【完結】義妹に全て奪われた私。だけど公爵様と幸せを掴みます!

朝日みらい

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第25章: 新たな危機

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うーん…今日もまた、アルノーは不機嫌そうに仕事を片付けていた。

ああ、どうしてあんなに難しい顔をしているんだろう。

最近、ずっとそうだ。

会議でも、商談でも、あらゆることに真剣すぎて、まるで他のことを気にかけていないみたい。

「リリアナ、少し来てくれ。」

と、呼ばれた私はすぐにその部屋に向かう。

アルノーがいつも通り、少し冷たい視線を私に投げかけた。

「どうしたの?何か嫌なことがあったの?」

と心配そうに聞くと、アルノーは少し眉をひそめながら、私をじっと見た。

「……商談だよ。」

彼が短く言うと、私は一瞬戸惑った。

商談は順調だったはずじゃなかったの?

どうしてそんなに顔を曇らせているのだろう。

「え、何か問題でも?」

と、私が聞くと、アルノーは少しため息をついてから、ようやく口を開いた。

「あの貴族に妨害されたんだ。」

その言葉に、私は思わず目を見開く。

「妨害…って、それってどういうこと?」

「俺が進めていた海運業の商談だが、その貴族がそれを潰しにかかってきた。」

アルノーは力強く拳を握りしめる。

その手のひらが白くなるほど、力を込めているのが見えた。

「あの貴族…まさか…ランドリュ家なの?」

私は言葉を呑み込みながら、彼を見つめる。

彼の家を没落させた一族、ランドリュ家。

つまり、アルノーにとっては最大の敵となる一族だ。

「そうだ、あいつらだ。」

アルノーが低く、怒りを込めて言ったその瞬間、私は心がひどく痛んだ。

アルノーがこんなにも強い怒りを抱えているのだと思うと、私まで胸が締め付けられるようだ。

「アルノー、あなたがどれだけ苦しんでいるのか、私は……!」

私はどう言葉をかければいいのか分からず、言葉に詰まる。

しかし、アルノーは少しだけ柔らかくなった目で私を見つめてきた。

「リリアナ、君に心配される筋合いはないだろ。」

彼は少し笑ってみせるが、その笑顔にはいつもの余裕や楽しげな表情は欠けていた。

代わりに、深い悲しみと怒りが込められているのがわかる。

「そんなこと言わないで……!」

私は少しフンと唇を尖らせる。

アルノーの気持ちに寄り添いたい。

けれど、彼はいつも意地を張って本音を隠してしまう。

そんな、彼に何もできない自分に苛立ちを覚えてしまう。

彼のためにできることがあればと思うけれど、どうすればいいのか、まだ分からないんだ。

「君が心配してくれてることは、わかっているんだ。」

アルノーは少しだけ視線を落とす。

「だが、これは俺の問題なんだ。」

その瞬間、ふとアルノーが私に近づいてきて、少しだけ柔らかな表情を見せた。

「素直になれなくてすまんな。」

その言葉に、私は心の中で小さく喜びを感じた。

「え?」

私は顔を上げて彼を見つめる。

「……君が側にいて話を聞いてくれるだけで、楽になるんだ。」

アルノーがぽつりと告げる。

彼のその言葉に、私は思わず顔を赤らめた。

「アルノーったら……。」

私はついふふっと笑いながら、少し肩をすくめた。

「でも、私もあなたを助けたいから、何かできることがあれば言ってね。」

アルノーは無言で少し考え込む。

彼がしばらく黙っていたので、私はちょっとドキドキしていたけれど、やがて彼がゆっくりと口を開いた。

「リリアナ、実は…あの貴族の背後にある者がいる。それを突き止めるために、情報が必要なんだ。」

彼の目は鋭く、意志が感じられる。

その姿に、私は少し驚きつつも心が引き寄せられるのを感じた。

「わかったわ、私も協力する。」

私は決意を込めて答えた。

アルノーがふっと微笑んだ。

「君の力を借りることにした。」

その微笑みがあまりにも優しくて、私は少し照れて顔をそむけた。

「何よ、私、あなたの妻よ。だから、遠慮しないでね。」

「頼りにしている。」

アルノーが真剣に、でも少しだけ楽しそうに言った。

その言葉に、私の頬が少しだけ赤くなるのがわかった。
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