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29.サイモンとティエリーの結婚式
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二月のティエリーの誕生日にサイモンとティエリーは結婚式を挙げた。
四月に出会ってからおよそ十か月。電撃結婚といえばそうなのだが、サイモンはティエリーを番にしてしまった時点でティエリーの生涯に責任を持つつもりだったし、運命の番かもしれないと医者からも言われたティエリーはサイモンにとって手放しがたい存在だった。
婚姻届けは四月のうちに出していたが、結婚式はティエリーが落ち着いてサイモンを受け入れてからにしようと思っていたので若干遅くはなったが、婚姻届けを出してから一年以内には挙げることができた。
招待客はサイモンの両親と弟のレイモン、それに同僚で同じチームのレミとイポリートとジルベルト。ティエリー側の招待客は国境の町のパン屋の店主とその妻、今働いているパン屋の店主と厨房の従業員三人だった。
十二人の参加者の前でサイモンとティエリーは誓いの言葉を述べた。
「わたし、サイモン・ジュネは、ティエリー・クルーゾーを生涯の伴侶とし、尊重し、愛し、死が二人を別つまで共に生きることを誓います」
「わたし、ティエリー・クルーゾーは、サイモン・ジュネを生涯の伴侶とし、尊重し、愛し、死が二人を別つまで共に生きることを誓います」
誓いの口付けを交わして、教会から移動すると、貸し切りにしてもらっている小さなレストランで食事をした。
国境のパン屋の店主とその妻は、ティエリーの両親のようにティエリーの幸せを祈り、泣いてくれた。
「ティエリー本当によかった」
「おめでとう、ティエリー」
「ありがとうございます。本日はお越しいただいて本当に嬉しいです」
「ティエリーはうちの店でよく働いてくれたからね」
「ティエリーがいなくて寂しいわ。何かあったらいつでもうちに逃げてきていいのよ」
「逃げませんけど、また会いに行きます。あの町も好きなので、サイモンと遊びに行きます」
サイモンにはあの町のいいところをたくさん教えたい。
古い教会や時計塔、美術館に連れて行きたい。
そう言ってくれるティエリーに、サイモンは新婚旅行であの町に行っても悪くはないと思っていた。
レストランの料理は悪阻が出てきているティエリーのために匂いの強いものは避けて、アルコールも出さなかった。ティエリーが妊娠していることはみんな知っているので、それで納得してもらえた。
「サイモン、ティエリー、幸せそうで何よりだわ」
「ジルベルトには本当にお世話になったね」
「ティエリー、このストーカー男が怖くなったら、いつでも相談して来てよね。今度はばれないように逃がしてあげる」
「それは必要ないです。わたしはサイモンがいないと生きていけないので」
「本当にそれでいいの? 困ったら言うのよ」
「結婚式に酷いことを言うなよ」
「だって、サイモンが厄介な粘着ストーカー男なのは真実だもの」
真剣にティエリーに言うジルベルトに、サイモンは苦笑してしまうが、自分がやっていることをティエリーは知っているとはいえ、携帯端末のデータを全部把握しているとか、チョーカーに発信機を付けているとか、ストーカーっぽいことをしているのは確かなので、反論ができない。
ティエリーがそれを許してくれているからこそこの関係は成り立っているに違いなかった。
ティエリーはあまり料理に手を付けなかったが、終始笑顔で参列客と話をしていた。
ワインの代わりに用意した真っ赤な葡萄ジュースとノンアルコールのスパークリングワインは参列客もティエリーも気に入ったようで、乾杯してたくさん飲んでいた。
結婚式が終わって、マンションに戻ってティエリーとお風呂に入って、リビングで寛いでいると、ティエリーがサイモンの体を脚の間に抱き締めて、サイモンの肩口に顔を埋める。この状態でサイモンのフェロモンを吸い込むのがティエリーは好きなようなので、サイモンは自分より大きなティエリーに後ろから抱き込まれるようにして大人しく座っている。
「サイモン、お願いがあるんですが」
「なにかな?」
「わたし、サイモンの名字を名乗りたいんです」
この国では基本的に結婚しても、生まれたときの名字を一生使う風習がある。結婚して姓を複合させて、「ジュネ=クルーゾー」のようにする場合もあるが、大抵は生まれ持った姓を使う。
例外的に、通称として結婚相手の姓を使うものがいないわけではない。
「ティエリー・ジュネになりたいの?」
「はい。クルーゾーの名字には全く拘りはありません。むしろ、わたしには名前も名字もどうでもいいような状況だったので。でも、サイモンと同じ名字で呼ばれてもいいなら、そうしたいです」
通称を使うものは多くないが、いないわけではないので、法律は整っている。
「ティエリーがそうしたいなら、役所に届けに行こう」
「ありがとうございます。結婚式もですが、名字も最高のプレゼントです」
その日、二十六歳になったティエリーは、名前も、ティエリー・クルーゾーから、ティエリー・ジュネに変わった。
初めて会ったときにティエリーは自分の名前を認識していたが、サイモンにこう言った。
――ティエリー……ティエリー・クルーゾーと呼ばれていました。この名前が気に入らないなら、何と呼んでも構いません。わたしと話をしてくれませんか?
自分の名前すら何と呼ばれても構わないというくらい、ティエリーは人間らしい扱いは受けていなかったのだ。ティエリーを尊重したいサイモンとしては、これまでティエリーにそんな感覚を植え付けた全てのものに復讐したい気持ちはあったが、ぐっと我慢して自分の肩口に顔を埋めているティエリーの髪を撫でた。
結婚式のために整えてはいたが、ティエリーは最初に会ったときより髪が伸びている。
サイモンは元々結べるくらいの髪の長さだが、ティエリーもそろそろ結べそうなくらいの長さになっている。
「ティエリーの髪はきれいだな。短いのが好きなのか?」
最初に会ったときにティエリーの髪が短かった記憶があるので問いかけてみると、ティエリーは少し考えてから答えた。
「掴まれたら痛いので短く切っていました。サイモンが伸ばしたのが好きだったら伸ばします」
「どっちも好きだよ。ティエリーはどうしたい?」
「サイモンと同じくらいの長さにしたいです」
サイモンと同じ名字になって髪の長さもサイモンと同じくらいにする。
ティエリーはサイモンに近付きたいのかもしれない。サイモンはその気持ちを否定するつもりは全くなかった。
「サイモン、わたしはあなたの家族ですか?」
「ティエリーはおれの唯一の愛するひとで、伴侶で、夫で、番で、大事な家族だよ」
言葉を尽くして伝えると、ティエリーは安心したように息を吐く。吐息がサイモンの首筋に触れてくすぐったいような、体が熱くなるような、感覚に襲われる。
「ティエリー、口付けたい」
「はい」
サイモンが請えば、ティエリーはサイモンを放して、両腕を広げて待っていてくれる。その腕に飛び込むようにして抱き締めて口付けると、ティエリーの体から甘い香りが漂う。
オメガのフェロモンだが、性的に誘うようなものではなくて、サイモンを落ち着かせる香りだった。
「ティエリー、愛してる」
「サイモン、わたしも愛しています」
何度も口付けて、ティエリーのフェロモンの混じった甘い唾液を飲むと下半身が反応してきそうだったので、サイモンは一度体を離した。
ティエリーは名残惜しそうに両腕を広げたままの体勢でいる。
「サイモン、お義祖母様は健在ですか?」
「いや、祖父母は亡くなってるよ」
「それなら、どうしましょう」
「なにが?」
何か考えているティエリーにサイモンが問いかければ真剣に返される。
「サイモンみたいな名前を付けてほしかったんですが、わたしとサイモンでできるでしょうか?」
「日本語を習ってみる?」
「一緒に習ってくれますか?」
サイモンに「西門」という漢字の名前があったことをティエリーはすごく気にしているようだった。自分の子どもにも同じような漢字の名前を付けたいようだ。
同僚に日本人の血を引いているものもいるし、日本語を勉強するのも悪くないと思ったので提案してみると、ティエリーは意欲的にそれに乗ってきた。
喋りは習う必要は感じなかったので、テキストを買ってサイモンとティエリーは次の日から日本語の勉強を始めた。
四月に出会ってからおよそ十か月。電撃結婚といえばそうなのだが、サイモンはティエリーを番にしてしまった時点でティエリーの生涯に責任を持つつもりだったし、運命の番かもしれないと医者からも言われたティエリーはサイモンにとって手放しがたい存在だった。
婚姻届けは四月のうちに出していたが、結婚式はティエリーが落ち着いてサイモンを受け入れてからにしようと思っていたので若干遅くはなったが、婚姻届けを出してから一年以内には挙げることができた。
招待客はサイモンの両親と弟のレイモン、それに同僚で同じチームのレミとイポリートとジルベルト。ティエリー側の招待客は国境の町のパン屋の店主とその妻、今働いているパン屋の店主と厨房の従業員三人だった。
十二人の参加者の前でサイモンとティエリーは誓いの言葉を述べた。
「わたし、サイモン・ジュネは、ティエリー・クルーゾーを生涯の伴侶とし、尊重し、愛し、死が二人を別つまで共に生きることを誓います」
「わたし、ティエリー・クルーゾーは、サイモン・ジュネを生涯の伴侶とし、尊重し、愛し、死が二人を別つまで共に生きることを誓います」
誓いの口付けを交わして、教会から移動すると、貸し切りにしてもらっている小さなレストランで食事をした。
国境のパン屋の店主とその妻は、ティエリーの両親のようにティエリーの幸せを祈り、泣いてくれた。
「ティエリー本当によかった」
「おめでとう、ティエリー」
「ありがとうございます。本日はお越しいただいて本当に嬉しいです」
「ティエリーはうちの店でよく働いてくれたからね」
「ティエリーがいなくて寂しいわ。何かあったらいつでもうちに逃げてきていいのよ」
「逃げませんけど、また会いに行きます。あの町も好きなので、サイモンと遊びに行きます」
サイモンにはあの町のいいところをたくさん教えたい。
古い教会や時計塔、美術館に連れて行きたい。
そう言ってくれるティエリーに、サイモンは新婚旅行であの町に行っても悪くはないと思っていた。
レストランの料理は悪阻が出てきているティエリーのために匂いの強いものは避けて、アルコールも出さなかった。ティエリーが妊娠していることはみんな知っているので、それで納得してもらえた。
「サイモン、ティエリー、幸せそうで何よりだわ」
「ジルベルトには本当にお世話になったね」
「ティエリー、このストーカー男が怖くなったら、いつでも相談して来てよね。今度はばれないように逃がしてあげる」
「それは必要ないです。わたしはサイモンがいないと生きていけないので」
「本当にそれでいいの? 困ったら言うのよ」
「結婚式に酷いことを言うなよ」
「だって、サイモンが厄介な粘着ストーカー男なのは真実だもの」
真剣にティエリーに言うジルベルトに、サイモンは苦笑してしまうが、自分がやっていることをティエリーは知っているとはいえ、携帯端末のデータを全部把握しているとか、チョーカーに発信機を付けているとか、ストーカーっぽいことをしているのは確かなので、反論ができない。
ティエリーがそれを許してくれているからこそこの関係は成り立っているに違いなかった。
ティエリーはあまり料理に手を付けなかったが、終始笑顔で参列客と話をしていた。
ワインの代わりに用意した真っ赤な葡萄ジュースとノンアルコールのスパークリングワインは参列客もティエリーも気に入ったようで、乾杯してたくさん飲んでいた。
結婚式が終わって、マンションに戻ってティエリーとお風呂に入って、リビングで寛いでいると、ティエリーがサイモンの体を脚の間に抱き締めて、サイモンの肩口に顔を埋める。この状態でサイモンのフェロモンを吸い込むのがティエリーは好きなようなので、サイモンは自分より大きなティエリーに後ろから抱き込まれるようにして大人しく座っている。
「サイモン、お願いがあるんですが」
「なにかな?」
「わたし、サイモンの名字を名乗りたいんです」
この国では基本的に結婚しても、生まれたときの名字を一生使う風習がある。結婚して姓を複合させて、「ジュネ=クルーゾー」のようにする場合もあるが、大抵は生まれ持った姓を使う。
例外的に、通称として結婚相手の姓を使うものがいないわけではない。
「ティエリー・ジュネになりたいの?」
「はい。クルーゾーの名字には全く拘りはありません。むしろ、わたしには名前も名字もどうでもいいような状況だったので。でも、サイモンと同じ名字で呼ばれてもいいなら、そうしたいです」
通称を使うものは多くないが、いないわけではないので、法律は整っている。
「ティエリーがそうしたいなら、役所に届けに行こう」
「ありがとうございます。結婚式もですが、名字も最高のプレゼントです」
その日、二十六歳になったティエリーは、名前も、ティエリー・クルーゾーから、ティエリー・ジュネに変わった。
初めて会ったときにティエリーは自分の名前を認識していたが、サイモンにこう言った。
――ティエリー……ティエリー・クルーゾーと呼ばれていました。この名前が気に入らないなら、何と呼んでも構いません。わたしと話をしてくれませんか?
自分の名前すら何と呼ばれても構わないというくらい、ティエリーは人間らしい扱いは受けていなかったのだ。ティエリーを尊重したいサイモンとしては、これまでティエリーにそんな感覚を植え付けた全てのものに復讐したい気持ちはあったが、ぐっと我慢して自分の肩口に顔を埋めているティエリーの髪を撫でた。
結婚式のために整えてはいたが、ティエリーは最初に会ったときより髪が伸びている。
サイモンは元々結べるくらいの髪の長さだが、ティエリーもそろそろ結べそうなくらいの長さになっている。
「ティエリーの髪はきれいだな。短いのが好きなのか?」
最初に会ったときにティエリーの髪が短かった記憶があるので問いかけてみると、ティエリーは少し考えてから答えた。
「掴まれたら痛いので短く切っていました。サイモンが伸ばしたのが好きだったら伸ばします」
「どっちも好きだよ。ティエリーはどうしたい?」
「サイモンと同じくらいの長さにしたいです」
サイモンと同じ名字になって髪の長さもサイモンと同じくらいにする。
ティエリーはサイモンに近付きたいのかもしれない。サイモンはその気持ちを否定するつもりは全くなかった。
「サイモン、わたしはあなたの家族ですか?」
「ティエリーはおれの唯一の愛するひとで、伴侶で、夫で、番で、大事な家族だよ」
言葉を尽くして伝えると、ティエリーは安心したように息を吐く。吐息がサイモンの首筋に触れてくすぐったいような、体が熱くなるような、感覚に襲われる。
「ティエリー、口付けたい」
「はい」
サイモンが請えば、ティエリーはサイモンを放して、両腕を広げて待っていてくれる。その腕に飛び込むようにして抱き締めて口付けると、ティエリーの体から甘い香りが漂う。
オメガのフェロモンだが、性的に誘うようなものではなくて、サイモンを落ち着かせる香りだった。
「ティエリー、愛してる」
「サイモン、わたしも愛しています」
何度も口付けて、ティエリーのフェロモンの混じった甘い唾液を飲むと下半身が反応してきそうだったので、サイモンは一度体を離した。
ティエリーは名残惜しそうに両腕を広げたままの体勢でいる。
「サイモン、お義祖母様は健在ですか?」
「いや、祖父母は亡くなってるよ」
「それなら、どうしましょう」
「なにが?」
何か考えているティエリーにサイモンが問いかければ真剣に返される。
「サイモンみたいな名前を付けてほしかったんですが、わたしとサイモンでできるでしょうか?」
「日本語を習ってみる?」
「一緒に習ってくれますか?」
サイモンに「西門」という漢字の名前があったことをティエリーはすごく気にしているようだった。自分の子どもにも同じような漢字の名前を付けたいようだ。
同僚に日本人の血を引いているものもいるし、日本語を勉強するのも悪くないと思ったので提案してみると、ティエリーは意欲的にそれに乗ってきた。
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