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2章
2話
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「んん………っ」
ずるりと漸く治まった永瀬の屹立をユキの中から抜くと、ちゅぷりと濡れた音を伴って抜けていった。
避妊具を付けていたため、永瀬の精液は薄いゴムの中に溜まっていた。
ユキはベッドサイドに置かれたティッシュを取って零れる愛液を拭った。
「……すみません、ちょっとすぐに歩けそうになくて……休んでから帰ってもいいですか」
ユキが泊まっていったのは激しすぎた最初の夜だけで以降は律儀にも自宅へ帰っていたのだ。
「泊まっても構わないんだが」
「……いえ、明日も仕事ですので……」
泊まっていったら一晩中してしまうのは最初の夜に証明済みだ。とりあえず、発情期の衝動が抑えられればいいといった体のユキは出来れば必要以上にセックスしたくないといった態度である。
すっ……と永瀬は目を細めると……
「そうだな、何かと不便だからユキの今のマンションは引き払いなさい」
「は………?」
「知ってのとおり、うちは部屋がたくさんある。そのうちの一つを使えばいい。荷物が多ければ二つ使っても三つ使っても構わない。この週末には発情期も終わるだろうから荷物を纏めて来なさい。」
「ま……待って下さいっ……そんなの無理……」
ベッドに寝そべっていた永瀬が起き上がると、躯から肌掛けがするりと落ちて逞しい肉体が露になった。
永瀬の長い指がユキの顎を捉えると、くっ……と上向かせて視線を捕まえられた。漆黒の瞳に見つめられると魔法でも使われたかのように動けなくなる。
「ユキ。よく聞いていたか?俺は『来なさい』と言ったんだ。君に選択の余地はない。」
「え………」
「君が病院に採用される際の履歴書、ベータとなってるね」
ぎくり、とユキの背中が強ばった。
「そして履歴書と一緒に提出が義務づけられている性別鑑定証もベータとなっていた。君に協力した医者がいるということだ」
ユキの頭の中にオメガであるため医師免許を取ったにもかかわらず就職が決まらなかった自分のために危険を承知で書類を偽造してくれた恩人の顔が過る。
「オメガということが理由で即刻クビにはならないが、書類の偽造は犯罪だ。その医師も君も医師免許剥奪ということになるだろうな」
「そ、れは脅しですか?」
「そう取ってくれて構わない」
睨むような視線を向けていたユキだが、ふと緩んだように視線が永瀬から外れて……
「僕と暮らしたってつまらないってすぐ気が付きますよ……」
諦めの吐息とともにちいさく漏らした呟きに永瀬は満足そうに笑った。
ずるりと漸く治まった永瀬の屹立をユキの中から抜くと、ちゅぷりと濡れた音を伴って抜けていった。
避妊具を付けていたため、永瀬の精液は薄いゴムの中に溜まっていた。
ユキはベッドサイドに置かれたティッシュを取って零れる愛液を拭った。
「……すみません、ちょっとすぐに歩けそうになくて……休んでから帰ってもいいですか」
ユキが泊まっていったのは激しすぎた最初の夜だけで以降は律儀にも自宅へ帰っていたのだ。
「泊まっても構わないんだが」
「……いえ、明日も仕事ですので……」
泊まっていったら一晩中してしまうのは最初の夜に証明済みだ。とりあえず、発情期の衝動が抑えられればいいといった体のユキは出来れば必要以上にセックスしたくないといった態度である。
すっ……と永瀬は目を細めると……
「そうだな、何かと不便だからユキの今のマンションは引き払いなさい」
「は………?」
「知ってのとおり、うちは部屋がたくさんある。そのうちの一つを使えばいい。荷物が多ければ二つ使っても三つ使っても構わない。この週末には発情期も終わるだろうから荷物を纏めて来なさい。」
「ま……待って下さいっ……そんなの無理……」
ベッドに寝そべっていた永瀬が起き上がると、躯から肌掛けがするりと落ちて逞しい肉体が露になった。
永瀬の長い指がユキの顎を捉えると、くっ……と上向かせて視線を捕まえられた。漆黒の瞳に見つめられると魔法でも使われたかのように動けなくなる。
「ユキ。よく聞いていたか?俺は『来なさい』と言ったんだ。君に選択の余地はない。」
「え………」
「君が病院に採用される際の履歴書、ベータとなってるね」
ぎくり、とユキの背中が強ばった。
「そして履歴書と一緒に提出が義務づけられている性別鑑定証もベータとなっていた。君に協力した医者がいるということだ」
ユキの頭の中にオメガであるため医師免許を取ったにもかかわらず就職が決まらなかった自分のために危険を承知で書類を偽造してくれた恩人の顔が過る。
「オメガということが理由で即刻クビにはならないが、書類の偽造は犯罪だ。その医師も君も医師免許剥奪ということになるだろうな」
「そ、れは脅しですか?」
「そう取ってくれて構わない」
睨むような視線を向けていたユキだが、ふと緩んだように視線が永瀬から外れて……
「僕と暮らしたってつまらないってすぐ気が付きますよ……」
諦めの吐息とともにちいさく漏らした呟きに永瀬は満足そうに笑った。
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