「お前のことなんて好きじゃない」と言ったくせに、今さら抱きしめないでください

――あの日の言葉を、私は一生忘れない。

「お前のことなんて、好きじゃない」

 あの瞬間、胸の奥で何かが音を立てて壊れた。
 学園の中庭。風がやけに冷たくて、まるで私の心をなぞるみたいに痛かった。

 彼――蒼真(そうま)は、私の初恋だった。
 成績優秀で、王都の貴族子息の中でも特に目立つ存在。
 その彼が庶民出身の私と仲良くしてくれているだけで、周囲の女子たちはざわめいた。
 だけど私は、彼の隣に立つのが怖くて、嬉しくて、ずっと夢のようだった。
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