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第三章 幸せの行方
30 成人 53
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斎は、朝ごはんも食べに来なかった。辛くて、食べられないのだろうか。食堂は、俺の部屋より斎の部屋の方が近いのに。
何か持って行こう。
氷なら食べられるかな。氷は美味しいし。
冷凍庫を開けて気付く。少し前に氷を食べ過ぎてお腹を壊し、取り上げられたのだった。
「氷は駄目だぞ」
緋色が言った。
無いよ。食べられないよ。食べようとしたんじゃないよ。何となく、むかむかする。
仕方ない。一個だけ隠してた飴にするか。ベッドの布団の下から取り出したら、べたべたしていた。
「お前、こんなとこに飴を隠してたのか。溶けてしまってるじゃないか。あーあ、布団が」
もう。緋色、うるさい。
これでは、斎にあげられないので、自分で食べるか、と元に戻そうとしたら取り上げられた。
「何をしてるんだ、さっきから。朝飯食べたばかりだろう? 粥を残してたくせに、おやつか? 駄目だぞ。あと、布団の下に物を入れるな。見てみろ」
緋色はそう言って布団を持ち上げる。色が変わり、べたべたしたものが付いて、いい匂いがしていた。
「こんなに汚れたら、洗うのが大変だろう? 飴は溶けるから隠したら駄目だ。布団の下に、何かを隠すのは禁止」
じゃあ、どこに隠したらいいんだ。ポケットに入れていたら洗われたし。あの時も、怒られた。
まあ、今はそんなことより斎への手土産である。
疲れてベッドの上に上がりうつ伏せに寝転んで考えた。パズルはどうかな。一緒にしてみる? それとも一つ置いてくる? 青葉さんと力丸に三つももらったし。崩したら何回も遊べて楽しいし。
考えていたら急に抱き上げられて、びっくりする。
「布団を変えてもらうから、ちょっと退けてろ。シーツも全部洗うってさ」
緋色にぺたりともたれて抱かれながら、パズルにしよう、と思った。
女の使用人が二人入ってきて、布団を持ち上げると出ていった。緋色が溶けた飴をごみ箱に捨てる。
嗚呼。
「や。飴、食べれる」
「駄目だ。腹を壊したらどうする」
「大丈夫」
「どの口が言ってるんだ? ついこの間、お腹痛いと泣いたくせに」
「泣いてない。氷はやめた」
「溶けた飴も駄目だ」
俺は、むかむかして緋色から顔を背ける。
「お出かけするから、おろして」
びっくりした顔をした緋色がおろしてくれたので、ふん、としたままパズルを一つ選んで部屋を出た。
何か持って行こう。
氷なら食べられるかな。氷は美味しいし。
冷凍庫を開けて気付く。少し前に氷を食べ過ぎてお腹を壊し、取り上げられたのだった。
「氷は駄目だぞ」
緋色が言った。
無いよ。食べられないよ。食べようとしたんじゃないよ。何となく、むかむかする。
仕方ない。一個だけ隠してた飴にするか。ベッドの布団の下から取り出したら、べたべたしていた。
「お前、こんなとこに飴を隠してたのか。溶けてしまってるじゃないか。あーあ、布団が」
もう。緋色、うるさい。
これでは、斎にあげられないので、自分で食べるか、と元に戻そうとしたら取り上げられた。
「何をしてるんだ、さっきから。朝飯食べたばかりだろう? 粥を残してたくせに、おやつか? 駄目だぞ。あと、布団の下に物を入れるな。見てみろ」
緋色はそう言って布団を持ち上げる。色が変わり、べたべたしたものが付いて、いい匂いがしていた。
「こんなに汚れたら、洗うのが大変だろう? 飴は溶けるから隠したら駄目だ。布団の下に、何かを隠すのは禁止」
じゃあ、どこに隠したらいいんだ。ポケットに入れていたら洗われたし。あの時も、怒られた。
まあ、今はそんなことより斎への手土産である。
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嗚呼。
「や。飴、食べれる」
「駄目だ。腹を壊したらどうする」
「大丈夫」
「どの口が言ってるんだ? ついこの間、お腹痛いと泣いたくせに」
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「溶けた飴も駄目だ」
俺は、むかむかして緋色から顔を背ける。
「お出かけするから、おろして」
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