身分違いの恋に燃えていると婚約破棄したではありませんか。没落したから助けて欲しいなんて言わないでください。

木山楽斗

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27.半分の繋がり

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「ご迷惑をかけてしまい、申し訳ありません」
「いえ、お気になさらないでください。夫人に無理をさせる方が、私としても辛かったですから……」
「お気遣いありがとうございます。お噂通り、あなたは素晴らしい方であるようですね」

 ホルーグ様は、私にゆっくりと頭を下げてきた。
 貴族として凛としているが、彼はまだまだ少年といえる年齢だ。幼さの残るその顔を見ていると、少し前のソルダスを思い出す。

「さて、改めて自己紹介させていただきます。僕は、ホルーグ・ラーゼムです。知っての通り、バルギード兄上の弟です。とはいえ、血は半分しか繋がっていませんが」

 ホルーグ様は、バルギード様の方を見ながらそう言った。
 その顔は少し不安そうだ。腹違いの弟であること、それは二人にとって、それなりに難しい問題であるのだろう。

「セリティア嬢、前提として言っておきますが、私はホルーグのことを弟だとしか思っていません。それは、母上に関しても同様です。血が半分しか繋がっていなくとも、血が繋がっていなくとも、私は二人のことを家族であるとしか思っていません。それ以上でも、それ以下でもないのです」
「そうですか……」

 バルギード様の言葉にゆっくりと頷きながら、私はホルーグ様の様子を窺ってみる。
 彼は、安心したような表情をしていた。きっと、バルギード様の言葉が嬉しかったのだろう。なんだか、少し微笑ましい。
 なんというか、本人が言っていたよりもホルーグ様との仲は良好に見える。本当に二人の間にわだかまりなどあるのだろうか。

「まあ僕も、概ね兄上と同じ考えです。その辺りに関しては、既に決着がついた話なのです。昔は、色々とありましたが……」
「そうですか……」

 ホルーグ様の言葉に、私は少しだけ考えを改めることになった。
 今彼はその辺りに関しては、と言った。ということは、他に決着がついていないことがあるということなのだろう。もっとも、言葉の綾という可能性もあるが。
 とはいえ、もしも何かあるとすれば、バルギード様が言っていた通りなのだろう。最近の兄の振る舞いに、思う所があったということだ。

「しかし、なるほど、そういうことですか……ふふ、僕もなんとなく理解できました。兄上の行動がどういう意味を持っていたのかを」
「む?」
「兄上本人も仰っていましたが、彼女以上の婚約者はいないでしょう。兄上にとって最良の相手が見つかったのですね」
「……まあ、そういうことだ」

 私が色々と思った直後、ホルーグ様はバルギード様にそう言った。
 意外なことに、二人の間にあったわだかまりは今ある程度解けたのかもしれない。私本人とあったことによって。
 もしもそうであったなら、嬉しく思う。私が自惚れ過ぎているというだけなのかもしれないが。
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