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辺境伯夫人は頑張ります
12【フレッド視点】
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「確認なんだが、シャーリーはオレが辺境伯でなくても妻でいてくれるか?」
「そんなの、当然じゃない。辺境伯だからフレッドを好きになった訳ではないわ!」
迷いなく、真っ直ぐオレを見つめながら言い切るシャーリー。
「シャーリー……そうか……そうだよな。シャーリーはオレと一緒なら岩穴に住んでも構わないんだったね」
「なっ! なんで知ってるのよ!!!」
可愛い妻の頬が真っ赤に染まる。
ああ、なんて可憐なんだろう。こんな表情を見せてくれるのはオレだけにして欲しい。いっそ、どこかに閉じ込めてしまいたい。
「エリザベス様が教えてくれたんだよ。シャーリーと結婚してすぐに攫われた事があっただろう? その時教えて貰った」
「もう! エリザベスってば! 確かに言ったけど、フレッドに知られるとは思わなかったわ」
「……今も、その気持ちは変わらない?」
辺境伯夫人になったシャーリーは、今までのように予算の計算をする必要もなく、大量のアクセサリーやドレスを所持している。オレが贈った物が大半だが、シャーリー自身も事業を行っており制作した試作品などを夜会に着て行く事も多い。
本当は、全てオレが贈る物でシャーリーを飾り立てたい。だけど、あまり束縛すると嫌われるとクリストファーが脅すから、我慢している。
結婚前と違い、たくさんのものを手に入れたシャーリー。それは、多くの人にとって手放し難いものの筈だ。オレが辺境伯だから、シャーリーがその妻だから……現在の地位を手放せば全て失ってしまうものだ。
今のシャーリーは、オレと岩穴に住んでも構わないと思うのだろうか。もし、嫌だと言うなら……ドロリとした独占欲が身体中を駆け巡る。あちこちからシャーリーを奪おうとする男達。
イライラしたオレは、自分勝手な気持ちに囚われていた。
いっそ、シャーリーを表に出さなければ良いじゃないか。オレの事を疑わない純粋な妻。心配だからと言えば素直に屋敷に篭ってくれるだろう。
そのまま、ずっと屋敷から出さなければ良い……。
そんな自分勝手な気持ちは、シャーリーが満面の笑みを浮かべてオレに抱きついて来たから、消え去った。
「当たり前でしょ! フレッドが辺境伯でなくても、平民になっても、罪人になったってついて行くわ! フレッドが平民になったらゼロから2人で商会をやるのも良いわね! フレッドが罪人になるなんて、絶対何かの陰謀なんだから拘束されたら助け出す方法を考えるし、それが無理で処刑される事になるならわたくしも一緒に処刑されるわ」
事もなげに言う妻にゾッとした。
シャーリーが……オレのせいで……死ぬ?
そんな未来、絶対に受け入れらない。
今までの物騒な考えを捨てる。
シャーリーに嫌われるかもしれないと渡せなかった物。今こそ渡しておくべきではないか?
大丈夫、シャーリーはオレを嫌ったりしない。
「シャーリー、今まで渡せなかった物があるんだ。嫌じゃなければ受け取ってくれないか? もちろん、嫌なら受け取らなくて良い」
「フレッドからの贈り物は、全て宝物よ!」
「……そう言ってくれるのは嬉しいんだが、クリストファーにはやめておけと言われた物なんだ……束縛しすぎだと叱られた」
「そうなの? 大丈夫よ! 嫌なら嫌って言うわ。フレッドは、わたくしが嫌だって言った事はしないもの。だから、安心して教えて? こんな事言ってくるって事は、必要だと思っているんでしょう?」
妻の信頼が重く、心地良い。
こんなシャーリーだから、オレは自信を持って歩いていける。愛しい妻を抱き締めて、溜まりに溜まった秘密の贈り物を打ち明けた。
「そんなの、当然じゃない。辺境伯だからフレッドを好きになった訳ではないわ!」
迷いなく、真っ直ぐオレを見つめながら言い切るシャーリー。
「シャーリー……そうか……そうだよな。シャーリーはオレと一緒なら岩穴に住んでも構わないんだったね」
「なっ! なんで知ってるのよ!!!」
可愛い妻の頬が真っ赤に染まる。
ああ、なんて可憐なんだろう。こんな表情を見せてくれるのはオレだけにして欲しい。いっそ、どこかに閉じ込めてしまいたい。
「エリザベス様が教えてくれたんだよ。シャーリーと結婚してすぐに攫われた事があっただろう? その時教えて貰った」
「もう! エリザベスってば! 確かに言ったけど、フレッドに知られるとは思わなかったわ」
「……今も、その気持ちは変わらない?」
辺境伯夫人になったシャーリーは、今までのように予算の計算をする必要もなく、大量のアクセサリーやドレスを所持している。オレが贈った物が大半だが、シャーリー自身も事業を行っており制作した試作品などを夜会に着て行く事も多い。
本当は、全てオレが贈る物でシャーリーを飾り立てたい。だけど、あまり束縛すると嫌われるとクリストファーが脅すから、我慢している。
結婚前と違い、たくさんのものを手に入れたシャーリー。それは、多くの人にとって手放し難いものの筈だ。オレが辺境伯だから、シャーリーがその妻だから……現在の地位を手放せば全て失ってしまうものだ。
今のシャーリーは、オレと岩穴に住んでも構わないと思うのだろうか。もし、嫌だと言うなら……ドロリとした独占欲が身体中を駆け巡る。あちこちからシャーリーを奪おうとする男達。
イライラしたオレは、自分勝手な気持ちに囚われていた。
いっそ、シャーリーを表に出さなければ良いじゃないか。オレの事を疑わない純粋な妻。心配だからと言えば素直に屋敷に篭ってくれるだろう。
そのまま、ずっと屋敷から出さなければ良い……。
そんな自分勝手な気持ちは、シャーリーが満面の笑みを浮かべてオレに抱きついて来たから、消え去った。
「当たり前でしょ! フレッドが辺境伯でなくても、平民になっても、罪人になったってついて行くわ! フレッドが平民になったらゼロから2人で商会をやるのも良いわね! フレッドが罪人になるなんて、絶対何かの陰謀なんだから拘束されたら助け出す方法を考えるし、それが無理で処刑される事になるならわたくしも一緒に処刑されるわ」
事もなげに言う妻にゾッとした。
シャーリーが……オレのせいで……死ぬ?
そんな未来、絶対に受け入れらない。
今までの物騒な考えを捨てる。
シャーリーに嫌われるかもしれないと渡せなかった物。今こそ渡しておくべきではないか?
大丈夫、シャーリーはオレを嫌ったりしない。
「シャーリー、今まで渡せなかった物があるんだ。嫌じゃなければ受け取ってくれないか? もちろん、嫌なら受け取らなくて良い」
「フレッドからの贈り物は、全て宝物よ!」
「……そう言ってくれるのは嬉しいんだが、クリストファーにはやめておけと言われた物なんだ……束縛しすぎだと叱られた」
「そうなの? 大丈夫よ! 嫌なら嫌って言うわ。フレッドは、わたくしが嫌だって言った事はしないもの。だから、安心して教えて? こんな事言ってくるって事は、必要だと思っているんでしょう?」
妻の信頼が重く、心地良い。
こんなシャーリーだから、オレは自信を持って歩いていける。愛しい妻を抱き締めて、溜まりに溜まった秘密の贈り物を打ち明けた。
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