125 / 207
ゴブリンキング編
地下水路
しおりを挟む
「随分と暗いな……まあ、何百年も使われていないなら灯りなんて用意するはずがないか」
「こういう時は本当に便利ですよね。この聖水」
「……美味い」
「あ、こら!!飲んじゃ駄目でしょっ!?めっ!!」
レナ達は聖水を掲げて地下水路の通路を移動し、周囲を聖水の光で照らしながら気を付けて移動する。流石に兵士がこの場所まで巡回している可能性は皆無だが、それでも油断は出来に。アイリィの話によると魔物が住み着いている可能性もあり、実際に水路には人間以外の足跡が存在した。
「あ、見てくださいよ。この足跡、多分ですけどオークですよ。もしかしたら外から入り込んだのかも知れませんね」
「こんな場所まで入り込んでるのかな?」
「どうですかね……まあ、遭遇しない事を祈りながら先に進みましょう」
「……それは無理みたい」
アイリィの言葉にコトミンが前方を指差し、他の2人が顔を向けると前の通路から近づいてくる人影と足音に気が付き、すぐに武器を構える。レナは白銀拳に瞬時に水属性の付与魔法を発動さえ、左手に魔装術を発動して火属性の付与魔法を発動する。
「うわっ!?その左手どうしたんですかレノさん!?」
「後で説明するよ……来た!!」
「プギィイイイイイッ!!」
暗闇から姿を現したのは全身が水苔まみれのオークであり、その右手には原始人のような石槍を握りしめており、レナ達の存在に気付いて警戒するように槍を構える。戦闘は避けられず、レナは両腕を構えて魔装術の実戦を試す事にした。
「2人は下がってろ」
「大丈夫ですか?」
「レナ……気を付ける」
「大丈夫……こんな奴に負けるようならゴンゾウ君は助けられないからな」
「ブヒィイッ!!」
人間の言葉が分かるわけではないが、オークは雰囲気で自分が馬鹿にされたと判断し、レナに襲い掛かる。まずは握りしめている槍を横から振り払って斬り付けようとするが、レナは冷静に白銀拳で受け止める。
「くっ……このっ!!」
「プギィッ!?」
振り払われた槍を白銀拳で受け止めた瞬間、事前に腕鉄甲に付与させていた水属性の魔力が働き、槍の触れた個所を凍結させる。自分の武器が凍り付いた事にオークは動揺し、一方でレナは左手を隙だらけの相手の腹部に打ち込む。
「せいやぁっ!!」
「ゲフゥッ……!?」
腹部にレナの火属性の付与魔法を発動させた左拳がめり込み、相手に打撃を与えるのと同時に肉が焼け焦げる臭いが発生し、オークは槍を手放して腹部を抑えながら後退する。一方でレナは左手の感覚を確かめ、特に問題ない事を確認すると今度は戦技を発動させる。
「弾撃!!」
「プゲェエエエエエエエエッ!?」
「「おおっ」」
オークに向けて勢いよく地面に両足を踏み込み、足の裏、足首、膝、股関節、腹部、胸、肩、肘、腕の順番に身体を回転及び加速させ、左拳を撃ち込む。今度は確実にオークの胸元を貫き、相手を突き飛ばす。腹部と同様に胸元に火傷を負ったオークは意識を失ったのか地面に倒れ込み、動かなくなる。その様子を確認したレナは安堵の息を吐くが、すぐに左手に痛みが走る。
「いててっ……流石に生身の拳で殴るのは無謀だったかな」
「大丈夫ですか?」
「平気だよ。素手で戦うのに慣れてないだけだから……さあ、先を急ごう」
「そうですね」
「行こ」
――レナ達を先を急ぎ、地下水路を移動する。王城の地下牢から降りてから30分後、一本道の地下水路の通路の移動を終えたレナ達は無事に帝都の外の堀に抜け出し、帝都の脱出を果たす。外壁の警備兵に見つからないように堀を乗り越え、まずは草原に辿り着く事に成功した。
ここから問題なのは草原に潜むゴブリンキングが率いるレッドゴブリンとゴブリンナイトの群れを通り過ぎ、アラン炭鉱が存在する鉱山にどのように移動するかであり、徒歩で移動した場合は間違いなく二日は掛かってしまう。出来るならば馬を連れて来たかったが、帝都の城門を封鎖されている以上はどうしようもできない。
「ここからどうします?レナさんの聖属性の付与魔法で身体能力を底上げして魔物の群れを駆け抜けますか?」
「それしか方法がないのかな……ゴブリンみたいにファングを手懐げる方法は知らないの?」
「魔物使いの職業なら出来なくもないですけど……どちらにしろ人間を背に乗せられる程のファングなんて滅多にいませんよ」
「レナ、私に任せる」
2人の会話にコトミンが前に出ると、彼女は両手に水属性の魔石を取り出し、そのまま自分の口の中に飲み込む。彼女の行動にレナとアイリィは驚愕するが、コトミンは魔石を2つ飲み込むと彼女の身体が徐々に変化を始めた。
「ちょっ!?コトミンさん!?」
「急に何を……」
「……変身」
彼女は2人の目の前で肉体を変形させ、やがてレナ達にも見覚えのある魔獣に変身する。先日に草原に出現したゴブリンが乗物として利用していた「ファング」と似ており、違いがあるとすれば顔面は狼というより小型犬のように可愛らしく、大きさも馬に匹敵した。どうやら自分の肉体を魔獣に擬態したらしく、彼女は背中を差し出して2人に乗り込むように指示する。
「こういう時は本当に便利ですよね。この聖水」
「……美味い」
「あ、こら!!飲んじゃ駄目でしょっ!?めっ!!」
レナ達は聖水を掲げて地下水路の通路を移動し、周囲を聖水の光で照らしながら気を付けて移動する。流石に兵士がこの場所まで巡回している可能性は皆無だが、それでも油断は出来に。アイリィの話によると魔物が住み着いている可能性もあり、実際に水路には人間以外の足跡が存在した。
「あ、見てくださいよ。この足跡、多分ですけどオークですよ。もしかしたら外から入り込んだのかも知れませんね」
「こんな場所まで入り込んでるのかな?」
「どうですかね……まあ、遭遇しない事を祈りながら先に進みましょう」
「……それは無理みたい」
アイリィの言葉にコトミンが前方を指差し、他の2人が顔を向けると前の通路から近づいてくる人影と足音に気が付き、すぐに武器を構える。レナは白銀拳に瞬時に水属性の付与魔法を発動さえ、左手に魔装術を発動して火属性の付与魔法を発動する。
「うわっ!?その左手どうしたんですかレノさん!?」
「後で説明するよ……来た!!」
「プギィイイイイイッ!!」
暗闇から姿を現したのは全身が水苔まみれのオークであり、その右手には原始人のような石槍を握りしめており、レナ達の存在に気付いて警戒するように槍を構える。戦闘は避けられず、レナは両腕を構えて魔装術の実戦を試す事にした。
「2人は下がってろ」
「大丈夫ですか?」
「レナ……気を付ける」
「大丈夫……こんな奴に負けるようならゴンゾウ君は助けられないからな」
「ブヒィイッ!!」
人間の言葉が分かるわけではないが、オークは雰囲気で自分が馬鹿にされたと判断し、レナに襲い掛かる。まずは握りしめている槍を横から振り払って斬り付けようとするが、レナは冷静に白銀拳で受け止める。
「くっ……このっ!!」
「プギィッ!?」
振り払われた槍を白銀拳で受け止めた瞬間、事前に腕鉄甲に付与させていた水属性の魔力が働き、槍の触れた個所を凍結させる。自分の武器が凍り付いた事にオークは動揺し、一方でレナは左手を隙だらけの相手の腹部に打ち込む。
「せいやぁっ!!」
「ゲフゥッ……!?」
腹部にレナの火属性の付与魔法を発動させた左拳がめり込み、相手に打撃を与えるのと同時に肉が焼け焦げる臭いが発生し、オークは槍を手放して腹部を抑えながら後退する。一方でレナは左手の感覚を確かめ、特に問題ない事を確認すると今度は戦技を発動させる。
「弾撃!!」
「プゲェエエエエエエエエッ!?」
「「おおっ」」
オークに向けて勢いよく地面に両足を踏み込み、足の裏、足首、膝、股関節、腹部、胸、肩、肘、腕の順番に身体を回転及び加速させ、左拳を撃ち込む。今度は確実にオークの胸元を貫き、相手を突き飛ばす。腹部と同様に胸元に火傷を負ったオークは意識を失ったのか地面に倒れ込み、動かなくなる。その様子を確認したレナは安堵の息を吐くが、すぐに左手に痛みが走る。
「いててっ……流石に生身の拳で殴るのは無謀だったかな」
「大丈夫ですか?」
「平気だよ。素手で戦うのに慣れてないだけだから……さあ、先を急ごう」
「そうですね」
「行こ」
――レナ達を先を急ぎ、地下水路を移動する。王城の地下牢から降りてから30分後、一本道の地下水路の通路の移動を終えたレナ達は無事に帝都の外の堀に抜け出し、帝都の脱出を果たす。外壁の警備兵に見つからないように堀を乗り越え、まずは草原に辿り着く事に成功した。
ここから問題なのは草原に潜むゴブリンキングが率いるレッドゴブリンとゴブリンナイトの群れを通り過ぎ、アラン炭鉱が存在する鉱山にどのように移動するかであり、徒歩で移動した場合は間違いなく二日は掛かってしまう。出来るならば馬を連れて来たかったが、帝都の城門を封鎖されている以上はどうしようもできない。
「ここからどうします?レナさんの聖属性の付与魔法で身体能力を底上げして魔物の群れを駆け抜けますか?」
「それしか方法がないのかな……ゴブリンみたいにファングを手懐げる方法は知らないの?」
「魔物使いの職業なら出来なくもないですけど……どちらにしろ人間を背に乗せられる程のファングなんて滅多にいませんよ」
「レナ、私に任せる」
2人の会話にコトミンが前に出ると、彼女は両手に水属性の魔石を取り出し、そのまま自分の口の中に飲み込む。彼女の行動にレナとアイリィは驚愕するが、コトミンは魔石を2つ飲み込むと彼女の身体が徐々に変化を始めた。
「ちょっ!?コトミンさん!?」
「急に何を……」
「……変身」
彼女は2人の目の前で肉体を変形させ、やがてレナ達にも見覚えのある魔獣に変身する。先日に草原に出現したゴブリンが乗物として利用していた「ファング」と似ており、違いがあるとすれば顔面は狼というより小型犬のように可愛らしく、大きさも馬に匹敵した。どうやら自分の肉体を魔獣に擬態したらしく、彼女は背中を差し出して2人に乗り込むように指示する。
5
あなたにおすすめの小説
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる
六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。
強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。
死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。
再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。
※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。
※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!
【完】転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい
冬月光輝
ファンタジー
【勇者】のパーティーの一員であったルシアは職業を極めては転職を繰り返していたが、ある日、勇者から追放(クビ)を宣告される。
何もかもに疲れたルシアは適当に隠居先でも見つけようと旅に出たが、【天界】から追放された元(もと)【守護天使】の【堕天使】ラミアを【悪魔】の手から救ったことで新たな物語が始まる。
「わたくし達、追放仲間ですね」、「一生お慕いします」とラミアからの熱烈なアプローチに折れて仕方なくルシアは共に旅をすることにした。
その後、隣国の王女エリスに力を認められ、仕えるようになり、2人は数奇な運命に巻き込まれることに……。
追放コンビは不運な運命を逆転できるのか?
(完結記念に澄石アラン様からラミアのイラストを頂きましたので、表紙に使用させてもらいました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる