119 / 126
第九十四話
しおりを挟む
呪い返しで、顔が爛れてしまったという子爵家のご令嬢。
なんの罪もない王太子妃殿下とダイアナ様を呪おうとしたご令嬢。
申し訳ありませんけど、そんな方のお顔が爛れたと聞いても、全く同情する気になりませんわ。
とにかく顔全てが爛れて、痛みもあるそうです。
そして、どんなお医者様の手を借りても、痛みはもちろん爛れも治らないのだそうです。
仕方ありませんわよね?
自業自得というものです。
「それでダイアナ様が」
実はダイアナ様から、お手紙が届きましたの。
国民の皆さんが、多くの貴族の方々が、第二王子殿下の結婚を三ヶ月、遅くても半年後には行うべきだと。
国民の皆さんは、元国王陛下たちの愚行は知りません。
ですが、きっと彼らなりに思うところはあったのでしょう。
現在、元王弟殿下や王太子殿下、そして第二王子殿下はとても頑張っていらっしゃいます。
今までカリスタ商会におんぶに抱っこだった王家を、本気で立て直し中です。
その姿が、きっと国民や多くの貴族の方々に響いたのですわ。
もう何度も結婚の準備をされていたので、結婚式は半年後と決まりました。
さすがに他国の王族に出す招待状が、三ヶ月後では、ということになったのです。
そして、もうひとつ。
王太子妃殿下が、お子を授かったのです。
もちろんこれは極秘事項で、ダイアナ様が秘密なのですけどと教えてくださいました。
私が贈った魔道具を付けたことで、事態が好転したと感じたのだそうです。
そしてそのことで、自分の結婚と王太子妃殿下の妊娠という、とても嬉しいことが起きた。
だから、私には知らせていいと王太子殿下と王太子妃殿下がおっしゃったのだそうです。
嬉しい報告ですわ。
もちろん私も、そのことを他言するつもりはありません。
魔道具に守られ、呪いはかからないでしょうが、実力行使の場合も絶対にないとは言えませんし、何もなくてもお子が生まれて安定するまでは公表しないのが慣習ですから。
でも、アルバート様にはお話させていただきました。
アルバート様は、王太子殿下としてちゃんと『言っていいこと悪いこと』は理解されている方です。
それに魔法師の方にも、褒美を与えていただかなければなりませんから。
でも・・・
本当に良かったですわ。
お亡くなりになったことを喜ぶわけではありませんが、あの方々よりもダイアナ様の方が大切ですもの。
その子爵令嬢は、顔が爛れたこともあって、していた婚約は流れたと聞きました。
今は家から出されることもなく、一室に軟禁状態だそうですわ。
なんの罪もない王太子妃殿下とダイアナ様を呪おうとしたご令嬢。
申し訳ありませんけど、そんな方のお顔が爛れたと聞いても、全く同情する気になりませんわ。
とにかく顔全てが爛れて、痛みもあるそうです。
そして、どんなお医者様の手を借りても、痛みはもちろん爛れも治らないのだそうです。
仕方ありませんわよね?
自業自得というものです。
「それでダイアナ様が」
実はダイアナ様から、お手紙が届きましたの。
国民の皆さんが、多くの貴族の方々が、第二王子殿下の結婚を三ヶ月、遅くても半年後には行うべきだと。
国民の皆さんは、元国王陛下たちの愚行は知りません。
ですが、きっと彼らなりに思うところはあったのでしょう。
現在、元王弟殿下や王太子殿下、そして第二王子殿下はとても頑張っていらっしゃいます。
今までカリスタ商会におんぶに抱っこだった王家を、本気で立て直し中です。
その姿が、きっと国民や多くの貴族の方々に響いたのですわ。
もう何度も結婚の準備をされていたので、結婚式は半年後と決まりました。
さすがに他国の王族に出す招待状が、三ヶ月後では、ということになったのです。
そして、もうひとつ。
王太子妃殿下が、お子を授かったのです。
もちろんこれは極秘事項で、ダイアナ様が秘密なのですけどと教えてくださいました。
私が贈った魔道具を付けたことで、事態が好転したと感じたのだそうです。
そしてそのことで、自分の結婚と王太子妃殿下の妊娠という、とても嬉しいことが起きた。
だから、私には知らせていいと王太子殿下と王太子妃殿下がおっしゃったのだそうです。
嬉しい報告ですわ。
もちろん私も、そのことを他言するつもりはありません。
魔道具に守られ、呪いはかからないでしょうが、実力行使の場合も絶対にないとは言えませんし、何もなくてもお子が生まれて安定するまでは公表しないのが慣習ですから。
でも、アルバート様にはお話させていただきました。
アルバート様は、王太子殿下としてちゃんと『言っていいこと悪いこと』は理解されている方です。
それに魔法師の方にも、褒美を与えていただかなければなりませんから。
でも・・・
本当に良かったですわ。
お亡くなりになったことを喜ぶわけではありませんが、あの方々よりもダイアナ様の方が大切ですもの。
その子爵令嬢は、顔が爛れたこともあって、していた婚約は流れたと聞きました。
今は家から出されることもなく、一室に軟禁状態だそうですわ。
1,768
あなたにおすすめの小説
さようなら、わたくしの騎士様
夜桜
恋愛
騎士様からの突然の『さようなら』(婚約破棄)に辺境伯令嬢クリスは微笑んだ。
その時を待っていたのだ。
クリスは知っていた。
騎士ローウェルは裏切ると。
だから逆に『さようなら』を言い渡した。倍返しで。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ】伯爵令嬢の責務
ごろごろみかん。
恋愛
見てしまった。聞いてしまった。
婚約者が、王女に愛を囁くところを。
だけど、彼は私との婚約を解消するつもりは無いみたい。
貴族の責務だから政略結婚に甘んじるのですって。
それなら、私は私で貴族令嬢としての責務を果たすまで。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
【完結】恋は、終わったのです
楽歩
恋愛
幼い頃に決められた婚約者、セオドアと共に歩む未来。それは決定事項だった。しかし、いつしか冷たい現実が訪れ、彼の隣には別の令嬢の笑顔が輝くようになる。
今のような関係になったのは、いつからだったのだろう。
『分からないだろうな、お前のようなでかくて、エマのように可愛げのない女には』
身長を追い越してしまった時からだろうか。
それとも、特進クラスに私だけが入った時だろうか。
あるいは――あの子に出会った時からだろうか。
――それでも、リディアは平然を装い続ける。胸に秘めた思いを隠しながら。
【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか聖女になってしまいました
As-me.com
恋愛
完結しました。
番外編(編集済み)と、外伝(新作)アップしました。
とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。
例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。
なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。
ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!
あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。
※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
2番目の1番【完】
綾崎オトイ
恋愛
結婚して3年目。
騎士である彼は王女様の護衛騎士で、王女様のことを何よりも誰よりも大事にしていて支えていてお護りしている。
それこそが彼の誇りで彼の幸せで、だから、私は彼の1番にはなれない。
王女様には私は勝てない。
結婚3年目の夫に祝われない誕生日に起こった事件で限界がきてしまった彼女と、彼女の存在と献身が当たり前になってしまっていたバカ真面目で忠誠心の厚い騎士の不器用な想いの話。
※ざまぁ要素は皆無です。旦那様最低、と思われる方いるかもですがそのまま結ばれますので苦手な方はお戻りいただけると嬉しいです
自己満全開の作品で個人の趣味を詰め込んで殴り書きしているため、地雷多めです。苦手な方はそっとお戻りください。
批判・中傷等、作者の執筆意欲削られそうなものは遠慮なく削除させていただきます…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる