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Chapter2
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数日後、隼也が佐久間商事からTOKIWAにやってきた。
先日の宣言通り、改めて挨拶に来た次第だそう。
副社長と共に応接室に向かうと、今日も爽やかに髪を後ろに流した隼也の姿が。
副社長の後ろから一礼すると、隼也も倣うように頭を下げた。
「わざわざおいでくださいまして、ありがとうございます」
「とんでもございません。副社長もお忙しいでしょうにお時間をいただいて申し訳ございません」
お茶を淹れて隼也と秘書の方の前に置くと、
「ありがとうございます」
と目を見て微笑まれる。
その笑顔に心臓が跳ねて、顔が真っ赤になりそうで恥ずかしくて下を向いた。
副社長にもお茶を出すと、私は応接室を出て給湯室へ戻る。
前回とは違い三十分ほど世間話も交えながら仕事の話をしたらしい二人は、そのまま昼食をご一緒にいかがですか、という話になったらしい。
「津田島さん、手配を」
「かしこまりました」
会社の近くにある和食の料亭を急遽抑えて、副社長の専属運転手に連絡をする。
「鷲尾専務、参りましょう」
「ありがとうございます」
二人の後ろを歩き、地下駐車場へ向かう。
その間に私のスマートフォンが着信を知らせた。
出ると託児所からのもので、隼輔が熱を出したと言う。
すぐに電話を切って秘書課の山瀬さんに連絡をした。
地下駐車場で隼也と副社長を乗せた車のドアを閉める前に、副社長にそっと声をかける。
「副社長、申し訳ございません。実は……」
耳打ちするように隼輔の件を伝えると、
「そうか、それは早く行ってあげなさい。こちらのことは気にしなくていいからね」
とすぐに了承してくれた。
「いつも申し訳ございません。ありがとうございます。午後の業務に関しては山瀬に一任しておりますので」
「了解。気を付けて帰るんだよ」
「はい、お先に失礼いたします」
副社長に頭を下げると、奥から隼也が
「……津田島さん、お帰りになるんですか?」
と心配そうに声を掛けてきた。
それにどう答えようか悩んでいるうちに、副社長が微笑む。
「彼女にはね、まだ二歳の子どもがいるんですよ」
「え……?子ども……?」
「はい。その子が熱を出したようなので、早く病院に連れて行ってあげないと」
副社長は何気ない会話のつもりだったのだろう。しかし、私は何かに取り憑かれたかのように身体が動かなくなってしまった。
驚愕に満ちたような隼也の視線が、私を捉えて離さない。
私の左手に一瞬視界を移した隼也は、そこに何も無いことを確認してもう一度私の顔を見た。
"意味がわからない"という表情。それに私は今どんな顔をしているか、想像が付かない。
「津田島さん、こっちは大丈夫だから、早く行ってあげて。隼輔くんが待ってるよ」
隼輔。その名前を副社長が口にした瞬間。
もう私は隼也の顔を見られなかった。
「……ご迷惑をおかけして申し訳ございません。お先に、失礼します」
頭を下げたままどうにか言葉をこぼし、そのまま隼也の顔を見ずに足速に立ち去った。
隼輔を迎えに行って病院に連れて行って、寮に帰ってきた時にはすっかり疲れきってしまい、隼輔と一緒に眠りに落ちてしまった。
先日の宣言通り、改めて挨拶に来た次第だそう。
副社長と共に応接室に向かうと、今日も爽やかに髪を後ろに流した隼也の姿が。
副社長の後ろから一礼すると、隼也も倣うように頭を下げた。
「わざわざおいでくださいまして、ありがとうございます」
「とんでもございません。副社長もお忙しいでしょうにお時間をいただいて申し訳ございません」
お茶を淹れて隼也と秘書の方の前に置くと、
「ありがとうございます」
と目を見て微笑まれる。
その笑顔に心臓が跳ねて、顔が真っ赤になりそうで恥ずかしくて下を向いた。
副社長にもお茶を出すと、私は応接室を出て給湯室へ戻る。
前回とは違い三十分ほど世間話も交えながら仕事の話をしたらしい二人は、そのまま昼食をご一緒にいかがですか、という話になったらしい。
「津田島さん、手配を」
「かしこまりました」
会社の近くにある和食の料亭を急遽抑えて、副社長の専属運転手に連絡をする。
「鷲尾専務、参りましょう」
「ありがとうございます」
二人の後ろを歩き、地下駐車場へ向かう。
その間に私のスマートフォンが着信を知らせた。
出ると託児所からのもので、隼輔が熱を出したと言う。
すぐに電話を切って秘書課の山瀬さんに連絡をした。
地下駐車場で隼也と副社長を乗せた車のドアを閉める前に、副社長にそっと声をかける。
「副社長、申し訳ございません。実は……」
耳打ちするように隼輔の件を伝えると、
「そうか、それは早く行ってあげなさい。こちらのことは気にしなくていいからね」
とすぐに了承してくれた。
「いつも申し訳ございません。ありがとうございます。午後の業務に関しては山瀬に一任しておりますので」
「了解。気を付けて帰るんだよ」
「はい、お先に失礼いたします」
副社長に頭を下げると、奥から隼也が
「……津田島さん、お帰りになるんですか?」
と心配そうに声を掛けてきた。
それにどう答えようか悩んでいるうちに、副社長が微笑む。
「彼女にはね、まだ二歳の子どもがいるんですよ」
「え……?子ども……?」
「はい。その子が熱を出したようなので、早く病院に連れて行ってあげないと」
副社長は何気ない会話のつもりだったのだろう。しかし、私は何かに取り憑かれたかのように身体が動かなくなってしまった。
驚愕に満ちたような隼也の視線が、私を捉えて離さない。
私の左手に一瞬視界を移した隼也は、そこに何も無いことを確認してもう一度私の顔を見た。
"意味がわからない"という表情。それに私は今どんな顔をしているか、想像が付かない。
「津田島さん、こっちは大丈夫だから、早く行ってあげて。隼輔くんが待ってるよ」
隼輔。その名前を副社長が口にした瞬間。
もう私は隼也の顔を見られなかった。
「……ご迷惑をおかけして申し訳ございません。お先に、失礼します」
頭を下げたままどうにか言葉をこぼし、そのまま隼也の顔を見ずに足速に立ち去った。
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