はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第九十三話

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 セイラの話はこうでした。

 『ある人』が王太子妃殿下、ダイアナ様に呪いをかけたのだそうです。

 クレメンタイン王国では、魔法は全く発展しておらず私は知らないことだったのですが、魔法師の方々には呪詛というものは周知の事実だったそうです。

 だからこそ、それに対応できる魔道具を作れたのだとお聞きしました。

 呪い、呪詛というものは、魔法の中でも暗部に属するものだそうです。

 人を呪わば穴二つ。

 人を呪うということは、自分にもその報いが返ってくるということです。

 ただ、呪い返しというものはそういう感情?迷信?的なものではなく、かけた呪いが魔道具に弾かれて、かけた本人に戻るというものだとか。

 つまりは、魔法師の方に作っていただいてダイアナ様たちにお渡しした魔道具が効果を発揮し、かけた本人に呪いが返ったということです。

 結論から言いますと、犯人はクレメンタイン王国の子爵家のご令嬢でした。

 彼女は、ドロシー王女殿下の侍女をしていて、誰よりも彼女に心酔していたそうです。

 だから、ドロシー王女殿下を可愛がらない王太子殿下と第二王子殿下を疎ましく思われていたとのことです。

 恨みの対象は、王太子殿下に第二王子殿下、そしてダイアナ様に私だったようです。

 彼女が手に入れた呪うための道具には、対象の普段身に付けているものか、髪の毛などのその人を特定できる品が必要なのだそうです。

 王太子殿下と第二王子殿下、私が呪われなかったのは、それが理由です。

 学園をすでに卒業されていた王太子殿下。

 スキップ制度を使い、ほとんど学園に通っていなかった私。

 第二王子殿下も、王族の上に男性だったことで接点が持てず、標的はダイアナ様になったようです。

 そして、たまたまダイアナ様とお会いしていた王太子妃殿下が落とされたハンカチを拾い、王太子妃殿下を王太子殿下の代わりに対象にすることにしたらしいです。

 学園に通っていなかった私は、そのご令嬢のことを存じ上げませんが、ほんっとうに馬鹿なんじゃないかと思います。

 何故、王太子殿下が、第二王子殿下が、ダイアナ様が、恨まれなければならないのでしょうか。

 国王陛下の、王妃殿下の、ドロシー王女殿下の愚かな言動が、どれだけあの方々を苦しめたのか、カケラも思いつかなかったのでしょうか。

 やっと。
やっと、幸せを掴もうとした王太子妃殿下とダイアナ様を苦しめる権利が、そのご令嬢のどこにあるというのでしょうか。

 そのご令嬢は呪い返しにより、顔の皮膚が爛れたのだそうですわ。
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