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第九章 礼儀を知る人知らない人
164 小さな料理人 成人
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今日はここで遊べって言われた部屋は、昨日と違って広かった。広い部屋に机が並んでいて、書類仕事ができるようになっている。竹光と鶴丸と三郎が並んで、書類を読んだり、何か書いたりしていた。他にも着物の人が二人いて、同じように書類を読んだり何か書いたりしている。緋色の席もあって、緋色は、はあってため息を吐きながらそこに座った。座りやすそうな座椅子がそれぞれ置いてあって、仕事はしやすそう。緋色の横に斎も座った。すぐに書類を渡されていた。
壁際に置かれた棚に、書類を少しずつ運んでいる着物の人もいた。あの狭い部屋から持ってきているんだな。大変だ。でも、この広い部屋に書類を移動しておけば、たくさんの人で手分けして仕事ができるからいいと思う。昨日の部屋は狭すぎて、手伝いがぱっと入れなかったもんね。
俺たちは、部屋の端っこで玩具を広げた。俺のお仕事は、今日も亀吉のお世話。もちろん、末良も。末良はまだ来たばかりなので、今は、斑鹿乃が付いてくれている。小さい子は、知らないお家で知らない人がたくさん居たら怖がっちゃうかもしれないから。末良が、斑鹿乃がいなくても大丈夫そうなら、斑鹿乃はお掃除の手伝いに行くって言っていた。
その時は任せて。俺の仕事なので。
「おお。おおお……」
「ちょち。ちょち」
「おおおお……」
「はい。どじょ」
「おおお」
末良、さっきから、おおしか言ってないな? 亀吉は、今日も真剣な顔で野菜と果物を切っている。良かったねえ、亀吉。見せたかったんだもんね、これ、末良に。
亀吉が、切った野菜を一つ持ち上げて末良に渡すと、末良はまた、おおって言った。亀吉、お皿には入れないんだ?
そう、お皿! 今日は、昨日よりもっとすごくなっていた。昨日は、包丁と野菜と果物だけだったのに、今日はまな板とお皿とお鍋と、お鍋を混ぜるやつとスプーンもある。なんか、いつも台所にある火のつくやつ、コンロ? だっけ? もある。水道みたいなのもある。木でね、そっくりに作ってあるの。もうびっくり。そりゃ、おおって言うよ。俺と力丸も言ったもん、おおって。斑鹿乃も、まああって言ってたし。
お料理できちゃうね。ね? 末良。
包丁や野菜や果物も、昨日より数が増えているから、二人で一緒に切れる。
「ほら、末良。やってみて」
木でできた包丁を渡したら、末良はまた、おおって言った。包丁を手に持ってじぃっと見て、はああって大きく息を吐いた。
「おとしゃ、いしょ」
ん?
「おとしゃの。だいじ」
「そうね。お父さんの大事なお仕事道具と一緒ね」
斑鹿乃がにこにこ笑って言うと、末良がうんうんって頷く。
おとしゃは、お父さんか。お父さんは父上の事だったな。末良は広末の事、お父さんって呼ぶ。父上や母上の呼び名は、色々あって難しい。
末良は、よちって言うと、やっと一つ、ざくって切った。
「おお」
ざく。
「おおおお」
ざくっ、ざくっ。
そこからは末良は、夢中でたくさん切り始めた。
昨日、亀吉にしてあげたみたいに、切れた野菜や果物をまたくっつけてあげようかと思ったら、切ったのをお皿に並べはじめたので手を引っ込めた。
「なりゅしゃま。どーじょ」
「わ、ありがとう、末良」
末良は流石、広末の子どもだなあ。切った野菜や果物を、お皿にのせて渡してくれた。
それを見た亀吉も、真似をしてお皿に並べている。
やっぱり、一緒に遊ぶと楽しいね。良かったね。
「どじょ」
「どーじょ」
二人は、お皿の上に切った野菜や果物を並べて、仕事中の人の所まで配って歩いた。みんな、ありがとうって受け取ってくれた。上手だねってたくさん褒めてもらって、にこにこだった。
食べる真似をして、おいしいって言ったら、うふふーって口に手を当てて笑った。可愛い。
末良は本当に上手。切った野菜や果物をお鍋に入れてかき混ぜたり、蓋をしたりしてちゃんと料理をしていたので、びっくりしてしまった。調味料まで、ぱっぱっと振っていた。ていうか、調味料まであるのすごい。振ると音がする。
玩具も色々あって、本当にすごいな。
壁際に置かれた棚に、書類を少しずつ運んでいる着物の人もいた。あの狭い部屋から持ってきているんだな。大変だ。でも、この広い部屋に書類を移動しておけば、たくさんの人で手分けして仕事ができるからいいと思う。昨日の部屋は狭すぎて、手伝いがぱっと入れなかったもんね。
俺たちは、部屋の端っこで玩具を広げた。俺のお仕事は、今日も亀吉のお世話。もちろん、末良も。末良はまだ来たばかりなので、今は、斑鹿乃が付いてくれている。小さい子は、知らないお家で知らない人がたくさん居たら怖がっちゃうかもしれないから。末良が、斑鹿乃がいなくても大丈夫そうなら、斑鹿乃はお掃除の手伝いに行くって言っていた。
その時は任せて。俺の仕事なので。
「おお。おおお……」
「ちょち。ちょち」
「おおおお……」
「はい。どじょ」
「おおお」
末良、さっきから、おおしか言ってないな? 亀吉は、今日も真剣な顔で野菜と果物を切っている。良かったねえ、亀吉。見せたかったんだもんね、これ、末良に。
亀吉が、切った野菜を一つ持ち上げて末良に渡すと、末良はまた、おおって言った。亀吉、お皿には入れないんだ?
そう、お皿! 今日は、昨日よりもっとすごくなっていた。昨日は、包丁と野菜と果物だけだったのに、今日はまな板とお皿とお鍋と、お鍋を混ぜるやつとスプーンもある。なんか、いつも台所にある火のつくやつ、コンロ? だっけ? もある。水道みたいなのもある。木でね、そっくりに作ってあるの。もうびっくり。そりゃ、おおって言うよ。俺と力丸も言ったもん、おおって。斑鹿乃も、まああって言ってたし。
お料理できちゃうね。ね? 末良。
包丁や野菜や果物も、昨日より数が増えているから、二人で一緒に切れる。
「ほら、末良。やってみて」
木でできた包丁を渡したら、末良はまた、おおって言った。包丁を手に持ってじぃっと見て、はああって大きく息を吐いた。
「おとしゃ、いしょ」
ん?
「おとしゃの。だいじ」
「そうね。お父さんの大事なお仕事道具と一緒ね」
斑鹿乃がにこにこ笑って言うと、末良がうんうんって頷く。
おとしゃは、お父さんか。お父さんは父上の事だったな。末良は広末の事、お父さんって呼ぶ。父上や母上の呼び名は、色々あって難しい。
末良は、よちって言うと、やっと一つ、ざくって切った。
「おお」
ざく。
「おおおお」
ざくっ、ざくっ。
そこからは末良は、夢中でたくさん切り始めた。
昨日、亀吉にしてあげたみたいに、切れた野菜や果物をまたくっつけてあげようかと思ったら、切ったのをお皿に並べはじめたので手を引っ込めた。
「なりゅしゃま。どーじょ」
「わ、ありがとう、末良」
末良は流石、広末の子どもだなあ。切った野菜や果物を、お皿にのせて渡してくれた。
それを見た亀吉も、真似をしてお皿に並べている。
やっぱり、一緒に遊ぶと楽しいね。良かったね。
「どじょ」
「どーじょ」
二人は、お皿の上に切った野菜や果物を並べて、仕事中の人の所まで配って歩いた。みんな、ありがとうって受け取ってくれた。上手だねってたくさん褒めてもらって、にこにこだった。
食べる真似をして、おいしいって言ったら、うふふーって口に手を当てて笑った。可愛い。
末良は本当に上手。切った野菜や果物をお鍋に入れてかき混ぜたり、蓋をしたりしてちゃんと料理をしていたので、びっくりしてしまった。調味料まで、ぱっぱっと振っていた。ていうか、調味料まであるのすごい。振ると音がする。
玩具も色々あって、本当にすごいな。
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