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…本当にそう思う?
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ルネの話はマリーにとって衝撃だった。
シャルルの唯一として愛されていると思っていた。
『…それは本当に…?』
いつぞやの鈴の声がした。
カッとなってマリーは暗闇に言い返した
「愛されていたわよ!いえ、今だって愛されているわ。今若い女に誑かされてるだけよ!」
くすくす、くすくす
子供のような笑い声が響く
『愛してるって言われたの?』
「いつだって言われてるわ!」
『…それは本当に?』くすくすくすくす
「本当よ!婚約者の時も、閨の時でも…」
…愛を囁かれたことあったかしら?
マリーはふと考えた。
大切なマリー、マリーの言うとおりにしたよ、マリーどうしたらいい…
シャルルの声が木霊する。
(…愛なんか囁かれたことない…)
閨に至っては、目が合ってなかったかもしれない。
そこに思い至って背筋が冷たくなった。
「…ルネの話は本当なの…」
弱気になりそうになって、頭を振った。
違う違う。
口に出さなくても、いつもシャルルの目はわたくしを愛しいと告げていた。
「シャルルさまはいつもわたくしを優先し、愛してくれていたわ!」
そうだ、シャルルは目で愛しさを告げていた。
ちょっと遠くを見てたことはあったが、麗しい顔は常にマリーに向けていた。
『本当に?』くすくすくすくす
鈴の音のような笑い声なのに、癇に障る。
イライラしながら部屋を歩き回っていれば、ふとルネから言われたことが脳裏に蘇った。
(「…ああ、まあ、そうだね。それは義兄上の努力…いや敬意だな…」)
ルネの呆れたような憐れむような目。
あれはどういう意味かしら?
情や努力がなければわたくしを抱けなかったということ…まさか…
先日、シャルルがアニェスに向けていた瞳を思い出した。
甘く蕩けそうな瞳。
…あんな瞳向けられたことあったかしら…
わたくしが見たいものだけを見ていただけ?
都合のよい解釈をしていただけなの?
辛くなって目を閉じる。
アニェスにわたくしの影たちが手を出せないほど外堀を固めてしまったから、取り繕うことをやめてしまったの?
『シャルルはアニェスと恋の続きをしてるの』
『あなたはシャルルの何を知ってるの?』
「幼馴染ですもの!何でも知ってるわ!」
『シャルルは何も話さないのに?』
そんなことはない!と否定したかったがふと気付いた。
…いつもシャルル様と何の話をしていたかしら?
わたくしの取り留めのない話をいつも楽しそうに聞いてくださって…
シャルル様は何かお話したかしら?
シャルルの麗しい笑顔しか浮かばない。
…まさか、どうでもいいから、適当に聞き流していた…?
否!否!否!
わたくしの中のわたくしに激しく否定する。
弱気になってはだめだ。
シャルル様は、いつもわたくしが目を逸らさないように、首を傾げて麗しい瞳で見つめてきた。
『哀れね』
『それは次の虐めのターゲットを探させないため』
『犠牲者をこれ以上出さないため』
わたくしの周りを何かがぶんぶん回りながら囀る。
ふっ
鼻で笑って、わたくしは、胸を張った。
「わたくしは、シャルル様の唯一の妃。それが誇り。その誇りは誰にも奪われない。」
そう唯一の妃
わたくしがした事を全部ご存知なら、今までも何度も廃妃のチャンスはあったはず。
それをしなかったということは…
「わたくしは愛されているわ。シャルル様はわたくしの愛を試されているだけ。」
声はいつの間にか暗闇に消えていった。
シャルルの唯一として愛されていると思っていた。
『…それは本当に…?』
いつぞやの鈴の声がした。
カッとなってマリーは暗闇に言い返した
「愛されていたわよ!いえ、今だって愛されているわ。今若い女に誑かされてるだけよ!」
くすくす、くすくす
子供のような笑い声が響く
『愛してるって言われたの?』
「いつだって言われてるわ!」
『…それは本当に?』くすくすくすくす
「本当よ!婚約者の時も、閨の時でも…」
…愛を囁かれたことあったかしら?
マリーはふと考えた。
大切なマリー、マリーの言うとおりにしたよ、マリーどうしたらいい…
シャルルの声が木霊する。
(…愛なんか囁かれたことない…)
閨に至っては、目が合ってなかったかもしれない。
そこに思い至って背筋が冷たくなった。
「…ルネの話は本当なの…」
弱気になりそうになって、頭を振った。
違う違う。
口に出さなくても、いつもシャルルの目はわたくしを愛しいと告げていた。
「シャルルさまはいつもわたくしを優先し、愛してくれていたわ!」
そうだ、シャルルは目で愛しさを告げていた。
ちょっと遠くを見てたことはあったが、麗しい顔は常にマリーに向けていた。
『本当に?』くすくすくすくす
鈴の音のような笑い声なのに、癇に障る。
イライラしながら部屋を歩き回っていれば、ふとルネから言われたことが脳裏に蘇った。
(「…ああ、まあ、そうだね。それは義兄上の努力…いや敬意だな…」)
ルネの呆れたような憐れむような目。
あれはどういう意味かしら?
情や努力がなければわたくしを抱けなかったということ…まさか…
先日、シャルルがアニェスに向けていた瞳を思い出した。
甘く蕩けそうな瞳。
…あんな瞳向けられたことあったかしら…
わたくしが見たいものだけを見ていただけ?
都合のよい解釈をしていただけなの?
辛くなって目を閉じる。
アニェスにわたくしの影たちが手を出せないほど外堀を固めてしまったから、取り繕うことをやめてしまったの?
『シャルルはアニェスと恋の続きをしてるの』
『あなたはシャルルの何を知ってるの?』
「幼馴染ですもの!何でも知ってるわ!」
『シャルルは何も話さないのに?』
そんなことはない!と否定したかったがふと気付いた。
…いつもシャルル様と何の話をしていたかしら?
わたくしの取り留めのない話をいつも楽しそうに聞いてくださって…
シャルル様は何かお話したかしら?
シャルルの麗しい笑顔しか浮かばない。
…まさか、どうでもいいから、適当に聞き流していた…?
否!否!否!
わたくしの中のわたくしに激しく否定する。
弱気になってはだめだ。
シャルル様は、いつもわたくしが目を逸らさないように、首を傾げて麗しい瞳で見つめてきた。
『哀れね』
『それは次の虐めのターゲットを探させないため』
『犠牲者をこれ以上出さないため』
わたくしの周りを何かがぶんぶん回りながら囀る。
ふっ
鼻で笑って、わたくしは、胸を張った。
「わたくしは、シャルル様の唯一の妃。それが誇り。その誇りは誰にも奪われない。」
そう唯一の妃
わたくしがした事を全部ご存知なら、今までも何度も廃妃のチャンスはあったはず。
それをしなかったということは…
「わたくしは愛されているわ。シャルル様はわたくしの愛を試されているだけ。」
声はいつの間にか暗闇に消えていった。
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