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第一章 幼少期編
第五十四話 絡まれて
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結局、ドレスやら装飾品やらへの仕掛けを使わずに、平和なままパーティーは終了……と思ったのだが、最後の最後になって、問題が起きた。
私達が居た場所は、人気のない庭の端。そして、アルト王子とイルト王子が居なくなった今、私は一人でパーティー会場へと戻っていたのだが、そこを待ち伏せされた。
「おい、おまえっ! なんでくろがこのばしょにいるっ」
そこに居たのは、何とも頭の出来が悪そうな令息三人組。先頭に立って叫ぶのは赤髪にオレンジの瞳を持つ獣つきの男の子だ。
「何でもなにも、これは私の誕生日を祝うパーティーですよ? 話を聞いていなかったのですか?」
冷たい視線でそう返せば、三バカは怯む。
「っ、そ、それでもだっ! おまえがぱーてぃーとか、おかしいだろっ!」
どうにか頭を回転させて反論してきたらしいが、相手が悪過ぎる。何せ、こちとら前世の記憶というアドバンテージがあるのだ。
「何がおかしいと? あなた達は、自分の誕生日パーティーには出席しないのですか? ならば、私があなた達のパーティーに呼ばれた時は安心ですね」
そうしてうっすら笑みを浮かべて見せると、令息達はタジタジになる。
「っ、くろはわるいやつなんだ! だから、おれがたおすっ」
しかし、先頭に居る令息は、一際バカだったらしい。妙な決めつけを叫んでから、こちらへと小さな拳を振り上げて襲いかかってくる。そして……。
「いっ!?」
私は、様々な強化によってスローモーションに見えていたその拳を、がっちりと掴む。
「は、はなせっ!」
拳を掴んだ私の手へ、もう片方の手を伸ばして、必死に外そうともがく令息に、私はジワジワと力を強めてやる。
「い、いたいいたいっ! はなせっ、はなしてっ」
涙目で暴れる令息。しかし、私はここで簡単に離すつもりなどない。
「あら? ただの令嬢に手を掴まれただけで泣くなんて、随分と軟弱なんですね?」
「なんじゃくがなにかわからないけど、とにかくはなせっ」
「あぁ、語学力もなかったんですね? これは、弱い、という意味ですよ」
そう言うと、令息はキッと私を睨み付けるのだが、その直後にまた力を込めると、ジワジワと涙が溢れてくる。
「う、うわぁぁぁぁあん、ははうえーっ」
とうとう泣き出してしまった令息に、私はようやく、その手を離してやる。
「本当に、軟弱ですね? 目障りです。さっさと去りなさい」
大泣きをする令息に、後ろで青ざめていた二人が慌てて退散していく。……大泣き中の令息を置いて。
「あら? もう一度痛い目にあいたいのですか?」
ただし、そういうと『ひっ』と悲鳴をあげて、転びかけながら退散していく。
そして、取り残された私はというと……。
「これで、多分、あの子達の家が突然潰れたり、一家心中が起こったり、何てことはなくなった、よね?」
「多分、大丈夫だろう」
私の言葉に応えるのは、影に隠れていたローラン。ローランは、私の問いかけに答えると同時に姿を現し、令息達が去っていった方向を睨みつける。
「みゅう。パーティーは、そろそろ終わるかな?」
「あぁ、もうすぐ、な。俺は護衛をしていた方が良いか? ユミリア様?」
「ううん。見つかったらローランも何を言われるか分からないし、このまま隠れておいて」
ローランだって、黒の持ち主だ。そんなローランが表に出て、心ないことを言われるのは、きっと我慢ができない。
「分かった。無理はするなよ?」
「もちろん」
少しの波乱はあったものの、会場に戻った後は特に何事もなく、無事にパーティーが終わるのだった。
私達が居た場所は、人気のない庭の端。そして、アルト王子とイルト王子が居なくなった今、私は一人でパーティー会場へと戻っていたのだが、そこを待ち伏せされた。
「おい、おまえっ! なんでくろがこのばしょにいるっ」
そこに居たのは、何とも頭の出来が悪そうな令息三人組。先頭に立って叫ぶのは赤髪にオレンジの瞳を持つ獣つきの男の子だ。
「何でもなにも、これは私の誕生日を祝うパーティーですよ? 話を聞いていなかったのですか?」
冷たい視線でそう返せば、三バカは怯む。
「っ、そ、それでもだっ! おまえがぱーてぃーとか、おかしいだろっ!」
どうにか頭を回転させて反論してきたらしいが、相手が悪過ぎる。何せ、こちとら前世の記憶というアドバンテージがあるのだ。
「何がおかしいと? あなた達は、自分の誕生日パーティーには出席しないのですか? ならば、私があなた達のパーティーに呼ばれた時は安心ですね」
そうしてうっすら笑みを浮かべて見せると、令息達はタジタジになる。
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しかし、先頭に居る令息は、一際バカだったらしい。妙な決めつけを叫んでから、こちらへと小さな拳を振り上げて襲いかかってくる。そして……。
「いっ!?」
私は、様々な強化によってスローモーションに見えていたその拳を、がっちりと掴む。
「は、はなせっ!」
拳を掴んだ私の手へ、もう片方の手を伸ばして、必死に外そうともがく令息に、私はジワジワと力を強めてやる。
「い、いたいいたいっ! はなせっ、はなしてっ」
涙目で暴れる令息。しかし、私はここで簡単に離すつもりなどない。
「あら? ただの令嬢に手を掴まれただけで泣くなんて、随分と軟弱なんですね?」
「なんじゃくがなにかわからないけど、とにかくはなせっ」
「あぁ、語学力もなかったんですね? これは、弱い、という意味ですよ」
そう言うと、令息はキッと私を睨み付けるのだが、その直後にまた力を込めると、ジワジワと涙が溢れてくる。
「う、うわぁぁぁぁあん、ははうえーっ」
とうとう泣き出してしまった令息に、私はようやく、その手を離してやる。
「本当に、軟弱ですね? 目障りです。さっさと去りなさい」
大泣きをする令息に、後ろで青ざめていた二人が慌てて退散していく。……大泣き中の令息を置いて。
「あら? もう一度痛い目にあいたいのですか?」
ただし、そういうと『ひっ』と悲鳴をあげて、転びかけながら退散していく。
そして、取り残された私はというと……。
「これで、多分、あの子達の家が突然潰れたり、一家心中が起こったり、何てことはなくなった、よね?」
「多分、大丈夫だろう」
私の言葉に応えるのは、影に隠れていたローラン。ローランは、私の問いかけに答えると同時に姿を現し、令息達が去っていった方向を睨みつける。
「みゅう。パーティーは、そろそろ終わるかな?」
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「ううん。見つかったらローランも何を言われるか分からないし、このまま隠れておいて」
ローランだって、黒の持ち主だ。そんなローランが表に出て、心ないことを言われるのは、きっと我慢ができない。
「分かった。無理はするなよ?」
「もちろん」
少しの波乱はあったものの、会場に戻った後は特に何事もなく、無事にパーティーが終わるのだった。
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