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こぼれ話
初めての外泊 緋色
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最後のプリンを半分食べて、限界な様子の成人を胡座の上に乗せる。疲れてきていたのだろう、素直に体重を預けてきた。
常陸丸も乙羽を胡座の上に乗せている。
「私、三日分は食べたわ。人間ってこんなに食べれるのね……。」
「俺たち、大きくなったんじゃない?」
そんなことを言い合う二人は、満足げに俺と常陸丸に体を預けてうとうとし始めた。俺たちに出された食事の、食べられる物をちまちまと摘まんだだけの二人だが、三日分あったらしい。
そうか、と笑いながら軽い体をうつ伏せに抱えて、少しだけ出してもらった冷酒を舐める。珍しく常陸丸も晩酌に付き合ってくれるようだ。
殿下といるときはいつも仕事中だ、と言って酒は飲まないのに。
俺も、成人が酒の匂いを嫌うのでほとんど飲まなくなった。
「食えたな。」
机の上を見ながら呟くと、ええ、と常陸丸がお猪口を口にしながら笑った。
「二人とも食えましたね。」
旅行に出る、となると成人、乙羽二人ともに様々な問題はあるが、一番心配していたのは食事だった。食えなかったらすぐに体調を崩すが、広末の作ったもの以外の料理を、どれくらい食えるのかが分からなかったのだ。
一週間休みを取ったが、泊まりは二日の予約だけにした。一日にしようかとかなり悩んで、生松も広末もいざとなれば駆けつけられる距離だからと思いきって二日だ。
ずいぶんと過保護な自分に苦笑いがこぼれる。
「乙羽と旅行できるなんて、思ってなかったなあ。」
手酌で冷酒を注ぎながら、常陸丸がしみじみと呟いた。
常陸丸が大切に抱える乙羽に視線を落とす。安心して気の抜けた寝顔も美しかった。
「そうだな。」
私、茶碗蒸し食べたい、と言った乙羽。俺も、と言った成人。人数分無くても、自分の食べたいものを食べたいと言えるようになったんだな。
お箸でお肉を食べさせてくれた。俺に食べさせたいくらい美味しかった?
はい、あーんと差し出された肉の旨かったこと!いつの間に、あんなに上手にお箸を使えるようになっていたのだろう。
手酌で冷酒を注ごうとしたら、いつの間にか姿を現していた荘重が注いでくれた。
きゅっと飲んで猪口を差し出す。
「どうだ?一献。」
「頂きます。」
素直に受け取った荘重の猪口に、冷酒を注ぐ。
「いい夜だな。」
荘重は、一息に飲んで俺の言葉にふわりと笑った。
常陸丸はにこにこと乙羽の寝顔を見ている。
成人と乙羽の健やかな寝息。
旨い飯と友と酌み交わす酒。
俺たちは、この静かで幸せな夜を、これから何度も過ごすのだろう。
常陸丸も乙羽を胡座の上に乗せている。
「私、三日分は食べたわ。人間ってこんなに食べれるのね……。」
「俺たち、大きくなったんじゃない?」
そんなことを言い合う二人は、満足げに俺と常陸丸に体を預けてうとうとし始めた。俺たちに出された食事の、食べられる物をちまちまと摘まんだだけの二人だが、三日分あったらしい。
そうか、と笑いながら軽い体をうつ伏せに抱えて、少しだけ出してもらった冷酒を舐める。珍しく常陸丸も晩酌に付き合ってくれるようだ。
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俺も、成人が酒の匂いを嫌うのでほとんど飲まなくなった。
「食えたな。」
机の上を見ながら呟くと、ええ、と常陸丸がお猪口を口にしながら笑った。
「二人とも食えましたね。」
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ずいぶんと過保護な自分に苦笑いがこぼれる。
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手酌で冷酒を注ぎながら、常陸丸がしみじみと呟いた。
常陸丸が大切に抱える乙羽に視線を落とす。安心して気の抜けた寝顔も美しかった。
「そうだな。」
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「どうだ?一献。」
「頂きます。」
素直に受け取った荘重の猪口に、冷酒を注ぐ。
「いい夜だな。」
荘重は、一息に飲んで俺の言葉にふわりと笑った。
常陸丸はにこにこと乙羽の寝顔を見ている。
成人と乙羽の健やかな寝息。
旨い飯と友と酌み交わす酒。
俺たちは、この静かで幸せな夜を、これから何度も過ごすのだろう。
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