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第一章 外れスキル

193.異世界病院vs新人魔法士団

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 俺達は三人の新人魔法士と向き合っている。

「では、ルールを説明する。基本的に自身の持てる力で模擬戦をしてもらえばいい。こちらで命に関わる攻撃と判断したものに関しては全力で止めにいきます」

 副団長が一通りルールを説明し、審判を行うことになった。

「では防御壁を張ります」

 副団長の一言で俺達と魔法士三人、そしてセヴィオンと副団長七人を中心に防御壁が張られた。

 防御壁の周りでは他の魔法士団の人達が楽しそうに見ている。その中には以前マルヴェインと戦った時にいた団員も多かった。

「この王国の中では一番の防御魔法使いなので安心して全力を尽くしてください」

 副団長が手を大きく上げ振り下ろした。模擬戦の開始の合図だ。

「はじめ!」

 副団長の掛け声と共に魔法士が動き出した。

「ほぉ、すぐに隊列を組むとは流石ベズギット魔法学園を卒業しただけあるな」

 三人の魔法士は前後に分かれ、前列は二人で後列の一人を守る形で隊列を組んだ。

「基本の攻めで行く気だがあの二人の方はどうするんだ」

「ケントどうする?」

「とりあえず魔法を防いでくれると助かる。魔法士だから近接戦に持ち込んで様子を見てみるよ」

「わかった!」

 俺は異次元医療鞄から打診器を取り出し、ラルフはグリッドを出した。

 ラルフが空中から出したグリッドに新人魔法士の注意が向いていた。

「いくよ!」

 ラルフを先頭に俺が後ろから続く形で突撃した。

「俺が詠唱に入るから近づかないように頼む」

「オッケー!」

 後列魔法士が詠唱をして、前衛二人が魔法で牽制することになった。

「ファイヤーボール」

 ベズギット魔法学園卒業生だからなのか詠唱なく、呪文のみで1mサイズの火の玉が飛んで来た。

「ラルフ頼む」

「任せろ!」

 ラルフは火の玉に直接あたりグリッドを押し込んだ。

 ファイヤーボールがグリッドに触れた瞬間爆風が広がった。

「あいつら馬鹿だな」

 ファイヤーボールでも通常より魔力が込められたものは、直接盾が触れると熱で溶けてしまう。

 それが一般的な考えだ。ただラルフのグリッドは盾ではない。

 ラルフは煙の中そのまま突撃すると魔法士達は驚きの表情をしていた。

「何!?」

「ファイヤーボール」
「ウィンドボール」

 前衛の魔法士は同時に呪文を唱えた。二つのボールはラルフの目の前でぶつかり、さっきの魔法より強い火力だった。

「流石だな。下位魔法で合成魔法をするとはな」

 魔法同士を同タイミングで合わせぶつけることで威力を上げることができる。

 タイミングを合わせるだけで至難の技になるため、ある程度お互いを理解していないと出来ない技だ。

「グリッド!」

 ラルフは危険感じたのかグリッドを前方に出し、二枚重ねにして魔法とぶつけた。

――ドゴオォーン!

 さっきよりも強い爆風が起き、副団長はすぐに俺達の元に向かおうとするがセヴィオンはすぐに止めた。

「セヴィオン様!」

「大丈夫だ」

 セヴィオンが頷くと副団長はその場で止まり様子をみた。

「やったか?」

「いや、気を抜くな。詠唱がまだ終わってない」

 前衛二人はラルフに注意が向いていた。

「よそ見はいけないですよ!」

 俺は一回目の爆発のタイミングでラルフから離れて行動していた。

 打診器では前衛の一人に当てるが杖で防御されてしまった。それでも数m飛び隊列を崩すことができた。

「ファイヤーボール!」

 隣にいた魔法士がすぐに俺に魔法を放つが後方に下がった。

「威力が弱かったんじゃないか?」

「さっきはうまくいったと思ったんだけどね」

「ゴードン、詠唱はどうだ」

「ああ、そろそろいけるぞ」

「あー、久々に思いっきり殴られたぞ」

「ははは、顔腫れてきそうだな」

 飛ばされた魔法士もすぐに立ち上がり隊列に戻ってきていた。杖で防御はしていても顔に打診器が当たっていたようだ。

「じゃあ、ゴードンそのまま詠唱頼む」

「おう」

「ファイヤーボール」
「ウィンドボール」

 前衛魔法士の二人は再度呪文を唱え俺達に魔法を放った。
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