50 / 102
シュヴァイゼルの思惑
48
しおりを挟む
いつもとは異なるニイナの神妙な面持ちに、ナターシャは怪訝そうにそれを受け取った。
「これは、大分古いもののようだが…」
読んでみろと促すと、ナターシャのか細い指がそっと頁をめくり始める。怪訝そうにしていた表情は、頁を読み進める度に次第と青ざめていった。
「…何と言うことじゃ。このようなことが…。」
その様子をこれまた怪訝そうに見ていた他の妃たちは、眉を顰めて黙り込んでいる。勿論ルドルフもだ。
「ノアはね、ずっと隠し通してきたが、稀に現れる王子でありながら子を産める王族だ。」
「…なんとなくだがな、そうかもしれんと思っておった。」
食い入るように読み進めていた綴り本から視線を上げると、ナターシャは呟いた。
「ああ、そうよねえ。やっぱりねえ。」
「ノアの髪を整えていたのはいつも私だわ。私だってそれぐらい感じていたもん。」
「ほう、やはりそうか。」
「ワタシモ、シッテタヨ。」
「気がつかなかったある。皆んなすごいある。でも、なんか納得あるよ。」
「皆様も気がつかれていたのですね。」
「暗黙の了解ってとこかしら。」
「あらあら、まあまあ、ノアちゃんったらお母さんになれるのねえ。」
最後にそう言ってうふふふと笑う九妃の様子に、肩の力が抜けそうだ。
ナターシャはなんとなく気がついているだろうと考えてはいたが、他の妃らの反応は想定外だ。
ナターシャが後宮入りを認めた妃らは、見た目とは裏腹に皆肝が据わっている者たちばかりだ。
「喜ばしいことばかりではない。ナターシャ、皆にもそれを見せてやれ。」
順番に綴り本に目を通していく妃たちは、ナターシャ同様次々と顔が青ざめていった。
最後にルドルフが受け取り目を通すと、元々凶悪な顔を歪め、その顔はさらに凶悪なものになってしまった。
「ノアは子を宿せるばかりでなく、あの見た目だ。マホという者が現れ、周りがどれだけ騒がしいものになったか、其方達も感じているだろう。黒髪というだけで、あれ程の騒ぎようだ。」
ルドルフから私の元へと綴り本が返される。
ノアが生まれてからこの綴り本のことを思い出し、何度も読み返してきた。胸糞が悪くなる内容だが、目を背けることはできない。
ぱらぱらと頁を捲る。
三人目にしないために、わたしはノアを秘匿することにしたのだ。
「なぜノアをあそこまで徹底し秘匿し続けてきたのか、其方達ももう理解できただろう?」
そう、理解した筈だ。
数少ないノアのような王族のうち、過去に二人の者が成年を前に亡くなっている。
表向きは不治の病によるものだ。
だがこの綴り本には、王族直系の者たちだけに語り継がれてきた忌まわしい過去が記されている。
二人の死因は、どちらも自死だ。
彼らは懸想を超え尋常ではない執着を抱く者達に拐かされ、そして無理矢理に身体を暴かれた。
発見されたときの描写は何度読んでも胸糞が悪くなる。
妃らには堪える内容だろう。
だがその先がもっと悲惨だ。
二人はまるで呪いにでもかけられたかのように、憎むべきその相手の身体を求めるようになってしまった。
心では拒否しているのに、身体が求める。その者らを処罰しようにも、当の本人がいざその場になるとそれを拒否してしまうため、処罰することさえすぐには叶わなかったと言う。
心と身体の行き違いは次第に彼らの精神を蝕み、そして最後は自ら命を絶ってしまった。
一人目の事件から警戒は強められていた筈であるのに、どんなに警備を強化してもふとした瞬間に魔の時は訪れるものだ。
幸いニイナ自身が望み、ニイナはひっそりと九妃の座におさまった。第一王子であればこうはいかなかっただろうが、ノアは第十王子だ。誰の関心をひくこともないままノアは生まれた。
わたしはこの子が成人するまで、この子を隠し通すことを決めた。
三人目にしないためにも誰が見ても素晴らしい伴侶を探し、そして穏やかに生涯を過ごさせてやりたい。
ノアを秘匿するにはうってつけの部屋があり、そのためには妃らの協力が不可欠だった。
ナターシャを中心に皆よく守ってくれた。正直、想像以上だ。
「皆んな、今までよくやってくれた。感謝してるよ。」
「あのように命じられれば、しょうがないであろう。其方は、命じる際に言っていたではないか。忘れたのか?」
「…何と言ったかな?」
「ノアのことが漏れれば、皆…」
「一様に処罰する。」
十人が声を揃えた。
ああ、そんなこと言ったかな。秘匿したノアのことが知れ渡れば、犯人探しなどせずに全員まとめて罰すると、確かそんな事を言ったかもしれない。
「まあ、誰も漏洩することなく、皆んな無事で良かったじゃないか。」
手を叩いて褒めてやっているのに、誰も嬉しそうじゃない。
ナターシャはまたフンとそっぽを向いてしまった。
「これは、大分古いもののようだが…」
読んでみろと促すと、ナターシャのか細い指がそっと頁をめくり始める。怪訝そうにしていた表情は、頁を読み進める度に次第と青ざめていった。
「…何と言うことじゃ。このようなことが…。」
その様子をこれまた怪訝そうに見ていた他の妃たちは、眉を顰めて黙り込んでいる。勿論ルドルフもだ。
「ノアはね、ずっと隠し通してきたが、稀に現れる王子でありながら子を産める王族だ。」
「…なんとなくだがな、そうかもしれんと思っておった。」
食い入るように読み進めていた綴り本から視線を上げると、ナターシャは呟いた。
「ああ、そうよねえ。やっぱりねえ。」
「ノアの髪を整えていたのはいつも私だわ。私だってそれぐらい感じていたもん。」
「ほう、やはりそうか。」
「ワタシモ、シッテタヨ。」
「気がつかなかったある。皆んなすごいある。でも、なんか納得あるよ。」
「皆様も気がつかれていたのですね。」
「暗黙の了解ってとこかしら。」
「あらあら、まあまあ、ノアちゃんったらお母さんになれるのねえ。」
最後にそう言ってうふふふと笑う九妃の様子に、肩の力が抜けそうだ。
ナターシャはなんとなく気がついているだろうと考えてはいたが、他の妃らの反応は想定外だ。
ナターシャが後宮入りを認めた妃らは、見た目とは裏腹に皆肝が据わっている者たちばかりだ。
「喜ばしいことばかりではない。ナターシャ、皆にもそれを見せてやれ。」
順番に綴り本に目を通していく妃たちは、ナターシャ同様次々と顔が青ざめていった。
最後にルドルフが受け取り目を通すと、元々凶悪な顔を歪め、その顔はさらに凶悪なものになってしまった。
「ノアは子を宿せるばかりでなく、あの見た目だ。マホという者が現れ、周りがどれだけ騒がしいものになったか、其方達も感じているだろう。黒髪というだけで、あれ程の騒ぎようだ。」
ルドルフから私の元へと綴り本が返される。
ノアが生まれてからこの綴り本のことを思い出し、何度も読み返してきた。胸糞が悪くなる内容だが、目を背けることはできない。
ぱらぱらと頁を捲る。
三人目にしないために、わたしはノアを秘匿することにしたのだ。
「なぜノアをあそこまで徹底し秘匿し続けてきたのか、其方達ももう理解できただろう?」
そう、理解した筈だ。
数少ないノアのような王族のうち、過去に二人の者が成年を前に亡くなっている。
表向きは不治の病によるものだ。
だがこの綴り本には、王族直系の者たちだけに語り継がれてきた忌まわしい過去が記されている。
二人の死因は、どちらも自死だ。
彼らは懸想を超え尋常ではない執着を抱く者達に拐かされ、そして無理矢理に身体を暴かれた。
発見されたときの描写は何度読んでも胸糞が悪くなる。
妃らには堪える内容だろう。
だがその先がもっと悲惨だ。
二人はまるで呪いにでもかけられたかのように、憎むべきその相手の身体を求めるようになってしまった。
心では拒否しているのに、身体が求める。その者らを処罰しようにも、当の本人がいざその場になるとそれを拒否してしまうため、処罰することさえすぐには叶わなかったと言う。
心と身体の行き違いは次第に彼らの精神を蝕み、そして最後は自ら命を絶ってしまった。
一人目の事件から警戒は強められていた筈であるのに、どんなに警備を強化してもふとした瞬間に魔の時は訪れるものだ。
幸いニイナ自身が望み、ニイナはひっそりと九妃の座におさまった。第一王子であればこうはいかなかっただろうが、ノアは第十王子だ。誰の関心をひくこともないままノアは生まれた。
わたしはこの子が成人するまで、この子を隠し通すことを決めた。
三人目にしないためにも誰が見ても素晴らしい伴侶を探し、そして穏やかに生涯を過ごさせてやりたい。
ノアを秘匿するにはうってつけの部屋があり、そのためには妃らの協力が不可欠だった。
ナターシャを中心に皆よく守ってくれた。正直、想像以上だ。
「皆んな、今までよくやってくれた。感謝してるよ。」
「あのように命じられれば、しょうがないであろう。其方は、命じる際に言っていたではないか。忘れたのか?」
「…何と言ったかな?」
「ノアのことが漏れれば、皆…」
「一様に処罰する。」
十人が声を揃えた。
ああ、そんなこと言ったかな。秘匿したノアのことが知れ渡れば、犯人探しなどせずに全員まとめて罰すると、確かそんな事を言ったかもしれない。
「まあ、誰も漏洩することなく、皆んな無事で良かったじゃないか。」
手を叩いて褒めてやっているのに、誰も嬉しそうじゃない。
ナターシャはまたフンとそっぽを向いてしまった。
279
あなたにおすすめの小説
【完結】双子の兄が主人公で、困る
* ゆるゆ
BL
『きらきら男は僕のモノ』公言する、ぴんくの髪の主人公な兄のせいで、見た目はそっくりだが質実剛健、ちいさなことからコツコツとな双子の弟が、兄のとばっちりで断罪されかけたり、 悪役令息からいじわるされたり 、逆ハーレムになりかけたりとか、ほんとに困る──! 伴侶(予定)いるので。……って思ってたのに……!
本編、両親にごあいさつ編、完結しました!
おまけのお話を、時々更新しています。
本編以外はぜんぶ、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
【完結】僕はキミ専属の魔力付与能力者
みやこ嬢
BL
【2025/01/24 完結、ファンタジーBL】
リアンはウラガヌス伯爵家の養い子。魔力がないという理由で貴族教育を受けさせてもらえないまま18の成人を迎えた。伯爵家の兄妹に良いように使われてきたリアンにとって唯一安らげる場所は月に数度訪れる孤児院だけ。その孤児院でたまに会う友人『サイ』と一緒に子どもたちと遊んでいる間は嫌なことを全て忘れられた。
ある日、リアンに魔力付与能力があることが判明する。能力を見抜いた魔法省職員ドロテアがウラガヌス伯爵家にリアンの今後について話に行くが、何故か軟禁されてしまう。ウラガヌス伯爵はリアンの能力を利用して高位貴族に娘を嫁がせようと画策していた。
そして見合いの日、リアンは初めて孤児院以外の場所で友人『サイ』に出会う。彼はレイディエーレ侯爵家の跡取り息子サイラスだったのだ。明らかな身分の違いや彼を騙す片棒を担いだ負い目からサイラスを拒絶してしまうリアン。
「君とは対等な友人だと思っていた」
素直になれない魔力付与能力者リアンと、無自覚なままリアンをそばに置こうとするサイラス。両片想い状態の二人が様々な障害を乗り越えて幸せを掴むまでの物語です。
【独占欲強め侯爵家跡取り×ワケあり魔力付与能力者】
* * *
2024/11/15 一瞬ホトラン入ってました。感謝!
婚約破棄された公爵令嬢アンジェはスキルひきこもりで、ざまあする!BLミッションをクリアするまで出られない空間で王子と側近のBL生活が始まる!
山田 バルス
BL
婚約破棄とスキル「ひきこもり」―二人だけの世界・BLバージョン!?
春の陽光の中、ベル=ナドッテ魔術学院の卒業式は華やかに幕を開けた。だが祝福の拍手を突き破るように、第二王子アーノルド=トロンハイムの声が講堂に響く。
「アンジェ=オスロベルゲン公爵令嬢。お前との婚約を破棄する!」
ざわめく生徒たち。銀髪の令嬢アンジェが静かに問い返す。
「理由を、うかがっても?」
「お前のスキルが“ひきこもり”だからだ! 怠け者の能力など王妃にはふさわしくない!」
隣で男爵令嬢アルタが嬉しげに王子の腕に絡みつき、挑発するように笑った。
「ひきこもりなんて、みっともないスキルですわね」
その一言に、アンジェの瞳が凛と光る。
「“ひきこもり”は、かつて帝国を滅ぼした力。あなたが望むなら……体験していただきましょう」
彼女が手を掲げた瞬間、白光が弾け――王子と宰相家の青年モルデ=リレハンメルの姿が消えた。
◇ ◇ ◇
目を開けた二人の前に広がっていたのは、真っ白な円形の部屋。ベッドが一つ、机が二つ。壁のモニターには、奇妙な文字が浮かんでいた。
『スキル《ひきこもり》へようこそ。二人だけの世界――BLバージョン♡』
「……は?」「……え?」
凍りつく二人。ドアはどこにも通じず、完全な密室。やがてモニターが再び光る。
『第一ミッション:以下のセリフを言ってキスをしてください。
アーノルド「モルデ、お前を愛している」
モルデ「ボクもお慕いしています」』
「き、キス!?」「アンジェ、正気か!?」
空腹を感じ始めた二人に、さらに追い打ち。
『成功すれば豪華ディナーをプレゼント♡』
ステーキとワインの映像に喉を鳴らし、ついに王子が観念する。
「……モルデ、お前を……愛している」
「……ボクも、アーノルド王子をお慕いしています」
顔を寄せた瞬間――ピコンッ!
『ミッション達成♡ おめでとうございます!』
テーブルに豪華な料理が現れるが、二人は真っ赤になったまま沈黙。
「……なんか負けた気がする」「……同感です」
モニターの隅では、紅茶を片手に微笑むアンジェの姿が。
『スキル《ひきこもり》――強制的に二人きりの世界を生成。解除条件は全ミッション制覇♡』
王子は頭を抱えて叫ぶ。
「アンジェぇぇぇぇぇっ!!」
天井スピーカーから甘い声が響いた。
『次のミッション、準備中です♡』
こうして、トロンハイム王国史上もっとも恥ずかしい“ひきこもり事件”が幕を開けた――。
噂の冷血公爵様は感情が全て顔に出るタイプでした。
春色悠
BL
多くの実力者を輩出したと云われる名門校【カナド学園】。
新入生としてその門を潜ったダンツ辺境伯家次男、ユーリスは転生者だった。
___まあ、残っている記憶など塵にも等しい程だったが。
ユーリスは兄と姉がいる為後継者として期待されていなかったが、二度目の人生の本人は冒険者にでもなろうかと気軽に考えていた。
しかし、ユーリスの運命は『冷血公爵』と名高いデンベル・フランネルとの出会いで全く思ってもいなかった方へと進みだす。
常に冷静沈着、実の父すら自身が公爵になる為に追い出したという冷酷非道、常に無表情で何を考えているのやらわからないデンベル___
「いやいやいやいや、全部顔に出てるんですけど…!!?」
ユーリスは思い出す。この世界は表情から全く感情を読み取ってくれないことを。いくら苦々しい表情をしていても誰も気づかなかったことを。
寡黙なだけで表情に全て感情の出ているデンベルは怖がられる度にこちらが悲しくなるほど落ち込み、ユーリスはついつい話しかけに行くことになる。
髪の毛の美しさで美醜が決まるというちょっと不思議な美醜観が加わる感情表現の複雑な世界で少し勘違いされながらの二人の行く末は!?
運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
災厄の魔導士と呼ばれた男は、転生後静かに暮らしたいので失業勇者を紐にしている場合ではない!
椿谷あずる
BL
かつて“災厄の魔導士”と呼ばれ恐れられたゼルファス・クロードは、転生後、平穏に暮らすことだけを望んでいた。
ある日、夜の森で倒れている銀髪の勇者、リアン・アルディナを見つける。かつて自分にとどめを刺した相手だが、今は仲間から見限られ孤独だった。
平穏を乱されたくないゼルファスだったが、森に現れた魔物の襲撃により、仕方なく勇者を連れ帰ることに。
天然でのんびりした勇者と、達観し皮肉屋の魔導士。
「……いや、回復したら帰れよ」「えーっ」
平穏には程遠い、なんかゆるっとした日常のおはなし。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる