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卒業パーティー目前な件
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学園の卒業まで、二ヶ月となった。
なんだか波瀾万丈な学園生活だったわ。
いえ、学園生活自体は大したことも起こらずだったのだけど、ランスロット殿下との婚約がなくなったり、王弟殿下であるキッド様と婚約を結んだり、チェリー様を王子妃にするべく教育したり、考えなしの令嬢たちを処罰したり。
短期間に色んなことがあったわね。
あと二ヶ月。何も起こらなきゃいいけど。
この二ヶ月は、忙しいの言葉では表せないほど、大変なのよね。
卒業パーティーの準備に、卒業後のキッド様との婚姻準備、チェリー様とランスロット殿下の婚姻準備があるのよ。
卒業パーティーのドレスはキッド様が贈ってくださるそうだからいいのだけど、結婚準備が大変。
ドレスのデザインの打ち合わせから、招待客への案内、エトセトラ、エトセトラ。
その上、体型維持もしなきゃなのよ。
チェリー様は王子妃だから、パレードとかはないけど、私はパレードもあるのよね。
結婚披露パーティーでは、ダンスも三曲は踊らなきゃだし、衣装替えもある。
大変だけど、嬉しいとは思っているわ。
だって、キッド様の妻になれるのだから。
ランスロット殿下に婚約破棄を告げられた時は、領地に引きこもって商売でもして自由に生きようと考えていたわ。
だって、婚約破棄させられた令嬢なんて、誰かの後妻か修道院行きが当然だったから。
そうしたら、キッド様が婚約の申し込みに来られて・・・
あの時は断ることができなくて、自由な未来がなくなったとガッカリしたわね。
公爵令嬢としての枠から、逃れたかったのかもしれないわ。
あの頃は王太子妃教育も受けていたし、きっとストレスを感じていたのね。
それから、チェリー様の教育をすることになったり、キッド様が王太子になることになったり・・・
ご一緒する時間はそんなに多くなかったけど、いつもいつもキッド様からたくさんの愛情をいただいて、いつのまにかキッド様のことを特別だと思うようになっていた。
私より九歳年上のキッド様。
そんなキッド様だけど、私のことに関しては、甘えたり拗ねたりと色んな表情を見せてくださって。
ランスロット殿下には感じなかった気持ちを、キッド様には持つようになった。
王太子妃なんて面倒だと思っていたけど、キッド様のためならと思えるようになったわ。
「ん?どうかした?ルチル」
私の膝の上に頭を乗せたキッド様が、そっと手を伸ばしてくる。
頬に触れるその手に自分の手を重ねると、私はにっこりと微笑んだ。
「キッド様と出会えて幸せだなって思っていたのです」
あの日、婚約の申し込みに来てくださってありがとうございます。
なんだか波瀾万丈な学園生活だったわ。
いえ、学園生活自体は大したことも起こらずだったのだけど、ランスロット殿下との婚約がなくなったり、王弟殿下であるキッド様と婚約を結んだり、チェリー様を王子妃にするべく教育したり、考えなしの令嬢たちを処罰したり。
短期間に色んなことがあったわね。
あと二ヶ月。何も起こらなきゃいいけど。
この二ヶ月は、忙しいの言葉では表せないほど、大変なのよね。
卒業パーティーの準備に、卒業後のキッド様との婚姻準備、チェリー様とランスロット殿下の婚姻準備があるのよ。
卒業パーティーのドレスはキッド様が贈ってくださるそうだからいいのだけど、結婚準備が大変。
ドレスのデザインの打ち合わせから、招待客への案内、エトセトラ、エトセトラ。
その上、体型維持もしなきゃなのよ。
チェリー様は王子妃だから、パレードとかはないけど、私はパレードもあるのよね。
結婚披露パーティーでは、ダンスも三曲は踊らなきゃだし、衣装替えもある。
大変だけど、嬉しいとは思っているわ。
だって、キッド様の妻になれるのだから。
ランスロット殿下に婚約破棄を告げられた時は、領地に引きこもって商売でもして自由に生きようと考えていたわ。
だって、婚約破棄させられた令嬢なんて、誰かの後妻か修道院行きが当然だったから。
そうしたら、キッド様が婚約の申し込みに来られて・・・
あの時は断ることができなくて、自由な未来がなくなったとガッカリしたわね。
公爵令嬢としての枠から、逃れたかったのかもしれないわ。
あの頃は王太子妃教育も受けていたし、きっとストレスを感じていたのね。
それから、チェリー様の教育をすることになったり、キッド様が王太子になることになったり・・・
ご一緒する時間はそんなに多くなかったけど、いつもいつもキッド様からたくさんの愛情をいただいて、いつのまにかキッド様のことを特別だと思うようになっていた。
私より九歳年上のキッド様。
そんなキッド様だけど、私のことに関しては、甘えたり拗ねたりと色んな表情を見せてくださって。
ランスロット殿下には感じなかった気持ちを、キッド様には持つようになった。
王太子妃なんて面倒だと思っていたけど、キッド様のためならと思えるようになったわ。
「ん?どうかした?ルチル」
私の膝の上に頭を乗せたキッド様が、そっと手を伸ばしてくる。
頬に触れるその手に自分の手を重ねると、私はにっこりと微笑んだ。
「キッド様と出会えて幸せだなって思っていたのです」
あの日、婚約の申し込みに来てくださってありがとうございます。
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