愛されることを諦めた途端に愛されるのは何のバグですか!

雨霧れいん

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自己紹介と問題児の正体

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「....メウィルー?」

2人を睨みつけていた僕はエルの言葉によって正気に戻った。ここは貴族院だ、もしかしたら相手の方が地位が高いかもしれないし、先生に楯突くなんて最悪だ。段々怒りに任せて怒ってしまったことを後悔し、血の気が引いていく。

「あの..その、...」

やってしまった感が強すぎて何も喋れなくなる。教室内には気まずい空気が流れる。誰一人として口を開くことができない。そんな中、沈黙を打ち破ったのは目の前の問題児だった。

「んハ、怒られちゃったぁ~?キミ名前はァ~?すっごいツヨソウ!」

「..ルミネモークお前は一回黙れ。メウィルくんだよな?申し訳ない、焦ってしまっていたようだ。正気に戻してくれて感謝する。それでは、全員席に座れ、あーてきとうでいい。」

やっと先生が正気を取り戻したようで、全員に指示を出す。申し訳なさからその場から動けないでいると、エルは僕の手を引いて近くの席に座って”ちょっと面白かった”なんて言う。嫌、僕はやらかしたって思ってるの!
全員が席に着いて、少し落ち着いてきたところで僕は周りを見渡す。先程、ルミネモークと呼ばれていた少年の周りだけ妙に空いていて得体のしれない人とはあまり仲良くしたくないのには共感するな、と思う。けどなんか可哀想...??

「俺はコリネウスだ。呼び方はなんでもいい、先程は失態を犯した、すまない。では順に自己紹介を行ってもらう。前の席の奴からな。」

「俺はレイエル・ネジクトだ。気軽にレイと呼ぶといい、これからよろしく頼む。」

猫をかぶった挨拶をするエルを見るのは少し面白い。普段の砕けた口調に慣れている僕のほうが少数派なのはわかり切っているが、身内が真面目に話し出すと面白いこと、きっと誰でもあると思う。
そしてエルは決して僕以外に”エル”と呼ばせようとしない。それが特別感があって僕は嬉しいのだけれど、ここまで強情だと面白くもある。

「僕はメウィル・ディアス。先程は大声を出してごめんなさい、これからよろしくね!」

エルは敬語で喋っていたが、僕は猫をかぶってそのキャラを続けられるほど器用じゃない。なるべく元気に、素のままで自己紹介をする。
そのままエルが作ったテンプレートを復唱するかのように、自己紹介は続いて行った。最後、1人でぽつんと座っているルミネモークの順番になる。

「ミルはルミネモーク・アイフィン!センセーの婚約者でェ~いっつもナカヨシだよ!ミルのことはミルって呼んでほしいなァ~?よろしく~」

「ちょ、ミル!!!」

教卓からどこか顔を赤く染めている先生がルミネモークに向かって視線を送っている。え、婚約者宣言ってこんな堂々とするの!?
問題児の正体は、担任の恋人でした。もう僕にはなにがなんだかわからないよ、助けてエルー!!!!
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