194 / 281
第一章 外れスキル
194.決着
しおりを挟む
俺達の目の前でまた合成魔法が発動しようとしていた。
「今度はどうする?」
「準備はしている。何回か近づくよ」
「わかった」
ラルフはグリッドを重ね合わせ、大きく膨れ上がったファイヤーボールを防いだ。
その隙間を俺は駆け走るが、魔法士達にはすでに気付かれていた。
「ファイヤーアロー」
今度はファイヤーボールではなく、矢の形をした火の矢が数本現れた。
魔法士が弓を引くように手を離すと同時に火の矢が向かってきた。
「ウィンドボール」
そのタイミングで空気の塊が触れると、矢の勢いは急に増した。
「熱っ!?」
急な矢の速さに俺は避けきれず魔法が腕を掠れた。
「ファイヤーアロー」
「ウィンドボール」
魔法士は俺が近づかないように火の矢の数を増やし魔法を連発した。
あまりの数に俺は避けきれない判断し身構えるとラルフの叫ぶ声が聞こえた。
「グリッド!」
矢が近づく瞬間にラルフはグリッドを俺の前に出した。矢はグリッドの触れると魔素に変わったが、それでも数が多く俺に当たって爆発するものもあった。
「あいつらしぶといな……」
「詠唱はまだか?」
「もう少しだ!」
「今のうちに時間を稼ぐぞ」
グリッドが魔法を打ち消すのに何かしらの制約があると気づいた魔法士は俺達に向かって速度重視で魔法を放った。
「グリッド!」
グリッドを横に連なるように並べると、矢はグリッドで全て防ぐことが出来た。
「ケントここなら大丈夫か?」
「いけるよ」
俺達の作戦はまだバレていないようだ。しかし、魔法士団の詠唱の方が先に終わっていた。
「よし、イケるぞ」
「待ってました!」
「あいつらを潰してやれ」
「メテオレイン」
後衛の魔法士が呪文を唱えると、俺達を囲うように直径1m以上はある岩の塊が無数に浮かんでいた。
「ははは! これなら防げないだろう」
「おい、お前たちやりすぎだ」
副団長は俺達を守るために詠唱を始めた。
「俺達は大丈夫です!」
ラルフは魔法士が今まで使った魔法から返還された魔素を取り込んでいた。
俺達はグリッドで魔法を分解して魔素を集めていたのだ。
「これで準備は大丈夫じゃ。ビー助戻ってくるのじゃ」
相手には見えないようにビー助とコロポが協力していたのだ。
実際は俺達四人?vs新人魔法士団三人で戦っていたのだ。
「出てこい! グリッドオオオォォォー!」
ラルフが叫ぶと俺達を中心に無数のグリッドが展開された。隙間はあるが半円のシールドのように感じた。
今まで見たことない数のグリッドの俺は驚いた。魔力が増えるだけで全く別のスキルに見える。
「破壊し尽くせー!」
魔法が放たれると無数のグリッドに触れ魔素に変換されていた。
様々な角度から降ってくる岩の衝撃にグリッドは破壊され、ラルフはその場ですぐにグリッドを生成し続けた。
魔力不足で倒れそうになってもそれでも俺達を守ろうと必死に堪えていた。
「ファイヤーアロー」
「ウィンドボール」
「アースストライク」
魔法士達はすぐに発動できる呪文を唱え、まだ降り続けるメテオに続き攻撃を仕掛けた。
「セヴィオン様間に合いません」
「わかった」
副団長は自身の防御魔法が間に合わないと分かり、セヴィオンに伝えるとセヴィオンは剣を抜いた。
「セヴィオン様はやく!」
しかし、セヴィオンはその場で足を止めた。
「なにかあったら私が責任を問おう」
「何言ってるんですか。あのままじゃあの子供達が――」
「顔を見てみろ」
セヴィオンの声に副団長は二人の顔を見ると納得したのか詠唱をやめた。
「ケントいけるか」
メテオレインが止まった後もまたビー助が魔素を集めていた。
今度はラルフじゃなくて俺に吸収させるために……。
「ああ、ラルフ助かったぞ」
「おう!」
俺は手を上にあげて指を鳴らした。イメージはシャボン玉が弾けるようにだ。
「水治療法!」
俺の声とともにどこかで弾ける音が聞こえた。すると同時に轟音が聞こえた。
「おい、なんだ」
「上だ!」
魔法士達は上を見上げるがすでに遅かった。
真上から大量の水が降ってきてのだ。
その量は有名な国境を隔てる滝を連想させるほどの量だった。
魔法士達は逃げることもできず上から落ちてくる水に流されていくだけだ。
「アブソリュートディフェンス」
副団長は魔法を詠唱させ、呪文を唱えると自身達を守るように発動させた。
俺達はラルフのグリッドで水治療法も魔素に変換するから問題はない。
「ははは、あいつらに一本やられたな」
魔法士達はそのまま大量の水に流されている様子を見てセヴィオンは腹を抱えて笑っていた。
若干縦型ドラムの洗濯機の中にいるイメージに近いからな。
「セヴィオン様笑ってないで止めてあげてください」
「ケントくん止めてくれ」
セヴィオンの声が聞こえた俺は水治療法を止めた。
魔法士達は訓練場の床に苦しむように倒れていた。
「ケント流石だな」
「ラルフこそ守ってくれてサンキュー!」
俺達の手が重なり大きくハイタッチの音が訓練場に響いた。
初めて俺達のコンビネーションがうまく決まった日だった。
「今度はどうする?」
「準備はしている。何回か近づくよ」
「わかった」
ラルフはグリッドを重ね合わせ、大きく膨れ上がったファイヤーボールを防いだ。
その隙間を俺は駆け走るが、魔法士達にはすでに気付かれていた。
「ファイヤーアロー」
今度はファイヤーボールではなく、矢の形をした火の矢が数本現れた。
魔法士が弓を引くように手を離すと同時に火の矢が向かってきた。
「ウィンドボール」
そのタイミングで空気の塊が触れると、矢の勢いは急に増した。
「熱っ!?」
急な矢の速さに俺は避けきれず魔法が腕を掠れた。
「ファイヤーアロー」
「ウィンドボール」
魔法士は俺が近づかないように火の矢の数を増やし魔法を連発した。
あまりの数に俺は避けきれない判断し身構えるとラルフの叫ぶ声が聞こえた。
「グリッド!」
矢が近づく瞬間にラルフはグリッドを俺の前に出した。矢はグリッドの触れると魔素に変わったが、それでも数が多く俺に当たって爆発するものもあった。
「あいつらしぶといな……」
「詠唱はまだか?」
「もう少しだ!」
「今のうちに時間を稼ぐぞ」
グリッドが魔法を打ち消すのに何かしらの制約があると気づいた魔法士は俺達に向かって速度重視で魔法を放った。
「グリッド!」
グリッドを横に連なるように並べると、矢はグリッドで全て防ぐことが出来た。
「ケントここなら大丈夫か?」
「いけるよ」
俺達の作戦はまだバレていないようだ。しかし、魔法士団の詠唱の方が先に終わっていた。
「よし、イケるぞ」
「待ってました!」
「あいつらを潰してやれ」
「メテオレイン」
後衛の魔法士が呪文を唱えると、俺達を囲うように直径1m以上はある岩の塊が無数に浮かんでいた。
「ははは! これなら防げないだろう」
「おい、お前たちやりすぎだ」
副団長は俺達を守るために詠唱を始めた。
「俺達は大丈夫です!」
ラルフは魔法士が今まで使った魔法から返還された魔素を取り込んでいた。
俺達はグリッドで魔法を分解して魔素を集めていたのだ。
「これで準備は大丈夫じゃ。ビー助戻ってくるのじゃ」
相手には見えないようにビー助とコロポが協力していたのだ。
実際は俺達四人?vs新人魔法士団三人で戦っていたのだ。
「出てこい! グリッドオオオォォォー!」
ラルフが叫ぶと俺達を中心に無数のグリッドが展開された。隙間はあるが半円のシールドのように感じた。
今まで見たことない数のグリッドの俺は驚いた。魔力が増えるだけで全く別のスキルに見える。
「破壊し尽くせー!」
魔法が放たれると無数のグリッドに触れ魔素に変換されていた。
様々な角度から降ってくる岩の衝撃にグリッドは破壊され、ラルフはその場ですぐにグリッドを生成し続けた。
魔力不足で倒れそうになってもそれでも俺達を守ろうと必死に堪えていた。
「ファイヤーアロー」
「ウィンドボール」
「アースストライク」
魔法士達はすぐに発動できる呪文を唱え、まだ降り続けるメテオに続き攻撃を仕掛けた。
「セヴィオン様間に合いません」
「わかった」
副団長は自身の防御魔法が間に合わないと分かり、セヴィオンに伝えるとセヴィオンは剣を抜いた。
「セヴィオン様はやく!」
しかし、セヴィオンはその場で足を止めた。
「なにかあったら私が責任を問おう」
「何言ってるんですか。あのままじゃあの子供達が――」
「顔を見てみろ」
セヴィオンの声に副団長は二人の顔を見ると納得したのか詠唱をやめた。
「ケントいけるか」
メテオレインが止まった後もまたビー助が魔素を集めていた。
今度はラルフじゃなくて俺に吸収させるために……。
「ああ、ラルフ助かったぞ」
「おう!」
俺は手を上にあげて指を鳴らした。イメージはシャボン玉が弾けるようにだ。
「水治療法!」
俺の声とともにどこかで弾ける音が聞こえた。すると同時に轟音が聞こえた。
「おい、なんだ」
「上だ!」
魔法士達は上を見上げるがすでに遅かった。
真上から大量の水が降ってきてのだ。
その量は有名な国境を隔てる滝を連想させるほどの量だった。
魔法士達は逃げることもできず上から落ちてくる水に流されていくだけだ。
「アブソリュートディフェンス」
副団長は魔法を詠唱させ、呪文を唱えると自身達を守るように発動させた。
俺達はラルフのグリッドで水治療法も魔素に変換するから問題はない。
「ははは、あいつらに一本やられたな」
魔法士達はそのまま大量の水に流されている様子を見てセヴィオンは腹を抱えて笑っていた。
若干縦型ドラムの洗濯機の中にいるイメージに近いからな。
「セヴィオン様笑ってないで止めてあげてください」
「ケントくん止めてくれ」
セヴィオンの声が聞こえた俺は水治療法を止めた。
魔法士達は訓練場の床に苦しむように倒れていた。
「ケント流石だな」
「ラルフこそ守ってくれてサンキュー!」
俺達の手が重なり大きくハイタッチの音が訓練場に響いた。
初めて俺達のコンビネーションがうまく決まった日だった。
11
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。
アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。
それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。
するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。
それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき…
遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。
……とまぁ、ここまでは良くある話。
僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき…
遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。
「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」
それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。
なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…?
2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。
皆様お陰です、有り難う御座います。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる