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第13章 -1st_Wナユタの世界-
†第13章† -19話-[出陣だっ‼]
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「というわけで事前告知の通り本日中に世界樹に到達次第決戦に入る予定だ。皆もほどほどに無理しつつ協力を頼むぞ」
「あー、水を差すようで悪いんだけど、もうちょいキリっとした口上は出来ないのか??」
え~。いつもの感じで流せると思ったのにセーバーめ!
仲間も増えたしリーダーシップを見せなきゃならないかもとは薄っすら考えてはいたけど、ラノベみたいな格好良い口上って気負ってしまうとそう簡単には思い付かないんだぞ。元一般人がこうしてお前らを率いている事すら頑張っているのにまだ求めるとは!
スパルタな奴め!日頃の厳しい訓練の返礼のつもりだろうか。
「————諸君!長かった霹靂のナユタとの戦いに終止符を打つ時がやって来た!
幾度も相対し幾度も生き延びられた今、我々の戦いに間違いは無かったのだと自信を持て!
仲間を失わせるな!瘴気の敵は根絶やしにしろ!それが貴様らに課せられた各国の期待、使命と知れ!
破滅の将の戦力を減らすこの好機を逃すことは許されない!殺すつもりの一撃を持って魔神族を俺の前に引き摺り出せ!この<万彩>が精剣カレイドハイリアに誓って異世界を滅ぼし我らが世界を救ってやろう!
さぁ……出陣だっ‼」
「「「「「————応っ‼」」」」」
* * * * *
「隊長、ストップです‼そこから先がナユタの領域です」
マリエルの声に反応して全員がピタリと立ち止まる。
最後のチェックポイントの時点で世界樹の根は確認出来ており初めて奥地に足を踏み入れたゼノウ達は根から想像出来る本体の大きさに驚嘆し、向こうに見える壁みたいな物が世界樹と知って新たに驚愕していた。
さらに進んだ先では視界が多少悪くても世界樹が巨大過ぎて正面の視界は全て幹に支配されその異常なまでの巨大さを全員が実感させられた。
「ゼノウ達は影別荘から出たばかりだから改めて説明するけど、ここから先はナユタの[アポーツ]の範囲になるからまだ進むなよ」
「こんなに遠くまでが範囲なんてことがあるのか?」
「ニルとマリエルが感知したから間違いない。普通では有り得ないほどの超広範囲に独自の磁界が存在している。魔法じゃなくて能力だからなのかもしれないけど異常な範囲なのは流石魔神族って感じだよ」
「ちっ!やっぱり化け物だな……で? 俺達はどうすればいいんだ?」
良識派のゼノウが代表して効果範囲に言及してくるが間違いないだろう。それに今までのナユタの動き方を考えるにこのくらい広くないと自分を引き寄せるなんて短距離で使用しても意味は無いだろうし。[アポーツ]は引き寄せ能力で敵を各個撃破するのに最適で[アスポーツ]は引き離し能力だからナイフ等を超高速で放ち遠くに居る敵を撃ち殺すことが出来る。それに磁力も関わって来るから多少目測を誤ってもナユタの腕や敵対象に引き寄せられるホーミングも掛かるから尚更回避が難しくなる。
「俺がお前達とナユタの射線を塞ぐ位置取りをしながら接近して完全に抑える。
マリエル達は自力でアポーツ対策出来るからそのままメルケルスに向かってもらう」
「ナユタ独自の磁界を乱せばアポーツは防ぐ事が出来ますから…。私達はお兄さんがナユタとの相対に入るまでは速度を調整しながら進む必要があります。道を外れれば引き寄せられて黒焦げエンドですから気を付けてくださいね」
ライナーの質問に答えた俺の回答にアルシェも補足で注意点を伝える。
単独で動くのは俺とマリエルだけで他のメンバーはアルシェを筆頭に世界樹へ向かってもらう予定なのだから引率責任者として強めに脅している。俺も今までの引き分けや撤退待ちの姿勢ではなく完全に仕留めるかアルシェ達が世界樹を破壊するまで足止めする心積もりなのだからアルシェ同様に否応なく気合いが入ってしまっている。
「《スタイルチェンジ/カレイドテラ》」
普段は純白の木剣である無属性のカレイドハイリアが俺の詠唱に反応して風雷属性特化の翠雷色の木剣へと塗り替わっていく。
無属性と違って他の属性の一閃の威力が下がってしまうがナユタの能力を封じるならば同じ属性で対抗した方が動きやすくなる。実際合体剣に含まれる風属性の生きた木剣が俺を守る為に磁界を展開してくれた。
生きた武器だと友好関係を築けていればこういう支援をくれ有利に事を運べるのだから、その身を分けてくれたグランハイリアには感謝してもしきれない。
「全員の準備が出来次第行くぞ。問題があるなら今のうちに言い出せよ」
「———問題ない様ですね」
ゼノウPTからセプテマ氏までアルシェと共に視線を巡らせた結果空気は完全に決戦に突入するものへと切り替わった。
どうせ初の試みなのだから力み過ぎも臨機応変に動けなくなりそうだし良くないかと考えて俺だけでも多少気楽な思考は残しておこうかな。アルシェ達世界樹へ向かうメンバーの報告次第で動きも決まるし、まずはナユタを抑えるところはキッチリと熟して見せよう!
「状況開始っ‼ 雷竜……!」
「走ってっ‼」
「————一閃っ‼」
ここまで近づけば魔神族達も侵入者に気付いていて殺気が俺に向けて放たれている。そのおかげである程度の方向が分かるのだからそちらに向けて妨害用の一閃をまず放ちつつ俺達もアルシェ達も同時に駆け出す。俺とマリエルは空へ、アルシェ達は世界樹へ向かう。
アルシェ達への攻撃を確実に0にするのは難しいだろうが少なくすることは出来る為ナユタの元へ急ぐ中、当然近づく俺にも攻撃の手は向けられ雷のナイフが乱れ撃ちされてくる。
「磁界のホーミングが効かないからって数撃ちすぎだろ。《ツルネ》」
全てを撃ち落とす為には集中が必要な数なので一旦停止し左手を前に突き出し指を鳴らす。
カァーーーーーンッ‼とおよそ指パッチンから生じる音とは思えぬ甲高い音をトリガーに迫る雷のナイフ群にサウンドアローが迎え撃つ。ナイフの形に収めていた雷が迎撃された事で開放され辺り一面がバリバリと電気が走って行く。
「俺好みの魔法だから改造しまくったけど一度にこの量を撃ち落とせる魔法ってやり過ぎたか?」
『魔神族を殺し得る威力ではないのですからやり過ぎという事は無いでしょう。いつまでも止まっていないでナユタを抑えに行きますよ!』
「それもそうだな!」
* * * * *
お兄さんが空の彼方に向かって雷属性の一閃を放つのに合わせて私達は走り出した。
武器が変わって今までの一閃とは異なる威力で放たれたそれを追いお兄さんが空へと飛び出しマリエルも別方向に飛び出していった。二人の向かう方向に当然魔神族が居るであろう事を想定して私達はお兄さんを盾にする様な位置取りで確実に世界樹へと近づいていく。
「《月虹!》」
射線はお兄さんが塞いで最も警戒すべき[アポーツ]は防げても超遠回りに[アスポーツ]された雷のナイフは防ぐことが出来ずメリーが掃いて強力なホーミングナイフの存在を消し去っていく。常にナユタの磁界領域という事はこんな芸当が出来てしまうのだと改めて魔神族の危険性に冷や汗を流しつつ世界樹へと向かう。
「まさか……っ!そんなことがあり得るのですかっ!?」
「集落…。いや、村か?」
ここに来て増えた雑魚敵は同行する仲間が増えたことで脅威足り得ずすぐに消え去っていく中、瘴気の視界不良が晴れた目の前に明らかに人の営みが残る場所を視認した。それは世界樹の根元。世界樹の全てが瘴気に侵されていないとはいえ流石にこんな世界で生き残りが居る事は予想だにしていなかっただけに仲間たちも絶句している。世界樹は微かな光を瘴気で視界が悪い中でも位置を示すように照らしていましたがまさかここに来て生き残りが居るのですかっ!?
「瘴気も世界樹のバリアで防がれている様ですし進みましょう。お兄さんとマリエルが時間稼ぎをしているうちに必要な情報を集めますよ」
瘴気に支配された世界の中で生活を営む人々。異世界人。
お兄さんや勇者メリオとは違うであろう価値観の人々に出会った場合、私達はどのような選択を選ぶのが最適解なのでしょうか……。
「あー、水を差すようで悪いんだけど、もうちょいキリっとした口上は出来ないのか??」
え~。いつもの感じで流せると思ったのにセーバーめ!
仲間も増えたしリーダーシップを見せなきゃならないかもとは薄っすら考えてはいたけど、ラノベみたいな格好良い口上って気負ってしまうとそう簡単には思い付かないんだぞ。元一般人がこうしてお前らを率いている事すら頑張っているのにまだ求めるとは!
スパルタな奴め!日頃の厳しい訓練の返礼のつもりだろうか。
「————諸君!長かった霹靂のナユタとの戦いに終止符を打つ時がやって来た!
幾度も相対し幾度も生き延びられた今、我々の戦いに間違いは無かったのだと自信を持て!
仲間を失わせるな!瘴気の敵は根絶やしにしろ!それが貴様らに課せられた各国の期待、使命と知れ!
破滅の将の戦力を減らすこの好機を逃すことは許されない!殺すつもりの一撃を持って魔神族を俺の前に引き摺り出せ!この<万彩>が精剣カレイドハイリアに誓って異世界を滅ぼし我らが世界を救ってやろう!
さぁ……出陣だっ‼」
「「「「「————応っ‼」」」」」
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「隊長、ストップです‼そこから先がナユタの領域です」
マリエルの声に反応して全員がピタリと立ち止まる。
最後のチェックポイントの時点で世界樹の根は確認出来ており初めて奥地に足を踏み入れたゼノウ達は根から想像出来る本体の大きさに驚嘆し、向こうに見える壁みたいな物が世界樹と知って新たに驚愕していた。
さらに進んだ先では視界が多少悪くても世界樹が巨大過ぎて正面の視界は全て幹に支配されその異常なまでの巨大さを全員が実感させられた。
「ゼノウ達は影別荘から出たばかりだから改めて説明するけど、ここから先はナユタの[アポーツ]の範囲になるからまだ進むなよ」
「こんなに遠くまでが範囲なんてことがあるのか?」
「ニルとマリエルが感知したから間違いない。普通では有り得ないほどの超広範囲に独自の磁界が存在している。魔法じゃなくて能力だからなのかもしれないけど異常な範囲なのは流石魔神族って感じだよ」
「ちっ!やっぱり化け物だな……で? 俺達はどうすればいいんだ?」
良識派のゼノウが代表して効果範囲に言及してくるが間違いないだろう。それに今までのナユタの動き方を考えるにこのくらい広くないと自分を引き寄せるなんて短距離で使用しても意味は無いだろうし。[アポーツ]は引き寄せ能力で敵を各個撃破するのに最適で[アスポーツ]は引き離し能力だからナイフ等を超高速で放ち遠くに居る敵を撃ち殺すことが出来る。それに磁力も関わって来るから多少目測を誤ってもナユタの腕や敵対象に引き寄せられるホーミングも掛かるから尚更回避が難しくなる。
「俺がお前達とナユタの射線を塞ぐ位置取りをしながら接近して完全に抑える。
マリエル達は自力でアポーツ対策出来るからそのままメルケルスに向かってもらう」
「ナユタ独自の磁界を乱せばアポーツは防ぐ事が出来ますから…。私達はお兄さんがナユタとの相対に入るまでは速度を調整しながら進む必要があります。道を外れれば引き寄せられて黒焦げエンドですから気を付けてくださいね」
ライナーの質問に答えた俺の回答にアルシェも補足で注意点を伝える。
単独で動くのは俺とマリエルだけで他のメンバーはアルシェを筆頭に世界樹へ向かってもらう予定なのだから引率責任者として強めに脅している。俺も今までの引き分けや撤退待ちの姿勢ではなく完全に仕留めるかアルシェ達が世界樹を破壊するまで足止めする心積もりなのだからアルシェ同様に否応なく気合いが入ってしまっている。
「《スタイルチェンジ/カレイドテラ》」
普段は純白の木剣である無属性のカレイドハイリアが俺の詠唱に反応して風雷属性特化の翠雷色の木剣へと塗り替わっていく。
無属性と違って他の属性の一閃の威力が下がってしまうがナユタの能力を封じるならば同じ属性で対抗した方が動きやすくなる。実際合体剣に含まれる風属性の生きた木剣が俺を守る為に磁界を展開してくれた。
生きた武器だと友好関係を築けていればこういう支援をくれ有利に事を運べるのだから、その身を分けてくれたグランハイリアには感謝してもしきれない。
「全員の準備が出来次第行くぞ。問題があるなら今のうちに言い出せよ」
「———問題ない様ですね」
ゼノウPTからセプテマ氏までアルシェと共に視線を巡らせた結果空気は完全に決戦に突入するものへと切り替わった。
どうせ初の試みなのだから力み過ぎも臨機応変に動けなくなりそうだし良くないかと考えて俺だけでも多少気楽な思考は残しておこうかな。アルシェ達世界樹へ向かうメンバーの報告次第で動きも決まるし、まずはナユタを抑えるところはキッチリと熟して見せよう!
「状況開始っ‼ 雷竜……!」
「走ってっ‼」
「————一閃っ‼」
ここまで近づけば魔神族達も侵入者に気付いていて殺気が俺に向けて放たれている。そのおかげである程度の方向が分かるのだからそちらに向けて妨害用の一閃をまず放ちつつ俺達もアルシェ達も同時に駆け出す。俺とマリエルは空へ、アルシェ達は世界樹へ向かう。
アルシェ達への攻撃を確実に0にするのは難しいだろうが少なくすることは出来る為ナユタの元へ急ぐ中、当然近づく俺にも攻撃の手は向けられ雷のナイフが乱れ撃ちされてくる。
「磁界のホーミングが効かないからって数撃ちすぎだろ。《ツルネ》」
全てを撃ち落とす為には集中が必要な数なので一旦停止し左手を前に突き出し指を鳴らす。
カァーーーーーンッ‼とおよそ指パッチンから生じる音とは思えぬ甲高い音をトリガーに迫る雷のナイフ群にサウンドアローが迎え撃つ。ナイフの形に収めていた雷が迎撃された事で開放され辺り一面がバリバリと電気が走って行く。
「俺好みの魔法だから改造しまくったけど一度にこの量を撃ち落とせる魔法ってやり過ぎたか?」
『魔神族を殺し得る威力ではないのですからやり過ぎという事は無いでしょう。いつまでも止まっていないでナユタを抑えに行きますよ!』
「それもそうだな!」
* * * * *
お兄さんが空の彼方に向かって雷属性の一閃を放つのに合わせて私達は走り出した。
武器が変わって今までの一閃とは異なる威力で放たれたそれを追いお兄さんが空へと飛び出しマリエルも別方向に飛び出していった。二人の向かう方向に当然魔神族が居るであろう事を想定して私達はお兄さんを盾にする様な位置取りで確実に世界樹へと近づいていく。
「《月虹!》」
射線はお兄さんが塞いで最も警戒すべき[アポーツ]は防げても超遠回りに[アスポーツ]された雷のナイフは防ぐことが出来ずメリーが掃いて強力なホーミングナイフの存在を消し去っていく。常にナユタの磁界領域という事はこんな芸当が出来てしまうのだと改めて魔神族の危険性に冷や汗を流しつつ世界樹へと向かう。
「まさか……っ!そんなことがあり得るのですかっ!?」
「集落…。いや、村か?」
ここに来て増えた雑魚敵は同行する仲間が増えたことで脅威足り得ずすぐに消え去っていく中、瘴気の視界不良が晴れた目の前に明らかに人の営みが残る場所を視認した。それは世界樹の根元。世界樹の全てが瘴気に侵されていないとはいえ流石にこんな世界で生き残りが居る事は予想だにしていなかっただけに仲間たちも絶句している。世界樹は微かな光を瘴気で視界が悪い中でも位置を示すように照らしていましたがまさかここに来て生き残りが居るのですかっ!?
「瘴気も世界樹のバリアで防がれている様ですし進みましょう。お兄さんとマリエルが時間稼ぎをしているうちに必要な情報を集めますよ」
瘴気に支配された世界の中で生活を営む人々。異世界人。
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