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衝撃の出会い
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ルミネモークの発言で教室が凍り付いて数十秒。未だに赤い顔をして混乱している先生と、面白そうに笑っているルミネモークの表情を僕は何度も何度も見てしまった。他の生徒もビックリしているのか気まずいのかは分からないけど、一切口を開く気配がなかった。まさに硬直状態の教室の静寂を打ち破ったのはルミネモークだった。
「あっれぇ~?これ言っちゃダメなヤツ?ねーぇー!センセー?オーイ!」
「もう...辞めてくれ...、ミルこれ以上喋るな....」
.....こうしてみると先生が不憫でならない。
「今日は授業も特にない、各自解散で構わないな?先生。」
「あ、あぁ...、解散してくれてかまわない....」
恐らく頭が回っていないだろう先生に、エルが確認を取る。エルは不測の事態に備えて今日の流れを一通り確認していた。まさか入学式当日になにか起きるとは思っていなかったから、役に立つものなのだと感心する。
解散していいと言われた生徒たちは徐々に退散し始めて、教室の中は僕とエルと、先生とルミネモークだけになった。後ろの方の席に座っていたルミネモークは先生のほうに近づいて、ぎゅっと抱きしめた。
「ごめんねェ~?言っちゃダメだって思わなかったんだもん...」
「いや、言うなって言わなくて悪かった...、だがミルもこれからは気を付けて...おねがいだから、」
ぽす、とルミネモークの型に顔を埋める先生を見て、どっちが彼氏なのかを察してしまう。当人が言うのだから疑っていたわけではないが本当に仲がいいらしい。
.....エルと両想いなのに、公言できない僕としては二人がうらやましかったりする。
「退散しよっか、メウィル。」
「うん、僕達お邪魔だよね。二人だけにしてあげよっか!」
エルは僕の手を取ってエスコートしながら教室を出る。あの二人みたいに大っぴらには出来ないけど、こうやって少し手をつないだりするだけで嬉しいのは、僕がまだ初心な証拠かもしれない。
幸せだなぁ、なんて呑気なことを考えて寮へ行こうとすると見覚えのある顔が迫ってくる。エルの僕の手を握る力が強くなる。少し手が震えているような気もして、心配になる。
「お、お父様....」
「レイエル、入学式の言葉立派だったぞ。」
「光栄...、です...。」
「ふむ..、これから半年もの間レイエルと触れられないことを父として寂しく思う。なぁ、レイエル」
「は、はい..っ。」
「長期休暇は帰ってくるように」
「しょうち、しました..っ」
段々エルの言葉はつたないものに変わっていく。心配だが、僕に口を挟めるほどの地位はない。
「期待している、レイエル。」
国王様はそれだけ言い残して、去っていく。僕は一応一度頭を下げてみるが僕に話しかける様子はない。
そして、完全に見えなくなった段階で、エルはその場に崩れ落ちた。
「える..っ!」
「あっれぇ~?これ言っちゃダメなヤツ?ねーぇー!センセー?オーイ!」
「もう...辞めてくれ...、ミルこれ以上喋るな....」
.....こうしてみると先生が不憫でならない。
「今日は授業も特にない、各自解散で構わないな?先生。」
「あ、あぁ...、解散してくれてかまわない....」
恐らく頭が回っていないだろう先生に、エルが確認を取る。エルは不測の事態に備えて今日の流れを一通り確認していた。まさか入学式当日になにか起きるとは思っていなかったから、役に立つものなのだと感心する。
解散していいと言われた生徒たちは徐々に退散し始めて、教室の中は僕とエルと、先生とルミネモークだけになった。後ろの方の席に座っていたルミネモークは先生のほうに近づいて、ぎゅっと抱きしめた。
「ごめんねェ~?言っちゃダメだって思わなかったんだもん...」
「いや、言うなって言わなくて悪かった...、だがミルもこれからは気を付けて...おねがいだから、」
ぽす、とルミネモークの型に顔を埋める先生を見て、どっちが彼氏なのかを察してしまう。当人が言うのだから疑っていたわけではないが本当に仲がいいらしい。
.....エルと両想いなのに、公言できない僕としては二人がうらやましかったりする。
「退散しよっか、メウィル。」
「うん、僕達お邪魔だよね。二人だけにしてあげよっか!」
エルは僕の手を取ってエスコートしながら教室を出る。あの二人みたいに大っぴらには出来ないけど、こうやって少し手をつないだりするだけで嬉しいのは、僕がまだ初心な証拠かもしれない。
幸せだなぁ、なんて呑気なことを考えて寮へ行こうとすると見覚えのある顔が迫ってくる。エルの僕の手を握る力が強くなる。少し手が震えているような気もして、心配になる。
「お、お父様....」
「レイエル、入学式の言葉立派だったぞ。」
「光栄...、です...。」
「ふむ..、これから半年もの間レイエルと触れられないことを父として寂しく思う。なぁ、レイエル」
「は、はい..っ。」
「長期休暇は帰ってくるように」
「しょうち、しました..っ」
段々エルの言葉はつたないものに変わっていく。心配だが、僕に口を挟めるほどの地位はない。
「期待している、レイエル。」
国王様はそれだけ言い残して、去っていく。僕は一応一度頭を下げてみるが僕に話しかける様子はない。
そして、完全に見えなくなった段階で、エルはその場に崩れ落ちた。
「える..っ!」
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