして……」
以前ラルフとスキルを把握するために、全ての子にステータスを開示させてもらい、スキルが発動しているか確認したことがあった。
その中にエイマー自身がわからないスキルの子がいて、どうすればいいのか困っているとの相談だった。
「あれ? 医療関係のスキル以外に外れスキルの子っていましたか?」
「この子達のスキルが聞いたことなくて、他の職員もわからないので、ケントくんに聞こうと思っていたのですが忘れてました」
俺は一枚の紙を渡されると、そこには前世では普通に馴染みのある言葉が書かれていた。
――――――――――――――――――――
スキル【シェフ】
スキル【パティシエ】
スキル【ウェイター】
――――――――――――――――――――
「えっ? このスキルですか?」
「はい。スキルはどこかで発動されているので外れスキルでは無いと思うんですが、何に関係するスキルかわからないので、今後どうしようかと思ってまして……」
エイマーの会話の内容に俺は驚いていた。
まさか馴染みのある言葉がこの世界では使われていない言葉だった。
スキルはどこかで発動しているが、何かわからないため外れスキル扱いになっているらしい。
ひょっとしたら外れスキルって医療関係ってことではなくて、この世界になくて前世で使われていた言葉が外れスキルと言われているのかもしれない。
「スキル【料理人】ってありますか?」
「はい。お店をやるには必須のスキルですよね?」
どうやら料理人は存在するらしい。
「それと扱いはほぼ同じです。シェフは料理人をまとめる人のことで、パティシエはお菓子を作る人のことを言います。ウェイターは食事を運ぶ人ですね」
シェフはスキル【料理人】、パティシエはスキル【菓子職人】、ウェイターは【給仕】と概ね同じのようだ。
「だからスキルが発動していたんですね」
孤児院の子達は自身で料理を分担して作ることもあるため、自然と調理に触れることはあった。
だからスキルは発動していたのだろう。
「でもシェフもパティシエも結構多いですよね?」
「両方とも三人ずついます」
「ならその子達を中心に生誕祭で孤児院の食事処をやってみてはどうですか? ウェイターもいることですし、ちゃんとした食事処になりそうですよ」
俺は食事処を生誕祭でやってみて、働く経験をしてみてはどうかと提案することにした。
おいおい管理栄養士が見つかれば病院食も作れるだろうし、障害がある人の就労支援のサポートも視野に入れることができる。
どんどん外れスキルの幅が広がる気がしていた。
「わかりました。では商業ギルドに登録をしておきますね」
「お願いします。僕は冒険者ギルドを使って宣伝しておきますね」
俺達は生誕祭に食事処をやることになった。
11
あなたにおすすめの小説
スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う
シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。
当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。
そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。
その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに
千石
ファンタジー
【第17回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞】
魔法学園4年生のグレイ・ズーは平凡な平民であるが、『他人の寿命が視える』という他の人にはない特殊な能力を持っていた。
ある日、学園一の美令嬢とすれ違った時、グレイは彼女の余命が本日までということを知ってしまう。
グレイは自分の特殊能力によって過去に周りから気味悪がられ、迫害されるということを経験していたためひたすら隠してきたのだが、
「・・・知ったからには黙っていられないよな」
と何とかしようと行動を開始する。
そのことが切っ掛けでグレイの生活が一変していくのであった。
他の投稿サイトでも掲載してます。
※表紙の絵はAIが生成したものであり、著作権に関する最終的な責任は負いかねます。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる