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ゴブリンキング編
変身能力
レナとアイリィの前に大型のファング(もどき)に変身したコトミンは2人の前で屈みこみどうやら魔石の力を吸収して変身能力を高めたらしく、早く背中に乗るように催促する。
『乗って』
「だ、大丈夫?俺達2人を乗せて移動できるの?」
『問題ないと思う』
「まさかこんな事まで出来るとは……忘れてましたけど、この人スライムでしたね」
どちらも戸惑いながらもファングに変身したコトミンの背中に乗り込み、しっかりと離れないようにしがみ付くのを確認するとコトミンは起き上がり、鳴き声を上げて走り出す。
『にゃあぁあああっ……!!』
「多分、鳴き声間違ってると思う!!」
「でも、早いですよっ!?」
コトミンは猫のような鳴き声を上げて草原を疾走し、その速度は先日にレナ達が遭遇したファングの比ではなく、まるでチーターのように凄まじい速度で移動を行う。しかも彼女の走り方は独特的であり、地面に全ての足を同時に踏み出して跳躍を繰り返すように移動を行う。
この彼女の移動法はスライムならではの「弾力性」を最大限に生かした走法であり、彼女は魔獣のように姿を変身したとしても実際にはスライムである事に変わりはなく、強く地面に踏み込む事で生まれる弾力を生かし、跳躍するように前方に移動する。この方法を繰り返す事で彼女は高速移動を行い、草原を駆け抜ける。
「凄いですよコトミンさん!!この速度ならアラン炭鉱にもすぐに辿り着けます!!」
『……でも、この方法だと方向転換できない』
「マジですか!?じゃあ、前方に障害物があったら……」
「俺達ごと体当たりするわけか……でも問題ない!!このまま突っ走れ!!」
『了解』
幸いにも草原には彼女の障害物となる物は少なく、コトミンは全力疾走を行う。アイリィが地図を取り出して鉱山が存在する位置と方向を確かめ、ゴンゾウが捕まっているはずのアラン炭鉱に向けて順調に移動を行う。
「……この速度なら二時間ほどで到着できそうですね。最も一度も誰にも邪魔が入らなければの話ですが……」
「ゴブリンキングが陣取っている草原の居場所は分かるの?」
「事前の情報によるとゴブリンキングは鉱山からそれほど離れていない位置にいるようですが……今現在も同じ場所に留まっているとは限りません。もしかしたら帝都に近づいているかも知れませんし、あるいは鉱山の方に戻っている可能性も……」
「……先を急ごう。もしもあいつらと遭遇したら……逃げるしかない」
「……分かりました」
レナの本心はゴンゾウを助けたいと思っているが、だからといってアイリィとコトミンの命を危機に晒すことは出来ず、もしもゴブリンキングの群れと遭遇したら引き返すしかないと考えていた。だが、ここで退き返したらゴンゾウは助からない可能性が高く、レナは魔物と遭遇しない事を祈りながら先を急ぐ。
――帝都を抜け出してから1時間半が経過し、定期的にコトミンに聖属性の付与魔法を施し、休憩を挟んでレナ達は草原を移動する。この速度を保ち続ければ距離的に鉱山まであと少しでなのだが、遂にレナ達は草原にレッドゴブリンの群れを発見してしまう。
『ギィイイイイイイイッ!!』
草原に無数の赤色の体毛に覆われたゴブリン達が存在し、レナは草原の丘の上に存在する岩の影に隠れて様子を伺う。その数は数百を数え、以前に鉱山で宴を行っていた時よりも盛大に騒ぎながら無数の魔物の肉に食らいつく姿にレナ達は表情を歪める。
「話には聞いていましたが……本当に恐ろしい光景ですね」
「もう普通のゴブリンが1匹も見えない……それにあいつら、ファングの肉まで食べてる」
「もう用済みになったから餌として食べられているんじゃないですか?どの道、あれほど成長した個体を運ぶ事が出来るファングはいませんからね」
「……酷い」
岩陰から隠れながらレッドゴブリンの様子を伺い、無数のゴブリン達が草原に生息するオークやファングの血肉を貪り食らい、中にはゴブリンナイトの姿もあった。そしてゴブリン達の中央には一際巨大なゴブリンが存在し、炭鉱でレナ達が遭遇したゴブリンキングで間違いなかった。
現在のレナ達は位置的に相手に気付かれない場所にいるが、ゴブリンキングの群れは広範囲に草原に陣取っており、迂回するにしても慎重に行動しなければならない。間違ってもゴブリンの群れを突っ切る様な危険な真似は犯さず、レナ達は匍匐前進を行いながら決して見つからないように移動を続ける。
「あいつら……どれくらいやばいと思う?」
「正直に言えば計りかねますね……前回の討伐隊が少しでも数を減らしてくれていたら良かったんですけど、レッドゴブリンの装備を見ました?あいつら帝国軍の鎧を着こんでいますよ」
「知ってるよ」
アイリィの言葉通り、現在のレッドゴブリンは帝国軍の将軍であるカキンが指揮していた討伐隊の兵士達の装備品を強奪し、自分たちが身に着けていた。普通のゴブリンは慎重と体格が小さいので人間の鎧はサイズが合わないのだが、進化種のレッドゴブリンの背丈は人間の大人並にまで成長を果たすため、問題なく帝国軍の装備を身に着ける事が出来る。しかも討伐隊は重装兵で統一されていたため、中には全身を鎧で覆い隠した個体も存在し、戦闘になると非常に厄介な敵に成り得る可能性が高かった。
『乗って』
「だ、大丈夫?俺達2人を乗せて移動できるの?」
『問題ないと思う』
「まさかこんな事まで出来るとは……忘れてましたけど、この人スライムでしたね」
どちらも戸惑いながらもファングに変身したコトミンの背中に乗り込み、しっかりと離れないようにしがみ付くのを確認するとコトミンは起き上がり、鳴き声を上げて走り出す。
『にゃあぁあああっ……!!』
「多分、鳴き声間違ってると思う!!」
「でも、早いですよっ!?」
コトミンは猫のような鳴き声を上げて草原を疾走し、その速度は先日にレナ達が遭遇したファングの比ではなく、まるでチーターのように凄まじい速度で移動を行う。しかも彼女の走り方は独特的であり、地面に全ての足を同時に踏み出して跳躍を繰り返すように移動を行う。
この彼女の移動法はスライムならではの「弾力性」を最大限に生かした走法であり、彼女は魔獣のように姿を変身したとしても実際にはスライムである事に変わりはなく、強く地面に踏み込む事で生まれる弾力を生かし、跳躍するように前方に移動する。この方法を繰り返す事で彼女は高速移動を行い、草原を駆け抜ける。
「凄いですよコトミンさん!!この速度ならアラン炭鉱にもすぐに辿り着けます!!」
『……でも、この方法だと方向転換できない』
「マジですか!?じゃあ、前方に障害物があったら……」
「俺達ごと体当たりするわけか……でも問題ない!!このまま突っ走れ!!」
『了解』
幸いにも草原には彼女の障害物となる物は少なく、コトミンは全力疾走を行う。アイリィが地図を取り出して鉱山が存在する位置と方向を確かめ、ゴンゾウが捕まっているはずのアラン炭鉱に向けて順調に移動を行う。
「……この速度なら二時間ほどで到着できそうですね。最も一度も誰にも邪魔が入らなければの話ですが……」
「ゴブリンキングが陣取っている草原の居場所は分かるの?」
「事前の情報によるとゴブリンキングは鉱山からそれほど離れていない位置にいるようですが……今現在も同じ場所に留まっているとは限りません。もしかしたら帝都に近づいているかも知れませんし、あるいは鉱山の方に戻っている可能性も……」
「……先を急ごう。もしもあいつらと遭遇したら……逃げるしかない」
「……分かりました」
レナの本心はゴンゾウを助けたいと思っているが、だからといってアイリィとコトミンの命を危機に晒すことは出来ず、もしもゴブリンキングの群れと遭遇したら引き返すしかないと考えていた。だが、ここで退き返したらゴンゾウは助からない可能性が高く、レナは魔物と遭遇しない事を祈りながら先を急ぐ。
――帝都を抜け出してから1時間半が経過し、定期的にコトミンに聖属性の付与魔法を施し、休憩を挟んでレナ達は草原を移動する。この速度を保ち続ければ距離的に鉱山まであと少しでなのだが、遂にレナ達は草原にレッドゴブリンの群れを発見してしまう。
『ギィイイイイイイイッ!!』
草原に無数の赤色の体毛に覆われたゴブリン達が存在し、レナは草原の丘の上に存在する岩の影に隠れて様子を伺う。その数は数百を数え、以前に鉱山で宴を行っていた時よりも盛大に騒ぎながら無数の魔物の肉に食らいつく姿にレナ達は表情を歪める。
「話には聞いていましたが……本当に恐ろしい光景ですね」
「もう普通のゴブリンが1匹も見えない……それにあいつら、ファングの肉まで食べてる」
「もう用済みになったから餌として食べられているんじゃないですか?どの道、あれほど成長した個体を運ぶ事が出来るファングはいませんからね」
「……酷い」
岩陰から隠れながらレッドゴブリンの様子を伺い、無数のゴブリン達が草原に生息するオークやファングの血肉を貪り食らい、中にはゴブリンナイトの姿もあった。そしてゴブリン達の中央には一際巨大なゴブリンが存在し、炭鉱でレナ達が遭遇したゴブリンキングで間違いなかった。
現在のレナ達は位置的に相手に気付かれない場所にいるが、ゴブリンキングの群れは広範囲に草原に陣取っており、迂回するにしても慎重に行動しなければならない。間違ってもゴブリンの群れを突っ切る様な危険な真似は犯さず、レナ達は匍匐前進を行いながら決して見つからないように移動を続ける。
「あいつら……どれくらいやばいと思う?」
「正直に言えば計りかねますね……前回の討伐隊が少しでも数を減らしてくれていたら良かったんですけど、レッドゴブリンの装備を見ました?あいつら帝国軍の鎧を着こんでいますよ」
「知ってるよ」
アイリィの言葉通り、現在のレッドゴブリンは帝国軍の将軍であるカキンが指揮していた討伐隊の兵士達の装備品を強奪し、自分たちが身に着けていた。普通のゴブリンは慎重と体格が小さいので人間の鎧はサイズが合わないのだが、進化種のレッドゴブリンの背丈は人間の大人並にまで成長を果たすため、問題なく帝国軍の装備を身に着ける事が出来る。しかも討伐隊は重装兵で統一されていたため、中には全身を鎧で覆い隠した個体も存在し、戦闘になると非常に厄介な敵に成り得る可能性が高かった。
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