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9.事情を話して
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「……ごちそうさまでした」
私は、ゆっくりと手を合わせて食物とアルディス様に感謝する。
空腹が満たされて、気分はとてもいい。なんだか元気も湧いてきたし、これで三日くらいは頑張れそうだ。
「ふむ、それならお前の話を聞かせてもらおうか? あの村で一体、お前はどういう暮らしをしているのだ?」
「どういう暮らし……そうですね。狩りに出かけて、うさぎを狩ったり、山菜を取ったりして暮らしています」
「なるほど……」
アルディス様の質問に対して、私は素直に答えた。
しかし、彼は微妙な顔をしている。どうやら私の回答に、何か誤りがあったらしい。
「聞き方が悪かったな。お前はあの村の者達からどういう扱いを受けているのだ?」
「え? ああ、そうでしたね。よく考えてみれば、そのことですよね」
改めてアルディス様に質問されたことで、私は彼の意図をやっと理解できた。
彼は私を村の人達の迫害から救おうとしてくれている。それを考えれば、暮らしという質問の意図は人間関係を表しているに決まっているだろう。
なんというか、私は抜けているようだ。これからはもっと、相手の言葉の意味を考えて会話した方がいいかもしれない。
「えっと……私は、生まれた時から父がいませんでした。都会で母が、一人で産んだ子らしいんです」
「……ほう?」
「色々とあって、母は故郷の村に帰りました。でも、村の人達は母と私を受け入れてくれなかったんです。父親が不明であることとか、都会からの出戻りであることとか、そういうことが気に入らなかったみたいで……」
「下らない理論だな」
私の言葉に、アルディス様は顔を歪めていた。
そこからは、怒りの感情が読み取れる。それはまず間違いなく、村の人達に向けられているものだろう。
「母は、一年前に亡くなりました。やっぱり村の人達からの迫害がひどくて……特に、母は私を庇ってくれていましたから」
「……そうか」
「母が亡くなってからも、私は村八分の扱いを受けています。食べ物や衣服は売ってくれないし、私が苦労して取ってきたうさぎや山菜も、取られたりします」
「……よくわかった」
アルディス様は、目を瞑っていた。それは恐らく、彼が何かを考える時の癖なのだろう。
やがてその目は、ゆっくりと開かれる。その鋭い視線は、私を捉えて離さない。
「アルカルド公爵家の名において、お前を保護する」
「保護、ですか?」
「ああ、お前は俺が連れて行く。例えお前が嫌だと言ってもだ。あんな村に、お前を返す気にはなれん」
アルディス様は、私の目を真っ直ぐに見てそう言ってきた。
そんな彼の視線に、私の心は少しだけ揺れ動く。
アルディス様と接していると、いつもそんな感じになる。この感情は、一体なんなのだろうか。
私は、ゆっくりと手を合わせて食物とアルディス様に感謝する。
空腹が満たされて、気分はとてもいい。なんだか元気も湧いてきたし、これで三日くらいは頑張れそうだ。
「ふむ、それならお前の話を聞かせてもらおうか? あの村で一体、お前はどういう暮らしをしているのだ?」
「どういう暮らし……そうですね。狩りに出かけて、うさぎを狩ったり、山菜を取ったりして暮らしています」
「なるほど……」
アルディス様の質問に対して、私は素直に答えた。
しかし、彼は微妙な顔をしている。どうやら私の回答に、何か誤りがあったらしい。
「聞き方が悪かったな。お前はあの村の者達からどういう扱いを受けているのだ?」
「え? ああ、そうでしたね。よく考えてみれば、そのことですよね」
改めてアルディス様に質問されたことで、私は彼の意図をやっと理解できた。
彼は私を村の人達の迫害から救おうとしてくれている。それを考えれば、暮らしという質問の意図は人間関係を表しているに決まっているだろう。
なんというか、私は抜けているようだ。これからはもっと、相手の言葉の意味を考えて会話した方がいいかもしれない。
「えっと……私は、生まれた時から父がいませんでした。都会で母が、一人で産んだ子らしいんです」
「……ほう?」
「色々とあって、母は故郷の村に帰りました。でも、村の人達は母と私を受け入れてくれなかったんです。父親が不明であることとか、都会からの出戻りであることとか、そういうことが気に入らなかったみたいで……」
「下らない理論だな」
私の言葉に、アルディス様は顔を歪めていた。
そこからは、怒りの感情が読み取れる。それはまず間違いなく、村の人達に向けられているものだろう。
「母は、一年前に亡くなりました。やっぱり村の人達からの迫害がひどくて……特に、母は私を庇ってくれていましたから」
「……そうか」
「母が亡くなってからも、私は村八分の扱いを受けています。食べ物や衣服は売ってくれないし、私が苦労して取ってきたうさぎや山菜も、取られたりします」
「……よくわかった」
アルディス様は、目を瞑っていた。それは恐らく、彼が何かを考える時の癖なのだろう。
やがてその目は、ゆっくりと開かれる。その鋭い視線は、私を捉えて離さない。
「アルカルド公爵家の名において、お前を保護する」
「保護、ですか?」
「ああ、お前は俺が連れて行く。例えお前が嫌だと言ってもだ。あんな村に、お前を返す気にはなれん」
アルディス様は、私の目を真っ直ぐに見てそう言ってきた。
そんな彼の視線に、私の心は少しだけ揺れ動く。
アルディス様と接していると、いつもそんな感じになる。この感情は、一体なんなのだろうか。
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