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第27-5話 彼と彼女の事情⑤の⑤
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ここで言わなければ大変な事になる。そう感じたベラリアは父のルッソ子爵に駆け寄り縋った。
「お父様!誤解なんです!確かに昨夜は彼を泊めました。それは彼が友人の家を渡り歩いていて私の順番だったから!それだけのことなの!そしたら無理矢理!合意もなく私は辱めを受けたんです!」
ベラリアの言葉に驚いたのはルーシュだけ。
ルッソ子爵はもう諦めているし、ベラリアの兄は部屋に入る前に昨夜から明け方までの情事をまるで朗読するかのように張り付いた私兵が執事に説明を受けるのを隣で聞いていた。
「違うだろう?ずっと僕の事が好きだったと!迫って来たのはベラじゃないか!」
「違うわ!あんたなんかお断り!皆の前で何度もそう言ったはずよ!」
言い合いを始めた2人にベラリアの兄は怒りから顔を赤くしてテーブルに書類を乱暴に置いた。
「署名するんだ」
ピタリと声を止めた2人が書類の文字に目を走らせる。
「婚姻届け?!」
「そうだ。何の問題もないだろう。あとは2人で仲良く慰謝料などを払いながら生活すればいい。今頃教会にいるディック伯爵夫人も同意をしているだろうし・・・屋敷に戻れば当主となっているかもな」
さぁ!とペンを握らせるベラリアの兄。
ルーシュはなかなかサインをしないベラリアの手からペンをひったくると簡単にサインをした。
「本気なの?結婚なのよ?」
ルーシュはベラリアの言葉には返事を返さなかった。腹が立つ物言いをされたのは気にくわないが、ルーシュにとってはアナベルでもベラリアでもどちらでも良かった。
心が浮き立っていた時に思ったようにベラリアと結婚となれば今、目に見えている品が持てるような子爵家なのだし、当主となったのなら今まで以上に楽な生活が出来ると踏んでのこと。
ベラリアにはもう子爵家に籍がないという事は、まだ知らないので考えにはない。
だからこそ、形勢逆転とばかりにルッソ子爵と筆頭公爵家の執事を交互に睨みつけ・・・。
「では、カトゥル侯爵家への慰謝料、それから公爵家?まぁ金が欲しいそうなんで払っておいてください。あとはそうだな。使用人を10人ばかり回してもらって・・・執務に精通した人間も用意を頼みます」
あっけにとられたのはルッソ子爵一家。
――この男、馬鹿なのか?――
ベラリアの兄はベラリアに視線を移すが、フっと顔を逸らしたベラリアに籍がもう無い事をルーシュには伝えてないのだろうと悟った。
こんな事まで言ってやらないといけないのかと面倒臭さも感じつつ、かと言って言わずに後から経営する商店などに怒鳴り込んで来られても迷惑だ。
「勘違いをしているようだが、ルッソ家から何かをする事は無い」
「何を言ってるんです?お義兄さん。もう家族でしょうに」
ニヤッと笑うルーシュだったがその笑いは直ぐに消えた。
「無いね。ベラリアは子爵家に籍はない。だからあのアパートにいるんだ。尤もアパートを借りる金がベラリアへの餞別のようなものだから受け取っている以上、君たちに何かをする事は無い。公爵家への後始末とカトゥル家への侘びくらいはするがね」
「なっ!籍がないって!?平民?えっ?どういう事だ?!」
ルッソ子爵に縋っていたベラリアの肩を掴んだルーシュだったが、ベラリアはその手を払い除けた。バチンと叩かれた手の甲を片方の手で覆い、ルーシュは叫ぶ。
「だったら猶更だ!ベラはアンタらの娘だろう!娶ってやるんだから持参金代わりに寄越せよ!」
「残念だが、他家に迷惑をかけた君たちにしてやることはない」
「ない?さっき、ないって言った?とんでもない鬼畜だな?人の皮を被った悪魔かよ!」
「何とでも言ってくれ。言うだけならタダだしな。聞くだけ聞いてやろうじゃないか」
ベラリアの兄が開き直ったようにルーシュの前に立つ。
身の丈は同じくらいだが、商売をする低位貴族でもあり難癖をつけてくるヤカラなど常識のない者も相手にしてきたベラリアの兄。ルーシュは圧を感じた。
「だいたいだ!こんな阿婆擦れ。大層な事を言ってるが自分から抱いてくれと迫ってくるような女にしか育てられない貴様らごとき。僕が怯むとでも?舐められたもんだな!」
「他人に育て方や文句を言う前に自分を見たらどうだ?他家の娘に執務を丸投げ、他家の融資がないと生きる事も出来ない伯爵様だ。ご高尚なお言葉を頂こうじゃないか」
ジリッと一歩一歩迫って来るベラリアの兄にルーシュは同じ歩数だけ後ろに下がった。背に壁が当たりもう下がる事が出来なくなると、ベラリアの兄に体当たりをし、先程署名をした婚姻届けが置かれたテーブルに駆け寄った。
ビリリッ!!ビリッビリッ!!
思い切り婚姻届けを引き裂くと、手に残った数枚を口に入れて飲み込んだ。
「無効だ!陛下だってアナベルとの婚約を無効にしたんだ!こんな女なんか妻に出来るか!」
「構わないよ。じゃぁベラリアとの結婚は無効。ルッソ家はそれで結構だ。それから・・・主君の命は正しく理解する事だ。陛下は無効にしたのではない。破棄と王命を出されたのだ」
ベラリアの兄がそう言うと部屋の隅でルッソ子爵家の使用人なのか。「ぷっ」と失笑を漏らした声がルーシュに聞こえ、顔を怒りでいい加減赤くしたルーシュは恥ずかしさからではなく、失笑された事への怒りで更に赤くなった。
「話にならないっ!この結婚が無効なんだから侯爵家との婚約破棄も無効だッ!」
叫んだルーシュは部屋を飛び出して行った。
「無茶苦茶だな。どっちが話にならないんだか」
やれやれと息を長く吐いたベラリアの兄。ベラリアはビクッと体を震わせた。
ルーシュからこれで離れられるという安堵はあったが、家から出される事に変わりはない。そう思うと涙が溢れて止まらなくなった。
「泣いたって何も変わらない。出て行きなさい」
ルーシュにかけた言葉とは違い、口調は優しいが有無を言わせぬ兄の言葉。
いつも兄妹喧嘩で泣きながら父に縋れば味方をしてくれたのに、縋った父は髪にも肩にも触れてはくれなかった。
★~★
本日はここまでです(*^-^*)
明日はいよいよ!アナベルのヒーローが登場!
乞うご期待??
「お父様!誤解なんです!確かに昨夜は彼を泊めました。それは彼が友人の家を渡り歩いていて私の順番だったから!それだけのことなの!そしたら無理矢理!合意もなく私は辱めを受けたんです!」
ベラリアの言葉に驚いたのはルーシュだけ。
ルッソ子爵はもう諦めているし、ベラリアの兄は部屋に入る前に昨夜から明け方までの情事をまるで朗読するかのように張り付いた私兵が執事に説明を受けるのを隣で聞いていた。
「違うだろう?ずっと僕の事が好きだったと!迫って来たのはベラじゃないか!」
「違うわ!あんたなんかお断り!皆の前で何度もそう言ったはずよ!」
言い合いを始めた2人にベラリアの兄は怒りから顔を赤くしてテーブルに書類を乱暴に置いた。
「署名するんだ」
ピタリと声を止めた2人が書類の文字に目を走らせる。
「婚姻届け?!」
「そうだ。何の問題もないだろう。あとは2人で仲良く慰謝料などを払いながら生活すればいい。今頃教会にいるディック伯爵夫人も同意をしているだろうし・・・屋敷に戻れば当主となっているかもな」
さぁ!とペンを握らせるベラリアの兄。
ルーシュはなかなかサインをしないベラリアの手からペンをひったくると簡単にサインをした。
「本気なの?結婚なのよ?」
ルーシュはベラリアの言葉には返事を返さなかった。腹が立つ物言いをされたのは気にくわないが、ルーシュにとってはアナベルでもベラリアでもどちらでも良かった。
心が浮き立っていた時に思ったようにベラリアと結婚となれば今、目に見えている品が持てるような子爵家なのだし、当主となったのなら今まで以上に楽な生活が出来ると踏んでのこと。
ベラリアにはもう子爵家に籍がないという事は、まだ知らないので考えにはない。
だからこそ、形勢逆転とばかりにルッソ子爵と筆頭公爵家の執事を交互に睨みつけ・・・。
「では、カトゥル侯爵家への慰謝料、それから公爵家?まぁ金が欲しいそうなんで払っておいてください。あとはそうだな。使用人を10人ばかり回してもらって・・・執務に精通した人間も用意を頼みます」
あっけにとられたのはルッソ子爵一家。
――この男、馬鹿なのか?――
ベラリアの兄はベラリアに視線を移すが、フっと顔を逸らしたベラリアに籍がもう無い事をルーシュには伝えてないのだろうと悟った。
こんな事まで言ってやらないといけないのかと面倒臭さも感じつつ、かと言って言わずに後から経営する商店などに怒鳴り込んで来られても迷惑だ。
「勘違いをしているようだが、ルッソ家から何かをする事は無い」
「何を言ってるんです?お義兄さん。もう家族でしょうに」
ニヤッと笑うルーシュだったがその笑いは直ぐに消えた。
「無いね。ベラリアは子爵家に籍はない。だからあのアパートにいるんだ。尤もアパートを借りる金がベラリアへの餞別のようなものだから受け取っている以上、君たちに何かをする事は無い。公爵家への後始末とカトゥル家への侘びくらいはするがね」
「なっ!籍がないって!?平民?えっ?どういう事だ?!」
ルッソ子爵に縋っていたベラリアの肩を掴んだルーシュだったが、ベラリアはその手を払い除けた。バチンと叩かれた手の甲を片方の手で覆い、ルーシュは叫ぶ。
「だったら猶更だ!ベラはアンタらの娘だろう!娶ってやるんだから持参金代わりに寄越せよ!」
「残念だが、他家に迷惑をかけた君たちにしてやることはない」
「ない?さっき、ないって言った?とんでもない鬼畜だな?人の皮を被った悪魔かよ!」
「何とでも言ってくれ。言うだけならタダだしな。聞くだけ聞いてやろうじゃないか」
ベラリアの兄が開き直ったようにルーシュの前に立つ。
身の丈は同じくらいだが、商売をする低位貴族でもあり難癖をつけてくるヤカラなど常識のない者も相手にしてきたベラリアの兄。ルーシュは圧を感じた。
「だいたいだ!こんな阿婆擦れ。大層な事を言ってるが自分から抱いてくれと迫ってくるような女にしか育てられない貴様らごとき。僕が怯むとでも?舐められたもんだな!」
「他人に育て方や文句を言う前に自分を見たらどうだ?他家の娘に執務を丸投げ、他家の融資がないと生きる事も出来ない伯爵様だ。ご高尚なお言葉を頂こうじゃないか」
ジリッと一歩一歩迫って来るベラリアの兄にルーシュは同じ歩数だけ後ろに下がった。背に壁が当たりもう下がる事が出来なくなると、ベラリアの兄に体当たりをし、先程署名をした婚姻届けが置かれたテーブルに駆け寄った。
ビリリッ!!ビリッビリッ!!
思い切り婚姻届けを引き裂くと、手に残った数枚を口に入れて飲み込んだ。
「無効だ!陛下だってアナベルとの婚約を無効にしたんだ!こんな女なんか妻に出来るか!」
「構わないよ。じゃぁベラリアとの結婚は無効。ルッソ家はそれで結構だ。それから・・・主君の命は正しく理解する事だ。陛下は無効にしたのではない。破棄と王命を出されたのだ」
ベラリアの兄がそう言うと部屋の隅でルッソ子爵家の使用人なのか。「ぷっ」と失笑を漏らした声がルーシュに聞こえ、顔を怒りでいい加減赤くしたルーシュは恥ずかしさからではなく、失笑された事への怒りで更に赤くなった。
「話にならないっ!この結婚が無効なんだから侯爵家との婚約破棄も無効だッ!」
叫んだルーシュは部屋を飛び出して行った。
「無茶苦茶だな。どっちが話にならないんだか」
やれやれと息を長く吐いたベラリアの兄。ベラリアはビクッと体を震わせた。
ルーシュからこれで離れられるという安堵はあったが、家から出される事に変わりはない。そう思うと涙が溢れて止まらなくなった。
「泣いたって何も変わらない。出て行きなさい」
ルーシュにかけた言葉とは違い、口調は優しいが有無を言わせぬ兄の言葉。
いつも兄妹喧嘩で泣きながら父に縋れば味方をしてくれたのに、縋った父は髪にも肩にも触れてはくれなかった。
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