最強の職業は付与魔術師かもしれない

カタナヅキ

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ゴブリンキング編

カトレアとの取引

「カトレア、お前なら兵士を魅了して記憶とかを弄る事は出来るんじゃないのか?」
「それは出来るけど、何でお兄さんに手伝わないといけないのぉっ?」
「うるさいですね……あんまり生意気言ってると浄化しますよ」
「やぁ~んっ」


アイリィがカトレアに杖を構え、彼女は嫌がる素振りを見せるがその瞳には余裕が感じ取られ、自分が浄化される事はないと確信していた。そんな彼女に対し、レナは交渉を行う。


「お前……確か人間の精気を食べるんだよな」
「そうだよぉっ?お兄さんを食べさせてくれるのなら手伝ってあげるよ?」
「だ、駄目です!!普通の人間がサキュバスに精気を吸われたら干からびてしまいます……!!」
「マジで?」


レナは自分の精気を分け与えてカトレアに兵士を魅了させようかと考えたが、アメリアの話を聞いて下手に精気を吸収させるのは危険であり、仕方ないので他に彼女が望む物が無いのかを尋ねる。


「じゃあ、精気以外に欲しい物はないの?食べ物とか……」
「ないよぉっ……人間と違って、私達はそんなに食べ物は要らないかなぁっ?」
「困りましたね……どうします?」
「ねえねえ……お兄さんの精気が駄目なら魔力を分けてくれない?」
「魔力を?どうやって?」


聖属性の付与魔法を施せば他者に魔力を分け与える事は可能だが、サキュバスに実行すると浄化する危険性があり、他に魔力を他者に送り込む方法があるのかとレナはカトレアに尋ねると、彼女は頭に生えている小さな角を差し出す。


「ここの部分を掴むと勝手に私が魔力を吸収するから問題ないよぉっ」
「レナさんの魔力を根こそぎ奪うつもりじゃないでしょうね……」
「そんな事しないようっ」
「……レナの魔力容量なら全部吸い尽くされる事はないと思う」
「大丈夫かな……」


カトレアの言葉にレナは半信半疑に角の部分に手を伸ばし、両手で握りしめる。すると角が桃色に光り輝き、体内の魔力が吸収される感覚が広がる。聖属性の付与魔法を発動した時と似通った感覚であり、カトレアはレナの魔力を吸収しながら鼻歌を歌う。


「ああん……入ってくるぅっ。お兄さんの熱いのが私の中にぃっ……」
「ううっ……吸われるぅっ」
「な、なんかエッチだね」
「恥ずかしいです……」
「はわわっ……」
「なんでしょうか。ちょっとイラっとしますね」
「……同感」



――やがて魔力の吸収を終えたカトレアは満足気に頷き、両目を見開く。彼女の魅了の瞳は男性に対して有効的であり、レナ達は外で待機していた兵士を呼び寄せ、彼女の力を利用して催眠のように記憶を操作する。用事を終えたらヨウカ達が聖属性の魔法で魅了を解除させれば問題はない。



もしかしたらここでヨウカ達とは別れる事になるかも知れず、レナ達は彼女達に感謝し、ミキとテンに別れの挨拶を行えなかった事を代わりに謝罪するように頼み込む。


「ここまでありがとうヨウカ、ポチ子、アメリア」
「皆さんのお蔭で助かりました」
「……ありがとう」
「ううん。レノたん達も気を付けてね……私も頑張って1人で聖水を生み出せるようになるからね!!」
「寂しくなります……」
「お元気で……」
「ううっ……感動のお別れだねぇっ」
「お前は黙ってろ」


カトレアの目の前で全員が別れの挨拶を行い、レナはもしも生きて帰ってこれたら彼女達にお礼をする事を近い、地下水路に続く隠し通路に移動する。アイリィによると地下牢の一番奥の牢獄から移動出来るらしく、彼女は檻を開いて鉄格子が嵌め込まれている窓を確認する。


「この窓の鉄格子が実は鍵なんです。この両端の部分を掴んで勢いよく引っ張ると……!!」


アイリィは鉄格子を掴んで一気に引き抜いた瞬間、床の一部が盛り上がり、やがて床が剥がれて地下に続く梯子が現れた。中を覗き込み、レナはアイリィとコトミンに頷くとヨウカ達に別れの挨拶を行う。


「またね」
「うん……絶対にゴンゾウ君を助けてね!!」
「頑張ってください!!」
「お、応援してます……!!」



――三人に見送られ、レナ達は梯子を下りる。予想よりもずっと深く、中は暗かったがレナが聖水を懐中電灯代わりに利用し、遂に一番下に辿り着いた。アイリィの情報通り、地下には水路が存在し、どうやら地下水を汲み上げているらしく、水路が流れ着く先を移動すれば外に辿り着ける。



「暗いな……それに埃臭い」
「何百年と使われていないようですからね。ここから帝都の外に存在する堀に通じています。船が在れば水路に流されるまま外に辿り着けるでしょうけど……」
「時間が無い。走っていこう」


水路には人間が移動する通路も築けられており、レナ達は急いで帝都の外に向けて移動を行う。既に時間帯は昼を迎えようとしており、出来るだけ早く移動する必要があった。
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