婚約者から婚約破棄されたら、王弟殿下に捕まった件

みおな

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卒業パーティーにも沸く件

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 王立学園、卒業パーティー。

 このパーティーを以て、令息令嬢は成人と認められて社交界デビューをする。

 そして、私はキッド様のお妃に、チェリー様はランスロット殿下のお妃になる。

 チェリー様のことを疫病神と言った侯爵令嬢と伯爵令嬢が、修道院行きとなったことは周知の事実で、さすがにもうそんな馬鹿な真似をする人間はいないみたい。

 ホッとしたわ。

 私だって、一応緊張しているのよ。

 キッド様は大人で、しかも元々王族で王弟として公務もされていたし。

 一方の私は、公爵令嬢ではあるけれど十六歳の小娘で。

 これから王太子妃としてちゃんとやっていけるのか、やっぱり不安はあるのよ。

 そんな緊張感のある時に、ゴタゴタは起こして欲しくないもの。

 そして、緊張しているのは私だけではなくて・・・

「チェリー様、大丈夫ですか?何か飲まれます?」

「ルチル様・・・だ、大丈夫です」

 大丈夫という顔色じゃないのだけど。

 婚約者を放ったらかして、ランスロット殿下はどこに行ったのよ。

 このパーティーで、私とチェリー様の婚姻について公表されるのよね。

 だからチェリー様も緊張しているのよね。

「とにかく、あちらの椅子に座りましょう?」

 パーティーでは軽食を並べたテーブルがあり、壁際には椅子も並べてある。

 緊張で倒れるよりも、少しの間座っていた方がいいわ。

 私が隣で座っていたら、陰口を叩く馬鹿も現れないはず。

 そう思っていたのだけど・・・

「おや?王太子妃と王子妃様が壁の花とは」

「そんなこと言ってやるなよ、ロハン。公爵家の権力好き勝手してる令嬢と、その威を借る捨て猫だろ?自分の居場所を理解してるじゃないか」

「ハハっ。アレスの方が辛辣じゃないか」

 オレンジ色の髪と瞳の令息二人。

 カーネリアン公爵家の縁付きのアンデシン侯爵家の双子。

 カーネリアンのクロード様も、私の婚約者キッド様も、この場にいらっしゃらないからこその発言かしら。

 ランスロット殿下や私では、この場を治めきれないとの判断?

 随分と馬鹿な頭に育ったのね。

 アンデシン侯爵と夫人は、噂通り息子二人を甘やかして育てたようね。

「アンデシン侯爵令息!クォーツ公爵令嬢であるルチル様に失礼でしょう!侯爵家令息でありながら、王太子妃になられる公爵令嬢に対してマナーがなっていませんわ」

 椅子に座っていたチェリー様が立ち上がると、なんと私の盾になるように立ち塞がり、双子に意見してくれた。

 感動だわ。
あの、オドオドしていたチェリー様が。

 王子妃となるべく、ランスロット殿下の隣に立つに相応しくなるべく、ものすごく努力されていたものね。
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