僕が死んだあと、あなたは悲しんでくれる?

いちみやりょう

文字の大きさ
23 / 43

21ー1 ※

しおりを挟む
「千景、私の家に行こう」

僕の体を、病院の人が安置室に運ぶ横で、フェルレントが嬉々とした声でそう言うのが、何だか面白くて笑った。

「ふふふ」
「何が面白いんだい?」
「ふふ、だって、僕もフェルレントと会えて嬉しいんだけど、フェルレントもすごく嬉しそうだし、はしゃいでるように見えて」
「はしゃいでるよ。私はずっとずっと千景とこうやって目を合わせて話せたらどれだけ幸せだろうと思っていたんだから」

フェルレントが僕の体をギュッと抱き寄せると、次の瞬間には大きい門の前に立っていた。

「えっ」
「ここが私の家だよ」
「すごい……。瞬間移動だ」
「ふふ、千景は可愛らしいね。練習すれば千景もきっと出来るようになるよ」
「本当?」
「もちろん」
「やったぁ。それにしても、もしかしてフェルレントってすごくお金持ちなんじゃ」

大きい門の奥にそびえるのは、お城のような大きな建物だった。

「そんなことはないよ。大きなお金の動きはあるけれど、私の自由になるお金は少ない」
「そうなんだ。何だか迷子になっちゃいそうな大きなお城だったから」
「……」
「フェルレント?」
「……はぁ。もう、可愛らしいんだから本当」

フェルレントは空気をたっぷり肺に溜め込んで、それをゆっくり吐き出しているみたいな声で言った。

「へへ。何だか分からないけど、フェルレントに可愛らしいって言ってもらえるのは……嬉しい……わっ」

言い終わらないうちにガバリと抱きつかれ横抱きにされた。

「んぁっ……」

荒い口づけをされて、僕の舌をまるで犯すように口の中で暴れまわるのは、フェルレントの姿が見えなかった時から同じで、苦しいけれど少し嬉しくなる。

「はぁ、やっぱり千景は口の中も甘い、どこもかしこも甘い。もう少しも我慢できる気がしない」

フェルレントはそう言いながら、僕を横抱きのまま歩いて門をくぐり、城の前に立った。
軍服みたいな服を着た男の人が2人現れて、城のドアを開けてくれる。

「ここは、千景のそばにいる間あまり帰ってなかったけど、掃除はさせているから」
「あっ、ふぇる……」

やっぱり金持ちじゃないか。だって掃除してくれる人もドアを開けてくれる人までいる。
だけどそんなことを思っても、フェルレントの森林の匂いが強くなってくると、フェルレントのこと以外何も考えられなくなってくる。

「ああ、ヒートになってくれたんだね」
「ぁっう、フェルレントっ……あついっ、んん」

2階に上がり1つの部屋の中に入ったフェルレントはポスっと僕を下ろした。
少しひんやりした布の質感で、サラサラ、ふわふわしていて、それが上質なベットであることが分かる。
フェルレントの手がそろりとうなじを撫でると、ビビッと電気が走ったような衝撃があって、僕の脳はそれを快感だと認識する。

「あぁっ」
「ここを……噛むよ」

早く噛んで欲しくてコクコクと必死にうなずくと、フェルレントは僕の服を脱がしていった。
早く噛んでくれればいいのに、早くフェルレントのものにしてくれればいいのにと、体がもどかしくていっぱいになる。

「ぁ、んっ、フェルレントっ……ん、早くっ」
「もう少し。2人が気持ち良くなってるときに、番になろう」
「あ、ぁ、あ」

体を撫でられて、ぞわりぞわりと毛が逆立つ。
フェルレントの手は熱くて、手が触れてる箇所は気持ち良くて仕方がない。

指の先、指の又の部分、拳の骨のでっぱり……、フェルレントは僕を焦らすつもりでやってるのか、そうじゃないのか、とにかく一箇所一箇所、舐め尽くしてくる。
他の人と経験がなくても分かる、普通こんなに舐めたりしないだろう。フェルレントは変態だ。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

運命の番は僕に振り向かない

ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。 それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。 オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。 ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。 ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。 ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。 ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

平凡な僕が優しい彼氏と別れる方法

あと
BL
「よし!別れよう!」 元遊び人の現爽やか風受けには激重執着男×ちょっとネガティブな鈍感天然アホの子 昔チャラかった癖に手を出してくれない攻めに憤った受けが、もしかしたら他に好きな人がいる!?と思い込み、別れようとする……?みたいな話です。 攻めの女性関係匂わせや攻めフェラがあり、苦手な人はブラウザバックで。    ……これはメンヘラなのではないか?という説もあります。 pixivでも投稿しています。 攻め:九條隼人 受け:田辺光希 友人:石川優希 ひよったら消します。 誤字脱字はサイレント修正します。 また、内容もサイレント修正する時もあります。 定期的にタグ整理します。ご了承ください。 批判・中傷コメントはお控えください。 見つけ次第削除いたします。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *不定期連載です。

大好きな婚約者を僕から自由にしてあげようと思った

こたま
BL
オメガの岡山智晴(ちはる)には婚約者がいる。祖父が友人同士であるアルファの香川大輝(だいき)だ。格好良くて優しい大輝には祖父同士が勝手に決めた相手より、自らで選んだ人と幸せになって欲しい。自分との婚約から解放して自由にしてあげようと思ったのだが…。ハッピーエンドオメガバースBLです。

オメガなのにムキムキに成長したんだが?

未知 道
BL
オメガという存在は、庇護欲が湧く容姿に成長する。 なのに俺は背が高くてムキムキに育ってしまい、周囲のアルファから『間違っても手を出したくない』と言われたこともある。 お見合いパーティーにも行ったが、あまりに容姿重視なアルファ達に「ざっけんじゃねー!! ヤルことばかりのくそアルファ共がぁああーーー!!」とキレて帰り、幼なじみの和紗に愚痴を聞いてもらう始末。 発情期が近いからと、帰りに寄った病院で判明した事実に、衝撃と怒りが込み上げて――。 ※攻めがけっこうなクズです。でも本人はそれに気が付いていないし、むしろ正当なことだと思っています。 同意なく薬を服用させる描写がありますので、不快になる方はブラウザバックをお願いします。

【bl】砕かれた誇り

perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。 「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」 「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」 「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」 彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。 「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」 「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」 --- いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。 私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、 一部に翻訳ソフトを使用しています。 もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、 本当にありがたく思います。

処理中です...