28 / 66
第一章
28 終幕
しおりを挟む
砂煙が晴れる、その中央には――。
さっきまで立っていたはずの将軍に、馬乗りになった蒼龍の姿があった。
その剣先は、将軍の喉元にしっかり当てられ、もうその勝敗を疑う者は誰もいない。
将軍の二太刀目。
倒された――そう見えた瞬間、蒼龍は将軍の想定より半歩多く、敢えて左へ動いて倒れ込んだ。
次の刹那、蒼龍の剣は、わずかに浮いた将軍の左足を狙って突いたのだ。
「ま……、参りました」
がっくりとうなだれた将軍から、蒼龍の身体がゆっくり離れると――。
「勝ったぞーーッ!」
剣を天に突き上げて、高らかに勝ち鬨を上げた。
それに呼応して、歓声が一気に爆ぜた。
ボロボロの姿のまま、声援に手を振り応じる蒼龍。それに数分遅れ、将軍が痛めた膝を庇いながら立ち上がろうと剣を突いていた。
「さあ、樊将軍」
蒼龍がその手を取って助けると、声援は一段と大きくなった。
師弟の二人は握手を交わし、抱き合った。
その姿に、客席からはため息が漏れる――。その陰で、蒼龍は樊将軍にそっと囁いた。
「樊、父帝などのために、早まった真似をするな。お前の娘と孫は奴から絶対に解放させる。だから……次こそは俺を助けてくれるな」
「皇子よ」
肩を落とし俯いていた樊将軍は、蒼龍と目を合わせると、熱く瞳を潤ませた。
「ええ、必ずや……!」
将軍の胸の奥で何かが解けた瞬間だった。
それから、蒼龍は将軍からゆっくりと身体を離すと、玉座に向かって大声で叫んだ。
「親父ー、約束だぞー! 小蘭を寄こせ。彼女を早くそこから下ろせ」
わずかに間をおいて、太く低い皇帝の声が返ってきた。
わなわなと怒りに震えた声が、会場にこだまする。
「分かっておる、朕は約束を違えぬ。……勝者、蒼龍!」
言いながら、右手を上げて振り下ろすと、宙吊りの檻がそろりそろりと下ろされてゆく。いつの間にか蟲の穴は布で覆われ、最初からなかったもののように隠されている。
(小蘭、よかった)
それを見て、ようやく蒼龍はふうっと安堵の息を吐いた。そして再び観客に向き直ると、顔を上げて再び高らかな声援に応えた。
その背中に、覇皇帝の凍るような視線が突き刺さる。皇帝は、密かに顔を歪ませると、小さく舌打ちをした。
さて、全ての試合が終わり、精一杯戦ってきた戦士たちには、褒章が授与される。
凱旋の壇上に名が順に呼ばれ、戦士たちが一列に並んでいく。
不戦勝に終わった孫岳が呼ばれると、観客席が大いに湧いたが――
決勝を戦えなかった彼の口元は硬く引き結ばれ、賞金を受け取る段にはわずかに首筋がこわばっていた。
そして、今大会最大の主役は、何といっても樊将軍と死闘を繰り広げた皇子、蒼龍。
最後に彼が、樊将軍とふたり並んで登場すると、会場には割れんばかりの拍手が起こった。
満を持して、玉座から皇帝と皇后が降り立った。
一列に並んだ入賞者は一斉に膝を折り臣下の礼をとる。褒章とともに、覇皇帝の御言葉を賜るのだ。
「さて、今年も各国の戦士達が一堂に会し、この儀を催すことができたわけだが」
覇皇帝は、会場全体を見上げた。
「皆が、素晴らしい戦いを繰り広げてくれたことに礼をいう。ご苦労であった。こと、優勝した孫岳良の戦いぶりは見事なものであった」
決勝を戦えなかった孫岳良は仏頂面のまま、一礼をした。
「また、健闘を重ねた戦士たちには今後、夏国兵としてその力、余の国のために発揮することを願う。これからも成果に慢心することなく、努力を継続してもらいたい。それから……」
皇帝は、列の真ん中に居る蒼龍のほうへ顔を向けた。
「蒼龍よ、よくやった。朕も父親として鼻が高い」
「ありがたき幸せ」
深々と臣下の礼を取る蒼龍から、皇帝は樊将軍に目を移した。
「そして、樊将軍。朕の息子をよくぞここまで一人前にしてくれたな、父親として礼をいうぞ」
「はっ」
一瞬、将軍は何か言いたげにためらったが、すぐにやめた。その様子を見て皇帝が唇を歪める。
「そうそう、城内でそなたの娘と孫が帰りを待っておるぞ。お前の怪我を心配しておるようだから、早く顔を見せてやるがよい」
「は……あ、ありがたき……」
樊将軍の厳しい表情が、その一瞬だけ崩れた。武人としてでなく、泣いているかのような、笑っているかのような好々爺の顔が垣間見えた。
(樊将軍のほうも、ひとまず安心だ)
蒼龍は、フウッと大きく息を吐いた。
「さて、これにて……」
「待てよ親父、約束だぞ」
「はて、何だったかな」
「親父!」
わざとらしく終わろうとする皇帝を蒼龍が一睨みすると、皇帝は髭を扱きつつ嗤った。
「おうおう、そうだった、忘れておったわ。衛兵!」
皇帝が声を上げると、2人の衛兵に両肩を担がれて、よろめきながら小蘭が現れた。
「蒼龍……」
「小蘭!」
ふらつく足で、少しでも速く歩こうと前のめりに蒼龍のもとへ駆け寄ってくる小蘭。
「あっ、はは」
蒼龍の顔を見るなり、小蘭の顔は花のように綻んだ。
「何その姿。蒼龍、ボロボロじゃない」
「なんだ、小蘭こそ、フラフラじゃないか」
その憎まれ口に反して、ふたりの顔は喜びに満ちている。
蒼龍は、観客に振っていた手をゆっくり下ろすと、それをそのまま、彼女のほうへ差し伸べた。
「おいで、小蘭」
「うん……!」
小蘭が、元気よく手を差し出すと、
「きゃっ……!」
蒼龍はぐいとその手を引き寄せ、ひょいと横抱きに抱いてしまった。
「お帰り、小蘭」
「ち、ちょっとやめてよ、皆見てる――!」
「ふふっ、そう照れるなよ、皆に見せたいんだ、未来の我が妻を」
「つ……、照れてない! 歩けるから離してっ」
「まあまあ、今日くらいは。な?」
羞恥のあまり、蒼龍の腕からもがき出ようと小蘭が苦心している、その横では。
「……もどるぞ」
「しかし我が君。まだ、終幕の宣言が」
「朕は疲れた。――ふん、下らぬ茶番よ」
覇皇帝が、くるりと皆に背を向けた。両隣の皇妃達がその後に静かに従って――皇帝は会場を去った。
それを尻目に蒼龍は、もう一度、その勝利を誇るがごとく彼女を高く掲げると、
わああああああっ、おめでと~!
嫌ぁ、やめて皇子様ぁぁっ。
観客席からは、ほんの少しだけ悲鳴の混じった歓声が起こった。
「……まあ、そ、それもそうね。でも、今日だけだからね」
「はいはい、やっと素直になったな。さあ、お姫様。皆に笑顔を――!」
割れんばかりの歓声に、小蘭の頬にもぱっと紅が差して。
小蘭もまた、はち切れそうな笑顔を向け、いつまでも手を振るのだった。
非の打ち所ない勝利と祝福――そのなかで、背後の玉座だけが、ぽつりと空いた空白のように浮いていた。
さっきまで立っていたはずの将軍に、馬乗りになった蒼龍の姿があった。
その剣先は、将軍の喉元にしっかり当てられ、もうその勝敗を疑う者は誰もいない。
将軍の二太刀目。
倒された――そう見えた瞬間、蒼龍は将軍の想定より半歩多く、敢えて左へ動いて倒れ込んだ。
次の刹那、蒼龍の剣は、わずかに浮いた将軍の左足を狙って突いたのだ。
「ま……、参りました」
がっくりとうなだれた将軍から、蒼龍の身体がゆっくり離れると――。
「勝ったぞーーッ!」
剣を天に突き上げて、高らかに勝ち鬨を上げた。
それに呼応して、歓声が一気に爆ぜた。
ボロボロの姿のまま、声援に手を振り応じる蒼龍。それに数分遅れ、将軍が痛めた膝を庇いながら立ち上がろうと剣を突いていた。
「さあ、樊将軍」
蒼龍がその手を取って助けると、声援は一段と大きくなった。
師弟の二人は握手を交わし、抱き合った。
その姿に、客席からはため息が漏れる――。その陰で、蒼龍は樊将軍にそっと囁いた。
「樊、父帝などのために、早まった真似をするな。お前の娘と孫は奴から絶対に解放させる。だから……次こそは俺を助けてくれるな」
「皇子よ」
肩を落とし俯いていた樊将軍は、蒼龍と目を合わせると、熱く瞳を潤ませた。
「ええ、必ずや……!」
将軍の胸の奥で何かが解けた瞬間だった。
それから、蒼龍は将軍からゆっくりと身体を離すと、玉座に向かって大声で叫んだ。
「親父ー、約束だぞー! 小蘭を寄こせ。彼女を早くそこから下ろせ」
わずかに間をおいて、太く低い皇帝の声が返ってきた。
わなわなと怒りに震えた声が、会場にこだまする。
「分かっておる、朕は約束を違えぬ。……勝者、蒼龍!」
言いながら、右手を上げて振り下ろすと、宙吊りの檻がそろりそろりと下ろされてゆく。いつの間にか蟲の穴は布で覆われ、最初からなかったもののように隠されている。
(小蘭、よかった)
それを見て、ようやく蒼龍はふうっと安堵の息を吐いた。そして再び観客に向き直ると、顔を上げて再び高らかな声援に応えた。
その背中に、覇皇帝の凍るような視線が突き刺さる。皇帝は、密かに顔を歪ませると、小さく舌打ちをした。
さて、全ての試合が終わり、精一杯戦ってきた戦士たちには、褒章が授与される。
凱旋の壇上に名が順に呼ばれ、戦士たちが一列に並んでいく。
不戦勝に終わった孫岳が呼ばれると、観客席が大いに湧いたが――
決勝を戦えなかった彼の口元は硬く引き結ばれ、賞金を受け取る段にはわずかに首筋がこわばっていた。
そして、今大会最大の主役は、何といっても樊将軍と死闘を繰り広げた皇子、蒼龍。
最後に彼が、樊将軍とふたり並んで登場すると、会場には割れんばかりの拍手が起こった。
満を持して、玉座から皇帝と皇后が降り立った。
一列に並んだ入賞者は一斉に膝を折り臣下の礼をとる。褒章とともに、覇皇帝の御言葉を賜るのだ。
「さて、今年も各国の戦士達が一堂に会し、この儀を催すことができたわけだが」
覇皇帝は、会場全体を見上げた。
「皆が、素晴らしい戦いを繰り広げてくれたことに礼をいう。ご苦労であった。こと、優勝した孫岳良の戦いぶりは見事なものであった」
決勝を戦えなかった孫岳良は仏頂面のまま、一礼をした。
「また、健闘を重ねた戦士たちには今後、夏国兵としてその力、余の国のために発揮することを願う。これからも成果に慢心することなく、努力を継続してもらいたい。それから……」
皇帝は、列の真ん中に居る蒼龍のほうへ顔を向けた。
「蒼龍よ、よくやった。朕も父親として鼻が高い」
「ありがたき幸せ」
深々と臣下の礼を取る蒼龍から、皇帝は樊将軍に目を移した。
「そして、樊将軍。朕の息子をよくぞここまで一人前にしてくれたな、父親として礼をいうぞ」
「はっ」
一瞬、将軍は何か言いたげにためらったが、すぐにやめた。その様子を見て皇帝が唇を歪める。
「そうそう、城内でそなたの娘と孫が帰りを待っておるぞ。お前の怪我を心配しておるようだから、早く顔を見せてやるがよい」
「は……あ、ありがたき……」
樊将軍の厳しい表情が、その一瞬だけ崩れた。武人としてでなく、泣いているかのような、笑っているかのような好々爺の顔が垣間見えた。
(樊将軍のほうも、ひとまず安心だ)
蒼龍は、フウッと大きく息を吐いた。
「さて、これにて……」
「待てよ親父、約束だぞ」
「はて、何だったかな」
「親父!」
わざとらしく終わろうとする皇帝を蒼龍が一睨みすると、皇帝は髭を扱きつつ嗤った。
「おうおう、そうだった、忘れておったわ。衛兵!」
皇帝が声を上げると、2人の衛兵に両肩を担がれて、よろめきながら小蘭が現れた。
「蒼龍……」
「小蘭!」
ふらつく足で、少しでも速く歩こうと前のめりに蒼龍のもとへ駆け寄ってくる小蘭。
「あっ、はは」
蒼龍の顔を見るなり、小蘭の顔は花のように綻んだ。
「何その姿。蒼龍、ボロボロじゃない」
「なんだ、小蘭こそ、フラフラじゃないか」
その憎まれ口に反して、ふたりの顔は喜びに満ちている。
蒼龍は、観客に振っていた手をゆっくり下ろすと、それをそのまま、彼女のほうへ差し伸べた。
「おいで、小蘭」
「うん……!」
小蘭が、元気よく手を差し出すと、
「きゃっ……!」
蒼龍はぐいとその手を引き寄せ、ひょいと横抱きに抱いてしまった。
「お帰り、小蘭」
「ち、ちょっとやめてよ、皆見てる――!」
「ふふっ、そう照れるなよ、皆に見せたいんだ、未来の我が妻を」
「つ……、照れてない! 歩けるから離してっ」
「まあまあ、今日くらいは。な?」
羞恥のあまり、蒼龍の腕からもがき出ようと小蘭が苦心している、その横では。
「……もどるぞ」
「しかし我が君。まだ、終幕の宣言が」
「朕は疲れた。――ふん、下らぬ茶番よ」
覇皇帝が、くるりと皆に背を向けた。両隣の皇妃達がその後に静かに従って――皇帝は会場を去った。
それを尻目に蒼龍は、もう一度、その勝利を誇るがごとく彼女を高く掲げると、
わああああああっ、おめでと~!
嫌ぁ、やめて皇子様ぁぁっ。
観客席からは、ほんの少しだけ悲鳴の混じった歓声が起こった。
「……まあ、そ、それもそうね。でも、今日だけだからね」
「はいはい、やっと素直になったな。さあ、お姫様。皆に笑顔を――!」
割れんばかりの歓声に、小蘭の頬にもぱっと紅が差して。
小蘭もまた、はち切れそうな笑顔を向け、いつまでも手を振るのだった。
非の打ち所ない勝利と祝福――そのなかで、背後の玉座だけが、ぽつりと空いた空白のように浮いていた。
1
あなたにおすすめの小説
大正浪漫? 夫婦契約致しました ~暗闇の中、契約夫と密やかにはぐくむ愛~
佳乃こはる
キャラ文芸
老舗製糸屋・両口屋家のひとり娘、陽毬(17)は、父の事業失敗の責任を負う形で、成金の物産商・権藤家へ嫁いだ。
それは恋ではなく、家を救うための契約の婚姻。
しかも、夫となる権藤宿禰(26)は病のため人前に出られず、屋敷の地下で暗闇に閉ざされて暮らしているという。
不安と恐れを胸に、初めて対面した夜。
陽毬が出会ったのは、噂とはまるで違う、知的で誰より暖かい心を持つ夫だった。
契約から始まった夫婦は、言葉を交わし、寄り添い、少しずつ心を育んでいく。
これは、温かな闇の中で選び合う、切なくも、けなげな愛の物語。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
皇帝は虐げられた身代わり妃の瞳に溺れる
えくれあ
恋愛
丞相の娘として生まれながら、蔡 重華は生まれ持った髪の色によりそれを認められず使用人のような扱いを受けて育った。
一方、母違いの妹である蔡 鈴麗は父親の愛情を一身に受け、何不自由なく育った。そんな鈴麗は、破格の待遇での皇帝への輿入れが決まる。
しかし、わがまま放題で育った鈴麗は輿入れ当日、後先を考えることなく逃げ出してしまった。困った父は、こんな時だけ重華を娘扱いし、鈴麗が見つかるまで身代わりを務めるように命じる。
皇帝である李 晧月は、後宮の妃嬪たちに全く興味を示さないことで有名だ。きっと重華にも興味は示さず、身代わりだと気づかれることなくやり過ごせると思っていたのだが……
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
冷たい王妃の生活
柴田はつみ
恋愛
大国セイラン王国と公爵領ファルネーゼ家の同盟のため、21歳の令嬢リディアは冷徹と噂される若き国王アレクシスと政略結婚する。
三年間、王妃として宮廷に仕えるも、愛されている実感は一度もなかった。
王の傍らには、いつも美貌の女魔導師ミレーネの姿があり、宮廷中では「王の愛妾」と囁かれていた。
孤独と誤解に耐え切れなくなったリディアは、ついに離縁を願い出る。
「わかった」――王は一言だけ告げ、三年の婚姻生活はあっけなく幕を閉じた。
自由の身となったリディアは、旅先で騎士や魔導師と交流し、少しずつ自分の世界を広げていくが、心の奥底で忘れられないのは初恋の相手であるアレクシス。
やがて王都で再会した二人は、宮廷の陰謀と誤解に再び翻弄される。
嫉妬、すれ違い、噂――三年越しの愛は果たして誓いとなるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる