21 / 50
第21話:運命の恋人とバーナム効果
しおりを挟む
王都の社交シーズンが到来した。
夜会、舞踏会、茶会。
煌びやかなシャンデリアの下で、貴族たちは新たな娯楽と噂話に飢えていた。
そんな中、王宮で開催された大規模な夜会に、アルヴィスとリリアの姿があった。
「……空気が悪いな。香水の分子密度が高すぎて、嗅覚受容体が麻痺しそうだ」
「ふふ、我慢してくださいアルヴィス様。今日は国王陛下へのご挨拶も兼ねているのですから」
リリアは苦笑しながら、アルヴィスの腕に手を添えた。
学園での一件を経て、彼女は少しだけ背筋を伸ばして歩けるようになっていた。
周囲からの視線は相変わらず好奇に満ちているが、隣にアルヴィスがいるだけで、恐れることはないと思えた。
しかし、その平穏は、会場のざわめきと共に破られた。
「見ろ、ジェラルド殿下とイザベラ嬢だ」
「あの方、隣にいるのは……、噂の?」
人垣が割れ、ジェラルド王子とイザベラが現れた。
学園での敗走から数週間。
イザベラは憔悴しているかと思いきや、以前にも増して自信満々な笑みを浮かべていた。
そして二人の背後には、黒いベールを被った怪しげな老女が控えていた。
「ごきげんよう、リリアさん。それに辺境伯様」
イザベラは優雅に扇子を開き、二人を見下ろした。
「学園では少し取り乱してしまいましたが……、わたくし、真実に気づきましたの。論理だの科学だの、そんなちっぽけな理屈では説明できない大いなる力が、この世にはあると」
「……大いなる力?」
アルヴィスが眉をひそめる。
「ええ。ご紹介しますわ。こちらは稀代の予言者、マダム・ステラです。彼女の占星術は百発百中。彼女が告げたのです。私とジェラルド様こそが、星々に祝福された運命の恋人であると!」
イザベラが宣言すると、マダム・ステラと呼ばれた老女が厳かに進み出た。
「……星が見えます。お二人の星は、太古より結ばれる運命にあったのです。しかし、そこに邪悪な闇の星が割り込んでいる……」
老婆の枯れ木のような指が、リリアを指した。
「そこの娘。お前だ。お前が運命を阻む異分子だ。お前がいる限り、この国に災いが降りかかるであろう」
会場がどよめいた。「災いだって?」「やっぱりあの娘は疫病神なのか」と、不安げな囁きが広がる。
ジェラルド王子がリリアを睨みつけた。
「聞いたか、リリア! 俺がイザベラに惹かれたのは浮気心などではない。星が定めた不可抗力だったのだ! 運命には逆らえない。お前との婚約破棄も、宇宙の摂理だったということだ!」
なるほど、とリリアは思った。
自分たちの不貞や身勝手を正当化するために、運命という免罪符を手に入れたのだ。
リリアが反論しようとした時、隣で「くっ、くくく……」という押し殺した笑い声が聞こえた。
もちろん、それはアルヴィスだった。
彼は肩を震わせ、眼鏡を外して涙を拭っている。
「宇宙の摂理……? 傑作だ。非論理的すぎて、腹筋が崩壊するかと思った」
「なっ、何がおかしい!」
アルヴィスは眼鏡をかけ直し、冷徹な瞳で王子たちを見据えた。
「殿下。あなたが運命と呼んで喜んでいるその現象だが、動物行動学的にはただの鳩の迷信行動に過ぎない」
「は、鳩……?」
「とある心理学者の実験だ。箱に入れた鳩に、何の関係もなくランダムに餌を与え続けると、鳩はどうなると思う? 『首を振ったら餌が出た』『回ったら出た』と勝手に勘違いし、餌を出すために無意味な儀式(ダンス)を繰り返すようになる」
アルヴィスはイザベラたちを指差した。
「君たちにたまたま良いことが起きたのを、その占い師が『私が祈ったからだ』と後付けで結びつけただけだ。君たちがやっている運命の信奉は、餌欲しさに首を振る鳩のダンスと何ら変わらない。知性の欠如した動物的学習のエラーだ」
「うう……! 無礼な! マダムの力は本物よ!」
イザベラが叫ぶと、マダム・ステラが不気味に笑った。
「ふふふ……、若造が。私の力、試してみるかね? そこの娘、リリアと言ったか。私にはお前の心が見えるよ」
老婆はリリアの顔を覗き込み、低い声で語りかけた。
「お前は外見は穏やかだが、内心では誰にも言えない不安や寂しさを抱えているね?」
「えっ……」
「人から好かれたいと願っているが、同時に人間関係に疲れを感じることもある。……そうだね?」
「は、はい。そうです……」
リリアはドキリとした。
当たっている。
確かに最近、強がってはいるけれど、不安がないわけではない。
老婆は勝ち誇ったように言った。
「そしてお前には、まだ発揮されていない眠れる才能がある。……どうだ、図星だろう!」
周囲の貴族たちが「おおっ」「当たっているようだぞ」「やはり本物か」とざわめく。
リリアも動揺した。
どうしてわかるの……?
だが、アルヴィスは涼しい顔で拍手をした。
「素晴らしい。教科書通りのバーナム効果(フォアラー効果)の実演だ」
「ばーなむ……?」
「誰にでも当てはまる曖昧な事柄を、自分だけに当てはまる特別なものだと錯覚してしまう心理現象だ」
アルヴィスは会場の貴族たちに向かって声を張り上げた。
「諸君、手を挙げてくれ。自分は内心、不安や寂しさを抱えていると思う者は?」
ざっ、と会場のほぼ全員が手を挙げた。
「では、人から好かれたいと思う者は? 自分にはまだ発揮していない才能があると信じている者は?」
再び、全員の手が挙がる。
「見ろ。これが答えだ」
アルヴィスはリリアの肩を抱き、老婆を見下ろした。
「誰にも言えない不安、眠れる才能……、そんなものは人間なら誰でも持っている普遍的な悩みだ。君はこの老婆の言葉が自分だけの真実だと感じたかもしれないが、それはこの会場にいる全員に当てはまるテンプレートに過ぎない」
アルヴィスは老婆に詰め寄った。
「お前の占いは予言ではない。誰にでも合うサイズの服を、あなただけのために仕立てたと偽って売りつける詐欺の手口だ」
「な、なにいっ……!」
老婆が狼狽える。
「リリア。君の心が読まれたのではない。君の脳が、曖昧な情報を自分都合で補完(解釈)しただけだ。……自分の心を、そんな安っぽい言葉で定義させるな」
「……っ、はい!」
リリアはハッとした。
言われてみればそうだ。
誰にでも当てはまることを言われて、勝手に自分のことだと思い込んでいただけだった。
「お、おのれ……! ならば予言しよう! 近いうちに必ず、お前たちに不幸が訪れる!」
老婆が捨て台詞を吐くが、アルヴィスは鼻で笑った。
「『近いうちに不幸が訪れる』? それもバーナム効果だ。人生に不幸など日常茶飯事だ。明日私がコーヒーをこぼしても、お前は『予言が当たった』と言うつもりだろう?」
論理の刃で切り刻まれた運命と予言。
イザベラとジェラルドは、運命の恋人という看板に泥を塗られ、顔を真っ赤にして立ち尽くすしかなかった。
しかし、老婆の目はまだ死んでいなかった。
「……フン。次はこうはいかないよ。星は絶対なのだからね」
不穏な言葉を残し、老婆は闇に消えた。
アルヴィスは目を細めた。
「……非論理的な敵ほど、駆除に手間取るな」
社交界に蔓延るオカルトとの戦いは、まだ始まったばかりだった。
夜会、舞踏会、茶会。
煌びやかなシャンデリアの下で、貴族たちは新たな娯楽と噂話に飢えていた。
そんな中、王宮で開催された大規模な夜会に、アルヴィスとリリアの姿があった。
「……空気が悪いな。香水の分子密度が高すぎて、嗅覚受容体が麻痺しそうだ」
「ふふ、我慢してくださいアルヴィス様。今日は国王陛下へのご挨拶も兼ねているのですから」
リリアは苦笑しながら、アルヴィスの腕に手を添えた。
学園での一件を経て、彼女は少しだけ背筋を伸ばして歩けるようになっていた。
周囲からの視線は相変わらず好奇に満ちているが、隣にアルヴィスがいるだけで、恐れることはないと思えた。
しかし、その平穏は、会場のざわめきと共に破られた。
「見ろ、ジェラルド殿下とイザベラ嬢だ」
「あの方、隣にいるのは……、噂の?」
人垣が割れ、ジェラルド王子とイザベラが現れた。
学園での敗走から数週間。
イザベラは憔悴しているかと思いきや、以前にも増して自信満々な笑みを浮かべていた。
そして二人の背後には、黒いベールを被った怪しげな老女が控えていた。
「ごきげんよう、リリアさん。それに辺境伯様」
イザベラは優雅に扇子を開き、二人を見下ろした。
「学園では少し取り乱してしまいましたが……、わたくし、真実に気づきましたの。論理だの科学だの、そんなちっぽけな理屈では説明できない大いなる力が、この世にはあると」
「……大いなる力?」
アルヴィスが眉をひそめる。
「ええ。ご紹介しますわ。こちらは稀代の予言者、マダム・ステラです。彼女の占星術は百発百中。彼女が告げたのです。私とジェラルド様こそが、星々に祝福された運命の恋人であると!」
イザベラが宣言すると、マダム・ステラと呼ばれた老女が厳かに進み出た。
「……星が見えます。お二人の星は、太古より結ばれる運命にあったのです。しかし、そこに邪悪な闇の星が割り込んでいる……」
老婆の枯れ木のような指が、リリアを指した。
「そこの娘。お前だ。お前が運命を阻む異分子だ。お前がいる限り、この国に災いが降りかかるであろう」
会場がどよめいた。「災いだって?」「やっぱりあの娘は疫病神なのか」と、不安げな囁きが広がる。
ジェラルド王子がリリアを睨みつけた。
「聞いたか、リリア! 俺がイザベラに惹かれたのは浮気心などではない。星が定めた不可抗力だったのだ! 運命には逆らえない。お前との婚約破棄も、宇宙の摂理だったということだ!」
なるほど、とリリアは思った。
自分たちの不貞や身勝手を正当化するために、運命という免罪符を手に入れたのだ。
リリアが反論しようとした時、隣で「くっ、くくく……」という押し殺した笑い声が聞こえた。
もちろん、それはアルヴィスだった。
彼は肩を震わせ、眼鏡を外して涙を拭っている。
「宇宙の摂理……? 傑作だ。非論理的すぎて、腹筋が崩壊するかと思った」
「なっ、何がおかしい!」
アルヴィスは眼鏡をかけ直し、冷徹な瞳で王子たちを見据えた。
「殿下。あなたが運命と呼んで喜んでいるその現象だが、動物行動学的にはただの鳩の迷信行動に過ぎない」
「は、鳩……?」
「とある心理学者の実験だ。箱に入れた鳩に、何の関係もなくランダムに餌を与え続けると、鳩はどうなると思う? 『首を振ったら餌が出た』『回ったら出た』と勝手に勘違いし、餌を出すために無意味な儀式(ダンス)を繰り返すようになる」
アルヴィスはイザベラたちを指差した。
「君たちにたまたま良いことが起きたのを、その占い師が『私が祈ったからだ』と後付けで結びつけただけだ。君たちがやっている運命の信奉は、餌欲しさに首を振る鳩のダンスと何ら変わらない。知性の欠如した動物的学習のエラーだ」
「うう……! 無礼な! マダムの力は本物よ!」
イザベラが叫ぶと、マダム・ステラが不気味に笑った。
「ふふふ……、若造が。私の力、試してみるかね? そこの娘、リリアと言ったか。私にはお前の心が見えるよ」
老婆はリリアの顔を覗き込み、低い声で語りかけた。
「お前は外見は穏やかだが、内心では誰にも言えない不安や寂しさを抱えているね?」
「えっ……」
「人から好かれたいと願っているが、同時に人間関係に疲れを感じることもある。……そうだね?」
「は、はい。そうです……」
リリアはドキリとした。
当たっている。
確かに最近、強がってはいるけれど、不安がないわけではない。
老婆は勝ち誇ったように言った。
「そしてお前には、まだ発揮されていない眠れる才能がある。……どうだ、図星だろう!」
周囲の貴族たちが「おおっ」「当たっているようだぞ」「やはり本物か」とざわめく。
リリアも動揺した。
どうしてわかるの……?
だが、アルヴィスは涼しい顔で拍手をした。
「素晴らしい。教科書通りのバーナム効果(フォアラー効果)の実演だ」
「ばーなむ……?」
「誰にでも当てはまる曖昧な事柄を、自分だけに当てはまる特別なものだと錯覚してしまう心理現象だ」
アルヴィスは会場の貴族たちに向かって声を張り上げた。
「諸君、手を挙げてくれ。自分は内心、不安や寂しさを抱えていると思う者は?」
ざっ、と会場のほぼ全員が手を挙げた。
「では、人から好かれたいと思う者は? 自分にはまだ発揮していない才能があると信じている者は?」
再び、全員の手が挙がる。
「見ろ。これが答えだ」
アルヴィスはリリアの肩を抱き、老婆を見下ろした。
「誰にも言えない不安、眠れる才能……、そんなものは人間なら誰でも持っている普遍的な悩みだ。君はこの老婆の言葉が自分だけの真実だと感じたかもしれないが、それはこの会場にいる全員に当てはまるテンプレートに過ぎない」
アルヴィスは老婆に詰め寄った。
「お前の占いは予言ではない。誰にでも合うサイズの服を、あなただけのために仕立てたと偽って売りつける詐欺の手口だ」
「な、なにいっ……!」
老婆が狼狽える。
「リリア。君の心が読まれたのではない。君の脳が、曖昧な情報を自分都合で補完(解釈)しただけだ。……自分の心を、そんな安っぽい言葉で定義させるな」
「……っ、はい!」
リリアはハッとした。
言われてみればそうだ。
誰にでも当てはまることを言われて、勝手に自分のことだと思い込んでいただけだった。
「お、おのれ……! ならば予言しよう! 近いうちに必ず、お前たちに不幸が訪れる!」
老婆が捨て台詞を吐くが、アルヴィスは鼻で笑った。
「『近いうちに不幸が訪れる』? それもバーナム効果だ。人生に不幸など日常茶飯事だ。明日私がコーヒーをこぼしても、お前は『予言が当たった』と言うつもりだろう?」
論理の刃で切り刻まれた運命と予言。
イザベラとジェラルドは、運命の恋人という看板に泥を塗られ、顔を真っ赤にして立ち尽くすしかなかった。
しかし、老婆の目はまだ死んでいなかった。
「……フン。次はこうはいかないよ。星は絶対なのだからね」
不穏な言葉を残し、老婆は闇に消えた。
アルヴィスは目を細めた。
「……非論理的な敵ほど、駆除に手間取るな」
社交界に蔓延るオカルトとの戦いは、まだ始まったばかりだった。
18
あなたにおすすめの小説
【完結】追放された私、宮廷楽師になったら最強騎士に溺愛されました
er
恋愛
両親を亡くし、叔父に引き取られたクレアは、義妹ペトラに全てを奪われ虐げられていた。
宮廷楽師選考会への出場も拒まれ、老商人との結婚を強要される。
絶望の中、クレアは母から受け継いだ「音花の恵み」——音楽を物質化する力——を使い、家を飛び出す。
近衛騎士団隊長アーロンに助けられ、彼の助けもあり選考会に参加。首席合格を果たし、叔父と義妹を見返す。クレアは王室専属楽師として、アーロンと共に新たな人生を歩み始める。
婚活をがんばる枯葉令嬢は薔薇狼の執着にきづかない~なんで溺愛されてるの!?~
白井
恋愛
「我が伯爵家に貴様は相応しくない! 婚約は解消させてもらう」
枯葉のような地味な容姿が原因で家族から疎まれ、婚約者を姉に奪われたステラ。
土下座を強要され自分が悪いと納得しようとしたその時、謎の美形が跪いて手に口づけをする。
「美しき我が光……。やっと、お会いできましたね」
あなた誰!?
やたら綺麗な怪しい男から逃げようとするが、彼の執着は枯葉令嬢ステラの想像以上だった!
虐げられていた令嬢が男の正体を知り、幸せになる話。
婚約破棄されたので田舎で猫と暮らします
たくわん
恋愛
社交界の華と謳われた伯爵令嬢セレスティアは、王太子から「完璧すぎて息が詰まる」と婚約破棄を告げられる。傷心のまま逃げるように向かったのは、亡き祖母が遺した田舎の小さな屋敷だった。
荒れ果てた屋敷、慣れない一人暮らし、そして庭に住みついた五匹の野良猫たち。途方に暮れるセレスティアの隣には、無愛想で人嫌いな青年医師・ノアが暮らしていた。
「この猫に構うな。人間嫌いだから」
冷たく突き放すノアだが、捨て猫を保護し、傷ついた動物を治療する彼の本当の姿を知るうちに、セレスティアの心は少しずつ惹かれていく。
猫の世話を通じて近づく二人。やがて明かされるノアの過去と、王都から届く縁談の催促。「完璧な令嬢」を脱ぎ捨てた先に待つ、本当の自分と本当の恋——。
オッドアイの伯爵令嬢、姉の代わりに嫁ぐことになる~私の結婚相手は、青血閣下と言われている恐ろしい公爵様。でも実は、とっても優しいお方でした~
夏芽空
恋愛
両親から虐げられている伯爵令嬢のアリシア。
ある日、父から契約結婚をしろと言い渡される。
嫁ぎ先は、病死してしまった姉が嫁ぐ予定の公爵家だった。
早い話が、姉の代わりに嫁いでこい、とそういうことだ。
結婚相手のルシルは、人格に難があるともっぱらの噂。
他人に対してどこまでも厳しく、これまでに心を壊された人間が大勢いるとか。
赤い血が通っているとは思えない冷酷非道なその所業から、青血閣下、という悪名がついている。
そんな恐ろしい相手と契約結婚することになってしまったアリシア。
でも実際の彼は、聞いていた噂とは全然違う優しい人物だった。
真面目くさった女はいらないと婚約破棄された伯爵令嬢ですが、王太子様に求婚されました。実はかわいい彼の溺愛っぷりに困っています
綾森れん
恋愛
「リラ・プリマヴェーラ、お前と交わした婚約を破棄させてもらう!」
公爵家主催の夜会にて、リラ・プリマヴェーラ伯爵令嬢はグイード・ブライデン公爵令息から言い渡された。
「お前のような真面目くさった女はいらない!」
ギャンブルに財産を賭ける婚約者の姿に公爵家の将来を憂いたリラは、彼をいさめたのだが逆恨みされて婚約破棄されてしまったのだ。
リラとグイードの婚約は政略結婚であり、そこに愛はなかった。リラは今でも7歳のころ茶会で出会ったアルベルト王子の優しさと可愛らしさを覚えていた。しかしアルベルト王子はそのすぐあとに、毒殺されてしまった。
夜会で恥をさらし、居場所を失った彼女を救ったのは、美しい青年歌手アルカンジェロだった。
心優しいアルカンジェロに惹かれていくリラだが、彼は高い声を保つため、少年時代に残酷な手術を受けた「カストラート(去勢歌手)」と呼ばれる存在。教会は、子孫を残せない彼らに結婚を禁じていた。
禁断の恋に悩むリラのもとへ、父親が新たな婚約話をもってくる。相手の男性は親子ほども歳の離れた下級貴族で子だくさん。数年前に妻を亡くし、後妻に入ってくれる女性を探しているという、悪い条件の相手だった。
望まぬ婚姻を強いられ未来に希望を持てなくなったリラは、アルカンジェロと二人、教会の勢力が及ばない国外へ逃げ出す計画を立てる。
仮面舞踏会の夜、二人の愛は通じ合い、結ばれる。だがアルカンジェロが自身の秘密を打ち明けた。彼の正体は歌手などではなく、十年前に毒殺されたはずのアルベルト王子その人だった。
しかし再び、王権転覆を狙う暗殺者が迫りくる。
これは、愛し合うリラとアルベルト王子が二人で幸せをつかむまでの物語である。
【完結】廃墟送りの悪役令嬢、大陸一の都市を爆誕させる~冷酷伯爵の溺愛も限界突破しています~
遠野エン
恋愛
王太子から理不尽な婚約破棄を突きつけられた伯爵令嬢ルティア。聖女であるライバルの策略で「悪女」の烙印を押され、すべてを奪われた彼女が追放された先は荒れ果てた「廃墟の街」。人生のどん底――かと思いきや、ルティアは不敵に微笑んだ。
「問題が山積み? つまり、改善の余地(チャンス)しかありませんわ!」
彼女には前世で凄腕【経営コンサルタント】だった知識が眠っていた。
瓦礫を資材に変えてインフラ整備、ゴロツキたちを警備隊として雇用、嫌われ者のキノコや雑草(?)を名物料理「キノコスープ」や「うどん」に変えて大ヒット!
彼女の手腕によって、死んだ街は瞬く間に大陸随一の活気あふれる自由交易都市へと変貌を遂げる!
その姿に、当初彼女を蔑んでいた冷酷伯爵シオンの心も次第に溶かされていき…。
一方、ルティアを追放した王国は経済が破綻し、崩壊寸前。焦った元婚約者の王太子がやってくるが、幸せな市民と最愛の伯爵に守られた彼女にもう死角なんてない――――。
知恵と才覚で運命を切り拓く、痛快逆転サクセス&シンデレラストーリー、ここに開幕!
聖獣使い唯一の末裔である私は追放されたので、命の恩人の牧場に尽力します。~お願いですから帰ってきてください?はて?~
雪丸
恋愛
【あらすじ】
聖獣使い唯一の末裔としてキルベキア王国に従事していた主人公”アメリア・オルコット”は、聖獣に関する重大な事実を黙っていた裏切り者として国外追放と婚約破棄を言い渡された。
追放されたアメリアは、キルベキア王国と隣の大国ラルヴァクナ王国の間にある森を彷徨い、一度は死を覚悟した。
そんな中、ブランディという牧場経営者一家に拾われ、人の温かさに触れて、彼らのために尽力することを心の底から誓う。
「もう恋愛はいいや。私はブランディ牧場に骨を埋めるって決めたんだ。」
「羊もふもふ!猫吸いうはうは!楽しい!楽しい!」
「え?この国の王子なんて聞いてないです…。」
命の恩人の牧場に尽力すると決めた、アメリアの第二の人生の行く末はいかに?
◇◇◇
小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
カクヨムにて先行公開中(敬称略)
傍若無人な姉の代わりに働かされていた妹、辺境領地に左遷されたと思ったら待っていたのは王子様でした!? ~無自覚天才錬金術師の辺境街づくり~
日之影ソラ
恋愛
【新作連載スタート!!】
https://ncode.syosetu.com/n1741iq/
https://www.alphapolis.co.jp/novel/516811515/430858199
【小説家になろうで先行公開中】
https://ncode.syosetu.com/n0091ip/
働かずパーティーに参加したり、男と遊んでばかりいる姉の代わりに宮廷で錬金術師として働き続けていた妹のルミナ。両親も、姉も、婚約者すら頼れない。一人で孤独に耐えながら、日夜働いていた彼女に対して、婚約者から突然の婚約破棄と、辺境への転属を告げられる。
地位も婚約者も失ってさぞ悲しむと期待した彼らが見たのは、あっさりと受け入れて荷造りを始めるルミナの姿で……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる