その告白は勘違いです

雨宮里玖

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7 一緒にいたいから

7-9

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 有馬は客なんだから休んでろって言ったのに、率先して片付けを手伝ってくれた。
 気遣いもものすごくて、母さんが「有馬くんって本当にいい子ね」って有馬をべた褒めしてたよ。

 だよね、俺もそう思う。
 有馬は誰に対しても丁寧だ。友達にも、俺の家族にも、スーパーのおばちゃん、道行く人たちにだって気持ちのこもった対応をする。

 顔だけじゃない。有馬はいつも神対応をするからモテるんだよ。


 片付けのあと、俺は有馬を部屋に誘った。
 俺は物をあまり捨てられない性分で、決して綺麗な部屋じゃないけど。

「落ち着くな。この部屋」
「どこがっ?」

 本や漫画も多いし、思い出の品という名の、雑多なものがあふれている。普段、俺は気にしなかったけど、いざ有馬を呼ぶってなったときアレ結構ごちゃごちゃしてないかって自覚した部屋だ。それを「落ち着く」だなんて。

「七沢って感じの部屋だ。俺はすごく好き」

 部屋を眺めながらごく自然に発した有馬の言葉に、俺はハッとした。

 そういえば、有馬の口から当たり前のように自分の好きが出るようになった気がする。
 なんかホッとする。そして、有馬が変わっていくことを俺は嬉しく思う。


「ねぇ有馬、ゲームやらない?」

 俺はゲーム機を引っ張り出し、テレビに接続させる。

「え?」
「有馬の力を借りたい。このゲームさ、キャラの好感度を上げると仲間になってくれる仕様になってるんだけど、魔導師のレイミちゃんがどうしても落とせない。好感度イベント、有馬がやってよ」
「俺、このゲームやったことない」 

 俺と並んでテレビの前に座った有馬は、ゲーム画面を見ながら難しい顔をする。

「大丈夫、大丈夫、選択肢を選ぶだけだから。有馬、お前の恋愛スキルでレイミちゃんを落としてくれ」

 俺はどうもダメだ。これっていう選択肢を選んでいるのに、キャラの好感度を下げてばかり。でも有馬がやれば好感度が爆上がりして、レイミちゃんが仲間になってくれるに違いない。
 だって有馬に迫られたら、誰だって有馬を好きになるよ。

 俺たちはゲームを開始した。コントローラーを有馬に握らせて、攻略対象のレイミちゃんの恋愛イベントを発生させる。

 ゲームキャラクターのレイミちゃんは主人公に悩みを打ち明けてきた。ちなみに主人公は上官で攻略対象キャラクターは隊員っていう設定だ。

「これは『俺でよければ話を聞くよ』だよな?」

 俺は有馬の様子を伺う。だって有馬は俺が悩んでたらずっと話を聞いてくれるような優しいやつだ。

「いや。違う。『自分でなんとかしろ』だ」
「えっ? マジっ?」

 俺が驚いているうちに、有馬はそっちの選択肢を選んでしまった。案の定、レイミちゃんは嫌な顔をする。

 次の選択肢。レイミちゃんは「あんたなんて嫌い」と言ってきた。それに対する答えは?

「有馬、これは『俺はお前を信頼している』かな」
「違うな。『嫌いで結構。お前は仕事だけしていればいい』だな」
「うっそ!」

 冷たすぎるだろ、有馬!
 このままじゃ最悪の仲になって好感度イベント終わるぞ。

 最後の選択肢。レイミちゃんは「あんたの駒になる気はない。さよなら」だって! 
こんなひどいセリフ、出てきたことないよ!

「有馬、どうすんの……?」

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