1,311 / 1,325
第十章 されど幸せな日々
102 今年はそんなお正月 成人
しおりを挟む
「ほれほれ泣くな。高い高ーい」
「ひくっ」
じいじの高すぎる高い高いをしてもらった朱音殿下は、一度泣き止んで。
「やややぁ。ぎゃぁぁぁーん」
もっと大きな声で泣いた。
「ありゃ、おかしいのう。亀吉殿などは大喜びできゃあきゃあ笑うて、もう一度、もう一度とせがんできよったものじゃが」
「うえっ。うええぇ。ひくっ、ひくっ」
「や、やや。やややっ、うえぇぇっ」
玉乃井が、泣いている朱音殿下をじいじから受け取って抱っこしたら、今度は玉乃井にしがみついていた栄喜が泣き出した。うーん、ごめんね。亀吉はじいじが大好きでたくさん遊んでもらっているし、末良も、そんな亀吉と一緒にいるからじいじのことは怖がらない。亀吉がきゃあきゃあって喜んでいたら、一緒にしてもらいたくなって遊んでるんだよね。最初は怖がって、ひゃゃゃやって聞いたことないような声を出してたんだけど、だんだん慣れて、今では亀吉と一緒にきゃあきゃあ言っている。
俺も好き。
飛び上がれなくなった今では見られない景色を見られるから。じいじの高い高いは、とても高くて気持ちいい。肩車も楽しい。
「おじさま。急にそんな高い場所に持ち上げられたら、小さな子でなくても怖いです」
「なんと。そうであったか」
「え? そう?」
俺と亀吉と末良はとても楽しんでるんだけど。
「そうよ。なるや亀吉さまは激しい動きやとんでもない高さも平気なんでしょうけれど、普通は怖いわよ」
乙羽がしゃがんで、栄喜をよしよしと抱きしめながら言う。
「乙羽も怖い?」
「私は、まあ、その、抱き上げられるくらいなら、急にでも全然平気だけど。でも、高く持ち上げられるのは怖いんじゃない?」
「あ、そっか。常陸丸も同じくらい大きいもんね」
常陸丸は緋色より大きい。その常陸丸によく抱き上げられている乙羽は、じいじの抱っこも怖くない。
「も、もう、なる! 言わなくていいのよ、そういうことは!」
「ん?」
「もう!」
そんなことを乙羽と話していたら、ひょいと俺がじいじに持ち上げられた。
「あは」
すい、と上がっていく景色の中、泣き止んだ朱音殿下が玉乃井の腕の中で俺を見上げる。
「ふふ。ふふふ」
「ほれ、見てみい。成人はこんなに楽しんでおるぞ?」
朱音殿下も栄喜もきっと、これが楽しいってなるからね。きっとすぐなるから。
すぐにおせちと熱いお酒が届いて、俺たちは俺の部屋に移動した。
朱音殿下と栄喜は、階段を一つずつ自分で上って移動したのですっかりご機嫌になった。俺の部屋で、ふかふかの絨毯の上にころころしている内に、ねんねした。
その二人を、可愛いなと見ているうちに俺と乙羽も寝てしまっていたみたいだ。
目を覚ましたら、そんな俺たちを緋色と常陸丸がお酒を飲みながら見ていた。
なんだかご機嫌だった。
「ひくっ」
じいじの高すぎる高い高いをしてもらった朱音殿下は、一度泣き止んで。
「やややぁ。ぎゃぁぁぁーん」
もっと大きな声で泣いた。
「ありゃ、おかしいのう。亀吉殿などは大喜びできゃあきゃあ笑うて、もう一度、もう一度とせがんできよったものじゃが」
「うえっ。うええぇ。ひくっ、ひくっ」
「や、やや。やややっ、うえぇぇっ」
玉乃井が、泣いている朱音殿下をじいじから受け取って抱っこしたら、今度は玉乃井にしがみついていた栄喜が泣き出した。うーん、ごめんね。亀吉はじいじが大好きでたくさん遊んでもらっているし、末良も、そんな亀吉と一緒にいるからじいじのことは怖がらない。亀吉がきゃあきゃあって喜んでいたら、一緒にしてもらいたくなって遊んでるんだよね。最初は怖がって、ひゃゃゃやって聞いたことないような声を出してたんだけど、だんだん慣れて、今では亀吉と一緒にきゃあきゃあ言っている。
俺も好き。
飛び上がれなくなった今では見られない景色を見られるから。じいじの高い高いは、とても高くて気持ちいい。肩車も楽しい。
「おじさま。急にそんな高い場所に持ち上げられたら、小さな子でなくても怖いです」
「なんと。そうであったか」
「え? そう?」
俺と亀吉と末良はとても楽しんでるんだけど。
「そうよ。なるや亀吉さまは激しい動きやとんでもない高さも平気なんでしょうけれど、普通は怖いわよ」
乙羽がしゃがんで、栄喜をよしよしと抱きしめながら言う。
「乙羽も怖い?」
「私は、まあ、その、抱き上げられるくらいなら、急にでも全然平気だけど。でも、高く持ち上げられるのは怖いんじゃない?」
「あ、そっか。常陸丸も同じくらい大きいもんね」
常陸丸は緋色より大きい。その常陸丸によく抱き上げられている乙羽は、じいじの抱っこも怖くない。
「も、もう、なる! 言わなくていいのよ、そういうことは!」
「ん?」
「もう!」
そんなことを乙羽と話していたら、ひょいと俺がじいじに持ち上げられた。
「あは」
すい、と上がっていく景色の中、泣き止んだ朱音殿下が玉乃井の腕の中で俺を見上げる。
「ふふ。ふふふ」
「ほれ、見てみい。成人はこんなに楽しんでおるぞ?」
朱音殿下も栄喜もきっと、これが楽しいってなるからね。きっとすぐなるから。
すぐにおせちと熱いお酒が届いて、俺たちは俺の部屋に移動した。
朱音殿下と栄喜は、階段を一つずつ自分で上って移動したのですっかりご機嫌になった。俺の部屋で、ふかふかの絨毯の上にころころしている内に、ねんねした。
その二人を、可愛いなと見ているうちに俺と乙羽も寝てしまっていたみたいだ。
目を覚ましたら、そんな俺たちを緋色と常陸丸がお酒を飲みながら見ていた。
なんだかご機嫌だった。
2,057
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
そばかす糸目はのんびりしたい
楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。
母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。
ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。
ユージンは、のんびりするのが好きだった。
いつでも、のんびりしたいと思っている。
でも何故か忙しい。
ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。
いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。
果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。
懐かれ体質が好きな方向けです。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる