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ゴブリンキング編
アラン炭鉱
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――多少の問題は起きたが、無事にゴブリンキングの群れを通り抜けたレナ達は草原を駆け抜ける。帝都を抜け出した時のようにファングに変身したコトミンの背中に乗り込み、彼女は先ほど起きた出来事に未だに不機嫌であり、雄叫びを上げながら駆け抜ける。
『ぐにゃあぁああああっ……!!』
「やばい……コトミンが今までにないほど荒ぶってる」
「いや、これ荒ぶってるんですか?全然怖くないんですけど」
『うにゃあぁああああっ……!!』
「鳴き声変わってますしっ」
荒ぶるコトミンの背中の上でレナとアイリィは準備を行い、武器を装備する。レナはいつも通りに白銀拳と魔法腕輪だけだが、今回のアイリィは弓矢を用意していた。彼女の方も万が一の場合を考えて魔道具店のホノカから弓矢の指導を受けており、収納石から弓と矢筒を取り出す。
「アイリィも戦えるの?」
「私は後方支援に徹しますよ。怪我をしたら回復させてあげますから安心して下さい」
「俺は普通に自分で回復出来るんだけど……」
「そう言えばそうでしたね……まあ、万が一の場合は蘇生薬もありますから、身体の一部が無くなったとしても再生できますよ」
「絶対に使いたくないな……」
アイリィは治癒魔導士なのでレナ以上の回復魔法と様々な薬品を持ち歩いており、前回の時は使用する機会が無かった「蘇生薬」と「腐敗薬」も用意していた。今回はゴブリンとの戦闘は避けられず、レナ達は遂にアラン炭鉱の鉱山に辿り着く。
「……前に来た時よりも禍々しく見えるな」
「そうですか?私は別に何も感じませんけど……」
『同じく』
「緊張しているのは俺の方か……よし、行こう」
鉱山の麓までコトミンの背中に乗って移動を行い、この先から坂道になるので彼女も人間形態に戻り、レナ達は周囲に気を配りながら移動を行う。現在のレナは副職が「格闘家」なので暗殺者のスキルは使用できず、気配を殺したり、足音を立てずに移動することは出来ない。しかし、戦闘を行う事を考えれば格闘家のスキルが都合が良く、レナは無意識に左手に水属性の付与魔法を発動させ、魔装術の準備を行う。
「……レノ、この上から嫌な感じがする」
「ああ……酷い臭いだな」
「血の臭いですね……」
炭鉱の近くまで辿り着くと血の臭いが漂い始め、レナ達は坂道を登り切ると事前に偵察に訪れた暗殺者の報告通りの光景が広がっていた。炭鉱にはレッドゴブリンが数十匹と鋼鉄製の檻が一つだけ存在し、その中には血塗れの状態のゴンゾウが全身を鎖で拘束された状態で倒れていた。その光景を見たレナは頭に血が上りそうになるが、アイリィが彼の肩を掴む。
「駄目ですよ……冷静さを失ったらお終いです」
「ああっ……分かってる」
「レノ……まだ生きてる」
コトミンの言葉通り、ゴンゾウは檻の中で僅かに痙攣しており、その様子を見たレナは彼がまだ生きている事に安堵する。それでも危険な状態に陥っている事は間違いなく、彼は両手を握りしめてレッドゴブリンに視線を向けた。
『ギィイイイッ!!』
レッドゴブリンはゴンゾウの檻を中心に円を描くように見張っており、どうして魔物達がゴンゾウを捕獲したまま生かしているのかは不明だが、レナは相手の数を把握する。報告よりも数が10体ほど多く、合計で30体のレッドゴブリンが守っているが、この程度の人数ならば倒せる自信が彼にあった。まずは檻の周囲を囲んでいる邪魔な敵から排除するため、レナはアイリィに頷く。
「今から俺が突っ込む……援護を頼んだ」
「大丈夫ですか?作戦はありますか?」
「10秒後に閃光を放つから目を閉じてて……コトミンはアイリィを守って」
「んっ」
レナの指示に2人は従い、彼一人だけが正面からレッドゴブリンに向けて歩み寄る。懐から聖属性の吸魔石を取り出し、魔装術を解除した左手で握りしめ、魔法腕輪を発動して聖属性の魔力を高める。レッドゴブリンは正面から近づいてきた人間に気付き、兵士から奪った鉄の槍を構える。
「ギィイッ!!」
「ギィッ!?」
「ギシャシャシャッ!!」
1人で近づいてきたレナに対してゴブリン達は個々の反応を示し、驚愕する個体、警戒心を抱く個体、あるいは単独で近づいてきた彼をあざ笑う個体も存在し、今更ながらに魔物にも性格に違いがある事を実感しながらレナは吸魔石をゴブリン達の上空に放り投げる。
「はあっ!!」
『ギィイイイイイイイイッ……!?』
「ぐぅっ……!?」
――空中に放り込んだ吸魔石が閃光を放ち、炭鉱を光が覆い尽くす。事前にレナ達は両目を庇い込むが、レッドゴブリン達は視界が光に覆われ、檻の中に閉じ込められたゴンゾウも外の異変に気付いたのか呻き声を上げた。
『ぐにゃあぁああああっ……!!』
「やばい……コトミンが今までにないほど荒ぶってる」
「いや、これ荒ぶってるんですか?全然怖くないんですけど」
『うにゃあぁああああっ……!!』
「鳴き声変わってますしっ」
荒ぶるコトミンの背中の上でレナとアイリィは準備を行い、武器を装備する。レナはいつも通りに白銀拳と魔法腕輪だけだが、今回のアイリィは弓矢を用意していた。彼女の方も万が一の場合を考えて魔道具店のホノカから弓矢の指導を受けており、収納石から弓と矢筒を取り出す。
「アイリィも戦えるの?」
「私は後方支援に徹しますよ。怪我をしたら回復させてあげますから安心して下さい」
「俺は普通に自分で回復出来るんだけど……」
「そう言えばそうでしたね……まあ、万が一の場合は蘇生薬もありますから、身体の一部が無くなったとしても再生できますよ」
「絶対に使いたくないな……」
アイリィは治癒魔導士なのでレナ以上の回復魔法と様々な薬品を持ち歩いており、前回の時は使用する機会が無かった「蘇生薬」と「腐敗薬」も用意していた。今回はゴブリンとの戦闘は避けられず、レナ達は遂にアラン炭鉱の鉱山に辿り着く。
「……前に来た時よりも禍々しく見えるな」
「そうですか?私は別に何も感じませんけど……」
『同じく』
「緊張しているのは俺の方か……よし、行こう」
鉱山の麓までコトミンの背中に乗って移動を行い、この先から坂道になるので彼女も人間形態に戻り、レナ達は周囲に気を配りながら移動を行う。現在のレナは副職が「格闘家」なので暗殺者のスキルは使用できず、気配を殺したり、足音を立てずに移動することは出来ない。しかし、戦闘を行う事を考えれば格闘家のスキルが都合が良く、レナは無意識に左手に水属性の付与魔法を発動させ、魔装術の準備を行う。
「……レノ、この上から嫌な感じがする」
「ああ……酷い臭いだな」
「血の臭いですね……」
炭鉱の近くまで辿り着くと血の臭いが漂い始め、レナ達は坂道を登り切ると事前に偵察に訪れた暗殺者の報告通りの光景が広がっていた。炭鉱にはレッドゴブリンが数十匹と鋼鉄製の檻が一つだけ存在し、その中には血塗れの状態のゴンゾウが全身を鎖で拘束された状態で倒れていた。その光景を見たレナは頭に血が上りそうになるが、アイリィが彼の肩を掴む。
「駄目ですよ……冷静さを失ったらお終いです」
「ああっ……分かってる」
「レノ……まだ生きてる」
コトミンの言葉通り、ゴンゾウは檻の中で僅かに痙攣しており、その様子を見たレナは彼がまだ生きている事に安堵する。それでも危険な状態に陥っている事は間違いなく、彼は両手を握りしめてレッドゴブリンに視線を向けた。
『ギィイイイッ!!』
レッドゴブリンはゴンゾウの檻を中心に円を描くように見張っており、どうして魔物達がゴンゾウを捕獲したまま生かしているのかは不明だが、レナは相手の数を把握する。報告よりも数が10体ほど多く、合計で30体のレッドゴブリンが守っているが、この程度の人数ならば倒せる自信が彼にあった。まずは檻の周囲を囲んでいる邪魔な敵から排除するため、レナはアイリィに頷く。
「今から俺が突っ込む……援護を頼んだ」
「大丈夫ですか?作戦はありますか?」
「10秒後に閃光を放つから目を閉じてて……コトミンはアイリィを守って」
「んっ」
レナの指示に2人は従い、彼一人だけが正面からレッドゴブリンに向けて歩み寄る。懐から聖属性の吸魔石を取り出し、魔装術を解除した左手で握りしめ、魔法腕輪を発動して聖属性の魔力を高める。レッドゴブリンは正面から近づいてきた人間に気付き、兵士から奪った鉄の槍を構える。
「ギィイッ!!」
「ギィッ!?」
「ギシャシャシャッ!!」
1人で近づいてきたレナに対してゴブリン達は個々の反応を示し、驚愕する個体、警戒心を抱く個体、あるいは単独で近づいてきた彼をあざ笑う個体も存在し、今更ながらに魔物にも性格に違いがある事を実感しながらレナは吸魔石をゴブリン達の上空に放り投げる。
「はあっ!!」
『ギィイイイイイイイイッ……!?』
「ぐぅっ……!?」
――空中に放り込んだ吸魔石が閃光を放ち、炭鉱を光が覆い尽くす。事前にレナ達は両目を庇い込むが、レッドゴブリン達は視界が光に覆われ、檻の中に閉じ込められたゴンゾウも外の異変に気付いたのか呻き声を上げた。
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