三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

七転び八起き

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第3話

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 朝起きて、昨日のことが夢なんじゃないかと思った。
 でも、スマホを見たら、しっかり名前とトークがある。

 現実だった。
 どうしよう……

 私は急いで着替えた。

 もしかしたら彼の気持ちが変わってるかもしれない。
 そんな望みをかけて家を出た。

 ***

 職場に着くと、重くのしかかる現実。
 育休中の先輩に続き、産休に入った後輩、穴埋めに入った派遣社員は仕事が遅い。

「矢野さん、さっき渡した資料、入力終わった?」

 派遣社員の若い女の子は、のんびりとキーボードを打っている、

「あ、まだです。もう直ぐ終わります」

 私がやれば十分で終わる。
 でもそこまで手が回らない。

 気分を切り替えるために、自販機でエナドリを買って一気飲みした。

「うわ、それやめた方がいいよ」

 振り返ると、同じ部署の森川さんだった。
 私の二個上の先輩で、仕事ができて、会社の評価もよくて、割とイケメンである。

「お疲れ様です」

 私が呟くと、森川さんは缶コーヒーを買って私の隣に立った。

「カフェイン中毒になるよ」
「……でも飲まないと頭冴えないんですよ」
「川崎さん毎日遅くまで残ってるもんね」

 森川さんはコーヒーを飲み干すと、「無理しないでね」と言って去っていった。

 無理しないと終わらないんだよ……。
 心の中で呟いた。

 ***

 案の定、今日も残業。
 派遣社員は大して仕事もせずに帰る。
 これ以上人件費を出せないからと補充はなし。
 上司は私の教え方が悪いと言う。

「もう無理かも……」

 スマホで転職サイトを開いた。

 その時、メッセージの通知がきた。
 勇凛くんからだった。

『お疲れ様です。仕事どうですか?』

 はて。
 そういえば昨日、また会う約束をしてたような……。
 でも、今日も遅い。
 また今度にしてもらおう。

『ごめん。今日は無理かも』

 するとすぐ返信がきた。

『待ってます。昨日二人で話した場所で』

 このままフェードアウトしようと思ったのに、昨日の彼の真剣な顔を思い出すと、できなかった。

 ──午後10時

 やっと仕事が終わって、私は急いで会社を出た。
 そして昨日、2人で話した場所に向かった。
 大通りの雑居ビルの前。
 そこに行くと、勇凛君が立っていた。

「待たせてごめんね」
「いえ、仕事、お疲れ様です」

 寒い中、かなり待たせてしまった。

「あの……待たせたお詫びにご飯行かない?」

 こんな時間にする提案ではないのは重々承知してるが、思いつくのはそんなことだった。

「はい!」

 勇凛くんの爽やかスマイル。
 癒される……。
 母性本能を刺激してくる。

 そのあと、近くにある飲み屋に行った。
 少しだけご飯を食べて帰るはずだった。

 しかし、一杯だけなら──

 私は気が緩んだ。

 ***

 鳥の囀りが聞こえる。
 朝か。

 ゆっくり起き上がると──
 全然知らない場所にいた。

「なに、ここ……」

 ワンルームの部屋。
 シンプルな家具。
 私は黒いシーツのベッドで寝ていたようだった。

 寝息が聞こえる。

 ふと床を見ると──
 勇凛君が寝ていた。

「え!?」

 思わず叫んでしまった。
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