愛されることを諦めた途端に愛されるのは何のバグですか!

雨霧れいん

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入学早々ブチギレ

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クラスの中はとてつもなく広くすでに多くの生徒がいた。こちらを向いては何か喋っている人、興味なさげに窓の外を見つめている人、クラスの中央で魔法を使っている人....、いや魔法を使っている人!?!?

基本、僕たち貴族は魔力の扱い方を学ぶためにここに来ていると言っても過言ではない。学業に関しては家庭教師を雇えばいいし、領地経営は親から学べば良い。つまりほとんどの物事が屋敷から出ずに終わらせることができる。だが、魔力に関してはそうもいかない。確かに家庭教師を雇って学ぶこともできるが、魔法が暴走した時や失敗した時。たった一人の講師では生徒を守り切ることができないかもしれないのだ。それに、魔法の講師は雇用料が高い。だが学ばずして立派な貴族と言えるかと言えばそうではないので、この貴族院があるのだ。社交のため、と言うのも一部あるがおまけ程度だ。

「エル!危なくない?あれ...」

「入学早々退学か..?はぁ、僕がいるクラスで問題を起こされると僕が困る。メウィル少し待てる?」

「う、っうん!それは勿論だけど...」

エルは僕が「危ないよ」と声をかける前に魔法を使っている人の方へ向かう。ぐるりと囲んでいた野次馬の一人に声をかけて道を譲ってもらっていた。何も気にしないで危ない場所へ突っ込もうとするエルが心配で姿が見える程度まで僕も近づいた。

「おい、そこの青髪。入学早々問題行動を起こすな。」

エルは次男なこともあり、舐められやすい。普段話している口調であれば尚更。だからいつもより口調が強いんだと思うが、普段に慣れていると少しおかしくて笑みが溢れる。

「だれぇ~?ちょっと遊んでるだけじゃん!」

....天井まで届きそうな炎の竜巻を起こすのはちょっとじゃない。

「何がちょっとだふざけるのも大概にしろ。」

理不尽に怒ることがない代わりか、エルの気は短い。僕以外だと特に。すでに怒りを露わにしているエルの前でヘラヘラとしている男を僕は尊敬する。

「来るのが遅いセンセーが悪くなぁい?たんにんのぉ~コリネウス様♡」

「遅いことには同感だが、それと魔法を使うのは話が別だ!"ギエレクスエム"」

しゅる、と腰から杖を取り出せばエルも魔法を唱えた。あまり魔法の勉強をしてこなかった(させてもらえなかった)僕はその言葉が魔法だと言うこと以外に情報がなかった。

「アレェ、負けちゃったみたい!キミすごいねぇ~!次はねぇ~!!」

そう言って青髪の不審者(そう呼ぶことにした)は手を宙にかざした...が、魔法が放たれることはなかった。思わずつぶってしまった目をひらけば、何かが横を通り抜けて行くような感覚がした。

「ルミネモーク!!お前は本当にどうしようもない奴だ!!!!」

二人がいる場所へ視線を移せば、唖然としているエルと、青髪の不審者と、どこからか颯爽と現れた男。そして急に来た方は魔力の縄で不審者を縛り上げている。

「あー!!!コリネウス様きたぁ!もぉーおっそいよぉ~」

「何故魔法を発動させた!!」

「遅かったからぁ~。ホラァ、ミルの魔力はたーくさん知ってるでしょ?」

「五月蝿い!!!!」

縛り上げられていることに関しては何も触れずに二人は口論を繰り広げる。...え、コリネウス先生?
喧嘩している二人の間に挟まれて面倒そうな顔をしているエルをみて、どうにも僕は怒りが込み上げてきた。エルが危うく怪我しそうになっていたのに謝らせるでなく口喧嘩を始めた先生と、言わずもがなのルミネモークとか言うやつ。僕はわざと足音を立てて二人に近寄る。

「貴方達は危うく怪我をするところであった止めに入った生徒を無視して口喧嘩だなんてさぞいい身分なのでしょうね?それも、王族のエルよりも。」

「教室で魔法を放ったことを正当化するのはみっともないですおやめなさい。そして、どのような関係かは存じ上げませんが先生として、エルに何か声をかけてもいいのでは?」

「どちらも頭がまわんないのですか?そんなことするなら平民落ちでもして人生やり直してきなさい!!!!」
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