【完結】義妹に全て奪われた私。だけど公爵様と幸せを掴みます!

朝日みらい

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第30章: 罠と逆転

あー、まただ…。

またアルノーがあんな真面目な顔して、商談に取り組んでいる。

普段は少しもじもじしちゃう私でも、彼が真剣だとついドキドキしちゃう。

だって、あの顔、なんていうか、怖いけどかっこいいって感じなんだもん。

でも、今日はちょっと違った。

どうやら、また新たな問題が出てきたみたいで、アルノーが眉間にしわを寄せながら資料をめくってる。

私はその様子を見て、すぐに何かが起こってることに気づいた。

「リリアナ、少しこっちに来てくれ。」

アルノーが無言で手を差し出してきた。

その目はいつもと違って、少し鋭さを増している。

何かまずいことがあるに違いない。

「うん、どうしたの?」

私は少しドキドキしながら、彼のもとへ駆け寄った。

アルノーはため息をつき、資料を手に取る。

「これだ。」

と言って、私に見せてきたのは、ある貴族の名前が書かれた手紙だった。

どうやら、あの敵対する貴族ランドリュ家が、まだ私たちの商談を潰しにかかっているらしい。

「またあの家ね…」

私は、少し呆れた声でつぶやく。

アルノーは無言で頷く。

その時、私はハッとした。

あれ?これは…単なる商談じゃない。

彼がずっと抱えている復讐心と関係があるじゃない!

そうだよね、アルノーの家を没落させたあの家は、まだ私たちの領地を狙っている。

だから罠を仕掛けてきて……。

本当に最低。

「リリアナ、もう余計なことはしないでいい。」

アルノーは私を見て冷静に言った。

彼のその一言が、まるで私を遠ざけようとするように感じて、少し胸が痛んだ。

「でも、私は…」

私は口を開こうとしたけど、アルノーはすぐに口を閉じて、再び無言で資料を確認し始めた。

ああ、やっぱりまた、私を心配させないようにしてるんだ。

もう、そんなの、わかってるのに…。

でも、私も何かしないわけにはいかない。

だって、彼がこんなに苦しんでいるのを見ているだけなんて、できるわけがない。

「アルノー、私、あきらめたくないの。」

と私は強く言った。

アルノーは驚いた顔で私を見つめる。

「何を?」

「相手の手の内を探るのよ!まだ、私、少しは役に立つと思うから。」

私は少しおどけて笑ってみせたけど、心の中では決意が固まっていた。

だって、アルノーを支えたかったから。

アルノーは一瞬黙って私を見つめた後、少しだけ苦笑いを浮かべた。

「君は本当に言うことを聞かないな…」

彼は言葉を続けることなく、私をじっと見つめる。

その目が、少し優しく感じられた。

きっと私が彼にとって心配な存在になってきた証拠だろう。

こんなことを言ってくれるなんて、少し照れくさいけれど、嬉しい。

「わかった、君が何をするつもりか見てみよう。」

アルノーがそう言ったので、私は心の中でガッツポーズをした。

その後、私はこっそり情報収集を始めた。

商談を妨害しようとする貴族の動きを探るために、わざと嘘の噂を流してみた。

思った通り、すぐにいくつかの有力な情報を得ることができた。

家臣からその計画が完璧に進行しているのを知った私は、嬉しさと少しの緊張を感じていた。

そして、ある日、アルノーにその策を提案するチャンスがやってきた。

私は報告書を見せながら、自分のアイデアをすぐに口にした。

「アルノー、これでどうかな?ランドリュ家がこう動くなら、こう反撃すればうまくいくと思うんだけど。」

私は少し照れくさく言いながらも、しっかりと目を見て伝えた。

アルノーは黙って私の言葉を聞いた後、少し考え込みながら口を開いた。

「面白い、やってみよう。」

そして、彼の目に少しだけ誇らしげな光が灯った気がした。

その日から、アルノーは私の提案をもとに逆転の手を打ち始めた。

私は少しずつ自分の力を彼に示していくことで、彼との距離が縮まるのを感じた。

そして、ついに、ランドリュ家を出し抜くことができた!

成功したとき、私はアルノーの隣で満面の笑顔を浮かべた。

「やったね、アルノー!」

私は嬉しさを込めて言うと、彼は私をじっと見つめて微笑んだ。

「お前がいなかったら、どうなっていたことか。」

その言葉に、私は少し顔が赤くなる。

「え?どうしてそんなこと言うのよ。」

私は照れくさいけれど、心の中で喜びを噛みしめながら、アルノーに微笑んだ。

「ありがとう、リリアナ。君がいたからこそ、ここまで来れた。」

アルノーは少しだけ照れくさい顔をして言った。

その言葉に、私はドキドキしながら、さらにアルノーに近づいた。

「ふふ、私がいなかったら、どうなっていたんだろうね。」

と、冗談っぽく言ってみた。
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