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第46話 自業自得の果て
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レオンハルト殿下が失意のうちにガルディアを去ってから、数ヶ月が過ぎた。彼の歪んだ執着から解放された私は、ライオネル様との穏やかで幸せな日々を満喫し、間近に迫った結婚式の準備に胸を躍らせていた。
そんなある日、クラウス執事が、私に一枚の報告書を差し出した。それは、ガルディアの情報部がまとめた、エスタード王国の最新の国内情勢に関するものだった。
「アリアナ様、あまり気分の良いものではないかもしれませんが、念のためお目通しを……」
クラウスさんの言葉に、私は少しだけ眉を顰めながらも、その報告書を受け取った。そして、そこに書かれていた内容に、私は言葉を失った。
エスタード王国は、まさに凋落の一途を辿っていたのだ。
レオンハルト殿下は、ガルディア訪問で完全に自信を喪失したのか、帰国後はほとんど政務を顧みなくなり、自室に引きこもって酒浸りの日々を送っているという。当然、国政はさらに混乱し、アリアナという有能な補佐役を失ったツケが、あらゆる面に噴出していた。
経済は悪化の一途を辿り、物価は高騰、失業者は溢れ、民衆の不満は日に日に高まっている。貴族たちは、そんな状況を顧みることなく、相変わらず派閥争いに明け暮れ、私腹を肥やすことしか考えていない。かつて私が必死に支え、取り繕ってきた国のシステムは、もはや崩壊寸前だった。
そして、レオンハルト殿下の評判は、地に落ちていた。「愚王」「国を滅ぼす者」「アリアナ様を手放した最大の愚か者」――民衆の間では、そんな痛烈な批判が公然と囁かれているという。かつての婚約者候補であったイザベラ嬢も、国の傾きを察して早々に彼のもとを去り、より裕福な別の貴族に乗り換えたらしい。まさに、自業自得の結末と言えるだろう。
(……マーサは、大丈夫かしら……)
報告書を読みながら、私の胸に真っ先に浮かんだのは、エスタードに残してきた唯一の味方、老侍女マーサのことだった。彼女のような善良な人々が、国の混乱によって苦しんでいるのではないかと思うと、胸が痛んだ。
故郷がこのような状況に陥っていることを知るのは、決して気分の良いものではない。けれど、同時に、私はどこか冷静に、この事態を受け止めている自分にも気づいていた。
(これも……彼らが選んだ道なのだわ……)
レオンハルト殿下も、エスタードの貴族たちも、そして多くの民衆も、私という存在を軽んじ、その価値を認めようとしなかった。その結果が、今のこの状況なのだ。私がどれだけ心を痛めたところで、もう私にできることは何もない。
私は、静かに報告書を閉じると、窓の外に広がるヴァルテンシュタットの美しい街並みを見つめた。ここが、私の新しい故郷。私が愛し、愛される場所。
エスタードのことは、もう過去として心の奥にしまい込もう。そして、私は前を向いて、このガルディアで、ライオネル様と共に、新しい未来を築いていくのだ。
そう決意を新たにすると、私の心は不思議と軽くなっていた。故郷への最後の感傷を振り切り、私は未来へと視線を向けた。そこには、輝かしい光が満ち溢れているように感じられた。
そんなある日、クラウス執事が、私に一枚の報告書を差し出した。それは、ガルディアの情報部がまとめた、エスタード王国の最新の国内情勢に関するものだった。
「アリアナ様、あまり気分の良いものではないかもしれませんが、念のためお目通しを……」
クラウスさんの言葉に、私は少しだけ眉を顰めながらも、その報告書を受け取った。そして、そこに書かれていた内容に、私は言葉を失った。
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(……マーサは、大丈夫かしら……)
報告書を読みながら、私の胸に真っ先に浮かんだのは、エスタードに残してきた唯一の味方、老侍女マーサのことだった。彼女のような善良な人々が、国の混乱によって苦しんでいるのではないかと思うと、胸が痛んだ。
故郷がこのような状況に陥っていることを知るのは、決して気分の良いものではない。けれど、同時に、私はどこか冷静に、この事態を受け止めている自分にも気づいていた。
(これも……彼らが選んだ道なのだわ……)
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私は、静かに報告書を閉じると、窓の外に広がるヴァルテンシュタットの美しい街並みを見つめた。ここが、私の新しい故郷。私が愛し、愛される場所。
エスタードのことは、もう過去として心の奥にしまい込もう。そして、私は前を向いて、このガルディアで、ライオネル様と共に、新しい未来を築いていくのだ。
そう決意を新たにすると、私の心は不思議と軽くなっていた。故郷への最後の感傷を振り切り、私は未来へと視線を向けた。そこには、輝かしい光が満ち溢れているように感じられた。
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