まさか私が王族の一員であることを知らずに、侮辱していた訳ではありませんよね?

木山楽斗

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37.王家の最年少

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 王家において私よりも年下なのは、エンディ殿下だけである。
 彼はウルティナ姫とも年が離れており、言ってしまえばまだ子供だ。しかしアゼルトお兄様の部屋で椅子に腰かける彼には、既に威厳や優雅さというものが見て取れる。その辺りは流石王家といった所だろうか。

「こうしてメルフィナさんと顔を合わせるのは初めてのことですね。僕はエンディと申します。どうかよろしくお願いします」
「あ、はい。よろしくお願いします」

 丁寧に挨拶をされて、私は少し緊張しながら言葉を返すことになった。
 これでは、どちらが年上からわからない。私はなんとも、みっともなかった。

「しかしアゼルトお兄様、このように王家が勢揃いしているというのに、ウルティナお姉様の姿が見えませんね。どうかされたのですか?」
「エンディ、今日お前を呼び出したのは、別に兄弟で歓談するためという訳ではない。今この場に集まっているのは、志を同じくする者達だ。もっとも、ウルティナが違う考えとも言い難いことだがな」
「……もしかして、王位に関することですか?」

 アゼルトお兄様の言葉に、エンディ殿下は少し悲しそうな表情を浮かべながら言葉を返した。
 兄達が王位を巡って争っているという状況は、彼にとって良いものではないのだろう。それが表情からは伝わってきた。

「察しが良いな。流石は我が弟だ」
「なんとなくそんな気がしたというだけです。でも、アゼルトお兄様とイルガンお兄様は、王位を争っていたはずですよね。それなのに、同じ志なのですか?」
「それは他者を欺くための演技に過ぎません。私とアゼルト兄上は、元より同じ目的のために動いていたのですよ、エンディ」
「そうだったのですか……」

 エンディ殿下には、特に何も伝えられていないようだった。
 敵を欺くにはまず味方から、それは彼にも適応されていたということだろうか。

 しかしそれはなんとも、酷な話である。彼はこれから、なんとも大きな重荷を背負わされることになるのだから。
 アゼルトお兄様が心配していたのも当然だ。エンディ殿下は二人の提案を受け入れるものだろうか。私はそれについて、懐疑的にならざるを得なかった。そもそもエンディ殿下を次の王に据える理由も、わからないし。

「結論から言おう。エンディ、俺達はお前こそが次の王に相応しいと思っている」
「僕が、ですか?」

 アゼルトお兄様の言葉に、エンディ殿下は短く答えた。
 彼は私の予想とは反して、狼狽えたりはしていない。動揺していないのか、はたまた事実を噛みしめているのか、彼は静かにアゼルトお兄様のことを見つめていた。
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