【完結】義妹に全て奪われた私。だけど公爵様と幸せを掴みます!

朝日みらい

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第29章: 共通の敵

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敵貴族ランドリュ家が再び動き出した。

まったく、もういい加減にしてほしい。

あの商談を妨害していた彼らが、またこっちに何かしらの手を使おうとしているって聞いた時、私は思わず舌打ちした。

「本当にしつこい人たちだわ…」

私はそう呟きながら、書類を広げて地図とにらめっこ。

アルノーが商談で忙しい中、私は家臣たちと協力して、敵の動きがどこから来るのか調べ上げていた。

「メイドからの情報はどうかしら?」

家臣の一人が報告をした。

「メイドを潜り込ませるなんて、奥さまのアイデアには敬服しますよ。」

ああ、こうして頼りにされると、なんだかちょっと嬉しい。

私が少しでも役に立っているって思える瞬間だから。

「よし、これでだいぶわかってきたわね。」

私はその報告書を見ながら頷く。

確かに、敵の狙いは明らかだ。

商談をもう一度妨害しようとしている。

でも、今度は簡単には行かせない。

私だって、もう弱いわけじゃないのよ。

その夜、アルノーが帰ってきたとき、私は一人でその調査結果をまとめていた。

普段ならあの冷徹な彼の眼差しを見た時、少し身構えてしまうけど、今日はなぜか不思議と落ち着いていた。

「リリアナ。」

アルノーが部屋に入ってくると、すぐに私に目を向けた。

ちょっと困ったような、でもどこか温かい表情を浮かべている。

「疲れてるのね?」

と私は尋ねた。

その言葉に、彼が少し驚いた顔をするのが見えた。

だって、私は普段、あんまりそんなこと言わないもんね。

むしろ、彼が私のことを気にする場面の方が珍しい気がする。

「別に、仕事だ。」

アルノーは冷たい言い方をしながらも、その目線はどこかやっぱり柔らかかった。

それが私にはわかる。

だって、私だってもう気づいてるから。

「そう。」

私は軽く微笑みながら答えると、アルノーがそっとその調査結果を見た。

彼の顔が少し険しくなったのを見逃さなかった。

「これは?」

とアルノーが低い声で言う。

やっぱり、冷静で知的な面が現れる。

私や家臣たちで調べた情報がしっかりと目に留まったみたいだ。

「はい。これで敵の動きがわかりますよね。」

私は少し胸を張って答える。

だって、これは私がここで役に立っている証拠だもの。

「なるほど…」

アルノーは頷きながら、ちらりと私の顔を見る。

その目は、何かを確認するようにじっと私を見つめている。

少し、私の心臓がドキドキしてきた。

「リリアナ、なかなかやるな。」

彼の口元が、ほんの少しだけ緩む。

その一瞬の変化に、私の胸がどきっとした。

「えへへ、そんなことありません。家臣の皆さんが優秀なだけですわ。」

私は照れ隠しに軽く笑って答える。

その反応に、アルノーが何とも言えない表情を浮かべて、私に近づいてきた。

「本当に、君って……。」

アルノーは顔をわずかに緩めて、私の頭を軽く撫でた。

ああ、この手、あったかい…!

「怖そうな顔を笑顔にしたいだけだよ。もっと近づきて来てほしいよ……。」

私はちょっと拗ねたように言ってみる。

アルノーは少し驚いたような顔をして、私を見つめた。

「…何だ、そういうことか。」

彼は小さくため息をついた後、私を抱き寄せて、突然のことに私はちょっとビックリ。

「あ、アルノー!?」

「君が望むものだろ?」

アルノーが耳元でささやくその声に、私は思わず顔が赤くなってしまった。

「え…あ、あの!」

私は恥ずかしさで少し慌てた。

だって、こんなに近くに寄られたら、どうしようもないじゃない!

「何を慌ててる?」

アルノーが優しく笑って、私の肩を抱くその手が、私を安心させてくれる。

「いや、だって、急にそんなことされると、びっくりするわ!」

私は言葉を弾ませるけれど、その顔はもう照れくさくて、どうしていいのか分からない。

アルノーはちょっと笑った後、

「まったく、君は…可愛くてたまらないな。」

と小さく呟いて、今度はそっと私の額にキスをしてくれた。

ああ、もしかして、こんなに甘いことをされるなんて!

「さて、敵のことだが。」

アルノーがすぐに話を元に戻す。

冷静な彼が戻ってきたけれど、さっきのキスの余韻がまだ私の心を温かく包んでいた。

「一緒にやろうね、私たち。」

私は思わずそう言ってしまった。

アルノーが静かに頷き、そして私を見つめるその目が、今まで見たことのない優しさを感じさせてくれた。

「もちろんだ。」

アルノーが少し微笑んで答える。

その笑顔に、私の心はまたドキドキしっぱなしだった。
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